ロシア - 挑発に応じるか、それともチャーリー・ブラウンのようにルーシーのサッカー・ボールで騙されるのか?
2024年12月17日
Moon of Alabama
今朝早く、モスクワでウクライナ軍事情報局の暗殺者がロシアの放射線・化学・生物防衛軍の司令官、イーゴリ・キリロフ中将を殺害した。
キリロフは著名人物だった。ウクライナにおけるアメリカの秘密生物兵器実験について、彼は何度か公開講演を行っていた。
ロシアにとっての問題は、これに、どう対応するかだ。
全力で反撃して、この事件の責任者たるキーウの「意思決定センター」を破壊するべきだろうか?(注:「意思決定センター」の正確な定義には、キーウにあるアメリカとイギリス大使館も含まれるだろう。)
それとも、ドナルド・トランプとのウクライナ問題に関する交渉が、一時的であれ、実際何らかの前向きな結果をもたらすことを期待して、待つべきなのだろうか?
難しい質問だ。
トランプ新政権の全体的構成はタカ派的だ。
従って、ロシアにとってプラスになると考えられるいかなる合意も、それが書かれた紙の価値しかないと、ジェームズ・ジョージ・ジャトラスは書いている。
ロシアは当然これを予想しているはずだ。しかし、挑発に乗るか、それとも別の方法を見つけるかという最初の疑問は、より大きな文脈の中で問うことも可能だ。
2019年、国防総省シンクタンクRANDは、ウクライナ戦争をもたらした主要政策文書を発表した。
Extending Russia - Competing from Advantageous Ground(能力以上にロシアに背伸びさせる - 有利な立場で競争する)
要約はこう述べている。
ウクライナで特別軍事作戦を開始して、実際ロシアはランドが計画した挑発に騙されたのだ。その時点で、ロシアには他に選択肢はなかった。
アメリカの対ロシア強硬派はロシアをウクライナに閉じ込めておくため全力を尽くすだろう。
だが紛争の長期化が欧米諸国にもたらす危険が増大していると見る人々もいる。紛争が引き起こした経済的損害は既に甚大で、アメリカの能力を対中国紛争から転用させている。
トランプの平和への誘いは、RANDの罠からロシアが抜け出すための現実的選択肢になるかもしれない。
全てを賭けてキーウを占領し、ウクライナを国家として打倒するか、交渉を選び、いくつかの問題で譲歩し、永続的になるかもしれない(あるいは永続的にならない可能性が高い)不完全な解決策に同意するか、どちらかだ。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と周囲の人々は、これら困難な問題について熟考することになるだろう。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/12/russia-agree-to-be-provoked-or-fall-for-lucys-football.html#more
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Judging Freedom
Moon of Alabama
今朝早く、モスクワでウクライナ軍事情報局の暗殺者がロシアの放射線・化学・生物防衛軍の司令官、イーゴリ・キリロフ中将を殺害した。
核・生物・化学戦力司令官イーゴリ・キリロフ中将がモスクワの住宅から出る途中、爆発で死亡したとロシア軍は声明で発表した。キリロフは普通のアパートに住んでいた。補佐官が仕事に迎えに来ていた。彼らは監視されており、彼らを監視(および撮影)していた誰かが引き金を引いたのだ。
近くに駐車していた電動キックボードに爆発物が隠されていた。キリロフ側近もこの襲撃で死亡したと捜査委員会は述べ、刑事捜査を開始すると発表した。ポリティコが入手したビデオ映像は、この事件説明を裏付けている。
キリロフは著名人物だった。ウクライナにおけるアメリカの秘密生物兵器実験について、彼は何度か公開講演を行っていた。
キリロフの死亡について、彼は軍人生活で終始「シリアでの化学兵器によるNATOの挑発行為、ソールズベリーとエイムズベリーでのイギリスによる禁止化学物質の扱いや挑発行為、ウクライナでのアメリカ生物学研究所の致死的活動など、英米の犯罪を繰り返し暴露してきた」とロシア外務省ザハロワ報道官は述べた。もちろんこれは、ドナルド・トランプ次期大統領がおそらく進めるロシアとの和平交渉を困難にするため、ウクライナが仕組んだ挑発行為だ。
「彼は恐れることなく働いた。人々の背後に隠れることはなかった」とザハロワは述べている。
ロシアにとっての問題は、これに、どう対応するかだ。
全力で反撃して、この事件の責任者たるキーウの「意思決定センター」を破壊するべきだろうか?(注:「意思決定センター」の正確な定義には、キーウにあるアメリカとイギリス大使館も含まれるだろう。)
それとも、ドナルド・トランプとのウクライナ問題に関する交渉が、一時的であれ、実際何らかの前向きな結果をもたらすことを期待して、待つべきなのだろうか?
難しい質問だ。
トランプ新政権の全体的構成はタカ派的だ。
従って、ロシアにとってプラスになると考えられるいかなる合意も、それが書かれた紙の価値しかないと、ジェームズ・ジョージ・ジャトラスは書いている。
一時的休戦や停戦や、破るために結ばれる合意や、現在の拡大する軍事的優位をロシアに放棄させるための身勝手な策略としての休戦は受け入れないとロシアは明言している。(...) 相互の安全に基づく永続的平和を保証する、本物の、決定的な、拘束力ある和解が必要で、さもなければ、ロシア軍は、彼らの目的、特にウクライナの「非軍事化と非ナチ化」が軍事的に実現するまで押し進むとロシアは主張している。そのような結果は、少なくともキーウ現政権転覆を意味し、より可能性が高いのは、ウクライナ国家の終焉だ。ジャトラスは、ロシアに対しアメリカが一時的に譲歩し、後にそれらの各項についてことわざどおりにボールを引っ込める可能性があるいくつかの点を列挙している。
欧米諸国にとって、これはアフガニスタン規模の大惨事となり、事実上、アメリカ帝国の至宝、ヨーロッパにおける覇権の終焉を告げることになる。それを避けるために、トランプはロシアに何を提供できるだろう?
... トランプ政権にとっての本当の問題は、過去に何度も破られた約束に、これ以上頼らないというロシアが表明した決意に、どれほど余裕があるのかという政治的問題になる。言い換えれば、ルーシー・トランプが、GAEとBRICS-ユーラシアの世界対立のヨーロッパ戦線で完全敗北を避け、イランや中国と争いたければい、 チャーリー・ブラウン・プーチンをだまして、再びサッカー・ボールに挑戦させられるのだろうか?
少なくとも彼なら成功する可能性は高いと私は思う。
ロシアは当然これを予想しているはずだ。しかし、挑発に乗るか、それとも別の方法を見つけるかという最初の疑問は、より大きな文脈の中で問うことも可能だ。
2019年、国防総省シンクタンクRANDは、ウクライナ戦争をもたらした主要政策文書を発表した。
Extending Russia - Competing from Advantageous Ground(能力以上にロシアに背伸びさせる - 有利な立場で競争する)
要約はこう述べている。
この報告書は、ロシアに手を広げさせるための様々な手段を検討している。2018年の国家防衛戦略で認められている通り、アメリカは現在、ロシアとの大国間競争に関与している。この報告書は、アメリカが自らの権益のために競争できる分野を定義しようとしている。欧米とロシアの情報源からの定量的、定性的情報を利用して、この報告書はロシアの経済的、政治的、軍事的な脆弱性と不安を検証している。次に、それらをイデオロギー的、経済的、地政学的、軍事的(航空宇宙、海上、陸上、マルチドメイン選択肢を含む)に利用するための可能性ある政策選択肢を分析している。各対策について説明した後、この報告書は関連する利点、コスト、リスク、および対策がうまく実施され、実際にロシアに手を広げさせる可能性を評価している。この報告書で取り上げられている手順のほとんどは、ある意味エスカレーション的で、そのほとんどはロシアによる対抗エスカレーションを引き起こす可能性がある。ウクライナを武装させて、ロシア介入を誘発させるのは、ロシア連邦を弱体化させる最も「効果的な」方法だと考えられていた。
ウクライナで特別軍事作戦を開始して、実際ロシアはランドが計画した挑発に騙されたのだ。その時点で、ロシアには他に選択肢はなかった。
アメリカの対ロシア強硬派はロシアをウクライナに閉じ込めておくため全力を尽くすだろう。
だが紛争の長期化が欧米諸国にもたらす危険が増大していると見る人々もいる。紛争が引き起こした経済的損害は既に甚大で、アメリカの能力を対中国紛争から転用させている。
トランプの平和への誘いは、RANDの罠からロシアが抜け出すための現実的選択肢になるかもしれない。
全てを賭けてキーウを占領し、ウクライナを国家として打倒するか、交渉を選び、いくつかの問題で譲歩し、永続的になるかもしれない(あるいは永続的にならない可能性が高い)不完全な解決策に同意するか、どちらかだ。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と周囲の人々は、これら困難な問題について熟考することになるだろう。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/12/russia-agree-to-be-provoked-or-fall-for-lucys-football.html#more
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