ブカレストで最大規模の抗議行動:背後に一体何があるのか?

エルキン・オンカン
2025年1月16日
Strategic Culture Foundation
真の中道左派がない中、不満を抱く大衆は極右人物や政党に解決を頼っている。
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先週ブカレストで、これまでで最大規模のデモが行われた。だが一体なぜだろう?
ルーマニアでは、候補者13人が参加した大統領選挙の第1回投票で最有力候補になったのは、リベラル保守派で欧米・NATO支持派のエレナ・ラスコニと、極右でNATO・EU反対派の候補者で自称「TikTokスター」のカリン・ジョルゲスクだった。
第1回投票でのジョルゲスク勝利は欧米諸国に衝撃を与えた。しかし、第2回投票のわずか2日前に、ルーマニア憲法裁判所は第1回投票の結果を無効とした。
諜報機関報告は、TikTokに焦点を当てたジョルゲスクの選挙運動には「ロシアの干渉」の痕跡があると主張した。だがルーマニアの国家財政管理庁(ANAF)は後に、ジョルゲスクのTikTok選挙運動はロシアではなく、親欧州の国民自由党(PNL)から資金提供を受けていたことを明らかにした。それでも無効の決定は覆されなかった。
ジョルゲスクは、欧州政界で最も興味深い人物の一人だ。極右政治家の彼は、2022年にアンテナ3とのインタビューで、ルーマニアの親ナチス派元独裁者イオン・アントネスクと、人種差別主義で反ユダヤ主義の鉄衛団創設者コルネリウ・ゼレア・コドレアヌを「英雄」と呼び、物議を醸した。
だがアメリカとNATO投資の最大受益国の一つであるルーマニアのような国では、ジョルゲスクの指導力に対する本当の障害は彼の極右姿勢ではなく、反NATO的見解だ。
NATOのデベセル島弾道ミサイル防衛システムを「外交上の恥辱」と評し、ルーマニアはウクライナ戦争で中立を保つべきだとジョルゲスクは主張した。「ウクライナ情勢が操作されているのは明らかだ。アメリカ軍産複合体と軍需産業の利益のために紛争が引き起こされている」と彼は述べた。
また欧州連合(EU)はルーマニアを奴隷化するのを狙った失敗プロジェクトだと彼は批判した。
ジョルゲスク当選取り消しに続く社会不安は、この極右指導者が国民の間で大きな支持を得ていることを示している。報道によると、今日の集会には約5万人が参加した。
この抗議行動は、2019年に設立され、ジョージ・シミオンが率いるルーマニア民族統一党(AUR、Alianța pentru Unirea Romanilor)が主催した。民族主義的保守政党のAURは、ルーマニアとモルドバ(Unirea)の統一を主張し、カトリックと正教会の価値観に根ざした伝統的道徳を推進している。
LGBTQ+の権利や移民やワクチン接種の義務化や規制にも同党は反対している。2020年の議会選挙では9%近くの票を獲得し、大きな驚きをもたらした。
要約すると、これはヨーロッパ全体のより広範な傾向を反映しており、経済の安定と安全の要求、現在の政治情勢への幻滅、EUのような欧米同盟に対する懐疑心により動かされた人々は、益々主流政治から外れた代替案を求めている。真の中道左派が存在しない中、不満を持つこれら大衆は、解決策として極右の人物や政党に目を向けている。
これはルーマニアだけでなく、ヨーロッパ全体で増加傾向にあり、注目に値する。ヨーロッパの未来は、おそらくこれらの動きによって形成されるだろう。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2025/01/16/one-of-largest-protests-in-bucharest-whats-behind-it/
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The Duranの二人がこの問題を解説している。
Romania's silent coup. EU/NATO tries to stop Georgescu 18:12;日刊IWJガイド
「フジテレビの港浩一社長が記者会見!『局として性接待や性上納の報道が出ているが?』の質問に『ない』ではなく『ないと信じたい』と回答!」2025.1.18号
■本日午後7時より、「激戦の地ドンバスまで足を運び、自分の目と耳で調査した『学者魂』の研究者に聞く! 第2次トランプ政権でウクライナ政策が見直される今だからこそ、日本も、2014年のユーロマイダン革命にまで立ち返って現在に至る経緯を検証する必要がある! 岩上安身によるインタビュー第1181回ゲスト 東京大学法学部・松里公孝教授 第1部・第2回」を撮りおろし初配信します! 配信終了後、会員向けIWJサイトのアーカイブにアップします!
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