この大量虐殺は西洋文明全体の責任だ

これは我々の大量虐殺だ。これは我々の犯罪だ。これを全てユダヤ人のせいにするのは、我々の社会が何の問題もなく健全で、少数派アブラハム宗教によるマキャベリ的操作さえなければ、このようなことは何も起きなかっただろうと言っているのと同じだ。
ケイトリン・ジョンストン
2024年12月30日
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
ガザ虐殺をユダヤ人のせいにするのは間違いだ。反ユダヤ主義が我々の社会にとって大きな危険だから(そうではない)間違っているわけでもなく、人々が再びユダヤ人を列車に乗せ始める危険があるから(そうではない)間違っているわけでもないく、ユダヤ系イスラエル人と支持者が無辜なので(明らかにそうではない)間違っているわけでもない。
この事件全てをユダヤ人のせいにするのは間違っている。そうすることで、それ以外の我々が罪を免れてしまうためだ。
これは我々の大量虐殺だ。これは我々の犯罪だ。これを全てユダヤ人のせいにするのは、我々の社会が何の問題もなく健全で、少数派アブラハム宗教のマキャベリ的操作がなければ、このようなことは何も起きなかっただろうと言っているのと同じだ。これは、この邪悪な文明の全てや、これまでずっとそうだったことのせいで、中東が今まさに燃えている現実を否定することになる。
社会のあらゆる悪をユダヤ人のせいにする傾向が他のどの地域より極右に多く見られるのは偶然ではない。右翼は、西洋文明を世界特有の有害な害悪とみなしたり、資本主義と帝国主義をそれがもたらす不正と虐待の原動力とみなしたりするのをイデオロギー的に禁じられている。もし、それら全てを素晴らしい良いものと見なすイデオロギー的必要性があるなら、なぜ全てがひどくて邪悪なのかについて別の説明を考え出す必要がある。だから、西洋文明はあの忌ま忌ましいユダヤ人さえいなければ、まったく素晴らしいものになるはずだと彼らは信じているのだ。
だが西洋文明は順風満帆ではない。西洋文明は大量虐殺と奴隷制度によって築かれ、人間の血によって動かされている、酷く病んだディストピアだ。これはイスラエルの有無や、ユダヤ教の有無に関わらず事実だ。
ガザでの大量虐殺は、西側帝国が望んでいるがゆえに起きているのだ。電話一本で、バイデンはいつでもこれを終わらせられたはずなのだ。我々の指導者連中は渋々これに追い込まれているわけではない。彼らは、イスラエルと何の関係もない過去の西側軍事介入で無実の人間を虐殺したのと同じくらい気軽に、同じ理由で虐殺している。
欧米帝国は自国主権を主張するあらゆる人々を攻撃的に標的にし、世界を従順に服従させるため絶えず脅迫している。中南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東でも同様だ。イスラエルは欧米帝国の加盟国で、イラン、アンサル・アッラー、ヒズボラ、ハマスなど帝国の意志に従わない不服従な人々を叩きのめす上で極めて重要な役割を果たしている。かつてシリアを帝国に抵抗する国々の一つとして私は挙げていたが、欧米諸国とイスラエルがシリアを叩きのめして、帝国の塊に吸収するのに成功した。
中東で自らの意志を遂行するための多くの手段の一つとして、帝国はシオニズムを利用しているが、シオニズムがなければ、何か他のものを利用するだろう。暴力は様々な物語の下で色々な形で展開されるだろうが、資源や重要貿易路に恵まれたこの極めて重要な戦略的地域で、従わない住民に対する暴力的撲滅が継続的に行われることになるはずだ。
これがまさに我々の文明の姿だ。殺人、窃盗、暴君的な帝国が、地球上の人々を常に脅迫し、虐待し、服従と服従を強要している。現実を直視したくないために、ユダヤ人を問題にしようとする人もいる。だが現実は、問題は我々自身なのだ。
ガザをご覧願いたい。本当に見て頂きたい。ビデオを見て頂きたい。叫び声を聞いて頂きたい。悲惨な話をお読み頂きたい。 これが我々だ。これが我々の姿だ。ユダヤ人のせいではない。我々のせいだ。我々がこれを認めるのが早ければ早いほど、それを引き起こした我々の心の中に完全に自生している病気を癒やす方向に進むのが早くなる。そして、我々はより早く、より良いものになり始められるのだ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/12/30/all-of-western-civilization-owns-this-genocide/
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