ロシアの新型ミサイルが、なぜ本当に形勢を一変させるのか
2024年11月22日
Moon of Alabama
ウクライナからの対ロシア弾道ミサイル攻撃を計画するアメリカの決定に応えて、偉大な奇術師で、ロシア連邦大統領でもあるウラジミール・プーチンはシルク・ハットからウサギを取り出した。
昨日、新型中距離弾道ミサイルの6つの独立した弾頭がウクライナのドニプロにあるユジュマシュミサイル工場を攻撃した。
これまで、この新型ミサイルとその機能は知られていなかった。これは特に欧州でロシアに対し優位に立とうとする10年にわたるアメリカの取り組みに対する明らかな対抗策だ。
ミサイルは、射程距離で分類できる。
2018年初頭、RS-26の更なる開発は全て中止し、より有望な極超音速滑空機アバンガルドに資金投資するとロシア連邦は決定した。
RS-24開発を中止する決定をロシアが下した数か月後、アメリカはINF条約から撤退した。ロシアの特定巡航ミサイル開発は条約違反だとアメリカは主張したが、撤退の本当の理由は別のところにあった。
中国が条約に署名していなかったため、南シナ海を含む太平洋における中国の軍備増強に対抗する必要があったことも、条約からアメリカが撤退するもう一つの理由だった。バラク・オバマ大統領時代まで遡り、アメリカ当局者は、このことを指摘してきた。
だが、INFからのアメリカ離脱は、ミサイル防衛を限定していた弾道ミサイル防衛条約からの2002年のアメリカ離脱と一致していた。その後まもなく、東ヨーロッパに「ミサイル防衛施設」を建設するとアメリカは発表した。これら施設は、ロシアに向けて攻撃的な巡航ミサイルを発射するように簡単に転用できる。
2024年7月、2026年から核兵器搭載可能な中距離ミサイルをドイツにアメリカが配備するとNATOは発表した。
これはINF条約発効前にヨーロッパが経験した危険な状況を再現することになる。アメリカ本土の関与なしに、ヨーロッパ内で核戦争が起こる可能性が再び高まるのだ。
この脅威にロシアはついに対応せざるを得なかった。NATOの発表から数週間後、ウラジミール・プーチン大統領はこれら計画に対応した。
オレシュニク(Орешникハシバミ)と名付けられたこの新型ミサイルは、RS-26の派生型で、射程距離が短く、(以前の4基でなく)6基の多重独立標的再突入体(MIRV)を搭載している。各再突入体は6個の子弾頭を搭載できる。搭載物は不活性で、その運動エネルギーのせん断力や高爆薬や核兵器で標的を破壊できる。
このミサイルは固体燃料を使用し、道路を移動可能で、偽装で隠された位置からすぐ発射できる。
ロシアから発射されるこのミサイルは、ヨーロッパのあらゆる目標に20分以内に到達できる。大気圏に再突入すると、ミサイル弾頭は毎秒3~4キロの極超音速に達する。これを阻止できる防空システムは世界中に存在しない。
このような巨大な能力の驚くべきかつ成功した実証は、ヨーロッパの戦略家連中にとって警鐘になる。
欧米諸国の優位性とロシアの無能さをめぐるネオコンの主張にだまされて、欧州諸国はロシアに対する代理戦争と自らの運命を結びつけるのに躍起になっていた。ドンバス地方の資源を巡る戦いに敗れた欧州諸国は、対ロシア兵器の到達範囲を拡大しようと躍起になっている。
今や結果は出ている。わずか数分の予告でヨーロッパのあらゆる政治・産業中心地を壊滅的威力で攻撃できるロシアの新兵器に対し、ヨーロッパは無防備だ。
幸いなことに、進路を変える時間はまだある。
新たな能力を発表する一方、配備を限定する提案もロシア大統領はしている(映像)。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/11/why-these-new-russian-missiles-are-real-game-changers.html#more
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Alex Christoforou YouTube 冒頭リンジー・グラムの恫喝。新型長距離ミサイルにも触れている。
Moon of Alabama
ウクライナからの対ロシア弾道ミサイル攻撃を計画するアメリカの決定に応えて、偉大な奇術師で、ロシア連邦大統領でもあるウラジミール・プーチンはシルク・ハットからウサギを取り出した。
昨日、新型中距離弾道ミサイルの6つの独立した弾頭がウクライナのドニプロにあるユジュマシュミサイル工場を攻撃した。
これまで、この新型ミサイルとその機能は知られていなかった。これは特に欧州でロシアに対し優位に立とうとする10年にわたるアメリカの取り組みに対する明らかな対抗策だ。
ミサイルは、射程距離で分類できる。
- 短距離弾道ミサイル (SRBM) は、約1,000キロの範囲内の敵軍を標的とするよう設計されている。通常は戦術的シナリオで使用され、地域の脅威に迅速に対応できる。
- 中距離弾道ミサイル (MRBM) は、運用範囲を約3,500キロに拡大する。このシステムは、大陸間ミサイルに頼ることなく、より遠くの標的を攻撃できるようにして、国家の抑止力を強化する。
- 大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、射程距離が5,500キロを超える最長距離の種類に属する。これらミサイルは、大陸を越えて弾頭を運び、世界の安全保障の動向に大きな影響を与える戦略的抑止力として機能する。
INF条約は、両国の核および通常弾頭搭載の地上発射弾道ミサイル、巡航ミサイル、射程距離500~1,000キロ (310~620マイル) (短中距離) および1,000~5,500キロ (620~3,420マイル) (中距離) のミサイル発射装置を全て禁止した。この条約は空中発射ミサイルや海上発射ミサイルには適用されなかった。1991年5月までに、両国は2,692発のミサイルを廃棄し、その後10年間にわたり現地検証査察を行った。一定の射程距離のミサイル配備は禁止されていたが、ミサイル開発は続けられた。2008年頃、ロシア連邦はRS-24(ヤルス)大陸間ミサイルの基本設計を利用し、爆薬搭載用の、より軽量で柔軟性が高いモデルを開発した。その結果、扱いやすいRS-26ミサイルが生まれた。このミサイルは大陸間ミサイルとして分類されるのに必要な射程距離を実現できたが、爆薬搭載量が小さすぎて実際は効果的ではなかった。
2018年初頭、RS-26の更なる開発は全て中止し、より有望な極超音速滑空機アバンガルドに資金投資するとロシア連邦は決定した。
RS-24開発を中止する決定をロシアが下した数か月後、アメリカはINF条約から撤退した。ロシアの特定巡航ミサイル開発は条約違反だとアメリカは主張したが、撤退の本当の理由は別のところにあった。
中国が条約に署名していなかったため、南シナ海を含む太平洋における中国の軍備増強に対抗する必要があったことも、条約からアメリカが撤退するもう一つの理由だった。バラク・オバマ大統領時代まで遡り、アメリカ当局者は、このことを指摘してきた。
だが、INFからのアメリカ離脱は、ミサイル防衛を限定していた弾道ミサイル防衛条約からの2002年のアメリカ離脱と一致していた。その後まもなく、東ヨーロッパに「ミサイル防衛施設」を建設するとアメリカは発表した。これら施設は、ロシアに向けて攻撃的な巡航ミサイルを発射するように簡単に転用できる。
2024年7月、2026年から核兵器搭載可能な中距離ミサイルをドイツにアメリカが配備するとNATOは発表した。
これはINF条約発効前にヨーロッパが経験した危険な状況を再現することになる。アメリカ本土の関与なしに、ヨーロッパ内で核戦争が起こる可能性が再び高まるのだ。
この脅威にロシアはついに対応せざるを得なかった。NATOの発表から数週間後、ウラジミール・プーチン大統領はこれら計画に対応した。
アメリカ政府とドイツ政府は、2026年にドイツにアメリカの長距離精密ミサイルを配備する計画に関し注目すべき声明を発表した。昨日のドネプロペトロフスクのユジュマシュ複合施設攻撃(映像)は、ロシアの新たな能力の最初の実証となった。
このミサイルはロシアの主要国家施設、軍事施設、行政・産業センター、防衛インフラの範囲に到達する可能性がある。将来核弾頭を搭載する可能性があるこのようなミサイルが我が国の領内の標的に到達するまでの飛行時間は約10分だ。
既にアメリカは自国領からデンマークとフィリピンまでタイフォン・ミサイル配備を訓練している。この状況は、冷戦時代にアメリカの中距離パーシング・ミサイルがヨーロッパに配備された時の出来事を彷彿とさせる。
アメリカがこれら計画を実行すれば、海軍の沿岸部隊の能力増強を含め、これまで想定されていた中距離および短距離攻撃兵器の配備に関する一方的モラトリアムから解放されることになるだろう。
現在、ロシアにおけるこうしたシステムの開発は完成に近づいている。我々は、アメリカや欧州衛星諸国や世界の他地域における行動を考慮し、同様の措置を講じ、これらシステムを配備する予定だ。
オレシュニク(Орешникハシバミ)と名付けられたこの新型ミサイルは、RS-26の派生型で、射程距離が短く、(以前の4基でなく)6基の多重独立標的再突入体(MIRV)を搭載している。各再突入体は6個の子弾頭を搭載できる。搭載物は不活性で、その運動エネルギーのせん断力や高爆薬や核兵器で標的を破壊できる。
このミサイルは固体燃料を使用し、道路を移動可能で、偽装で隠された位置からすぐ発射できる。
ロシアから発射されるこのミサイルは、ヨーロッパのあらゆる目標に20分以内に到達できる。大気圏に再突入すると、ミサイル弾頭は毎秒3~4キロの極超音速に達する。これを阻止できる防空システムは世界中に存在しない。
このような巨大な能力の驚くべきかつ成功した実証は、ヨーロッパの戦略家連中にとって警鐘になる。
欧米諸国の優位性とロシアの無能さをめぐるネオコンの主張にだまされて、欧州諸国はロシアに対する代理戦争と自らの運命を結びつけるのに躍起になっていた。ドンバス地方の資源を巡る戦いに敗れた欧州諸国は、対ロシア兵器の到達範囲を拡大しようと躍起になっている。
今や結果は出ている。わずか数分の予告でヨーロッパのあらゆる政治・産業中心地を壊滅的威力で攻撃できるロシアの新兵器に対し、ヨーロッパは無防備だ。
幸いなことに、進路を変える時間はまだある。
新たな能力を発表する一方、配備を限定する提案もロシア大統領はしている(映像)。
我々が中距離・短距離ミサイルを開発しているのは、欧州やアジア太平洋地域に中距離・短距離ミサイルを生産・配備するアメリカの計画に対応しているためだ。アメリカは2019年に突飛な口実でINF条約を一方的に破棄したが、これは間違いだったと我々は考えている。現在、アメリカはこうした兵器を生産しているだけでなく、我々が知る通り、先進的ミサイルを、部隊の訓練演習中に欧州を含む世界各地に配備する方法をアメリカは編み出している。しかも、こうした演習の過程で、それらを使用する訓練も行っている。ロシアに対して、アメリカとヨーロッパの手先が更なる攻撃を仕掛ける場合、野外条件下で、おそらくウクライナ以外の標的を狙う、より厳しいオレシュニク「実験」が実施されるだろう。
念のため言っておくと、アメリカのこの種兵器が世界のどこかの地域に出現するまで、中距離と短距離ミサイルを配備しないとロシアは自発的かつ一方的に約束している。
繰り返すが、我々はロシアに対するNATOの攻撃的行動に対抗するために、オレシュニク・ミサイルシステムの実戦テストを行っている。中距離および短距離ミサイルの更なる配備に関する我々の決定は、アメリカと衛星諸国の行動次第だ。
ロシア連邦の安全に対する脅威に基づき、先進ミサイルの更なる試験の際に、我々は標的を決定する。我々の施設に兵器使用を認める国々の軍事施設に対し、我々の兵器を使用する権利があると我々は考える。攻撃行動がエスカレートした場合、我々は断固、鏡のように対応する。ロシアに対して自国軍隊を使用する計画を立てている国々の支配者は、これを真剣に検討するよう私は推奨する。彼らがそうしてくれると期待しよう。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/11/why-these-new-russian-missiles-are-real-game-changers.html#more
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Alex Christoforou YouTube 冒頭リンジー・グラムの恫喝。新型長距離ミサイルにも触れている。
ICC, Graham warns Justin. Germany, NO arrest Bibi. Putin; more surprises, Oreshnik mass production 26:46Dialogue Worksでは、MIT教授が、このミサイルについて解説している。Foxニュースでご託を並べる元軍幹部何もわかっていない阿呆とMIT教授は切り捨てる。
Prof. Ted Postol Assessing Russian Attack on Ukraine by Hypersonic Missile 43:37≪櫻井ジャーナル≫も、新型ミサイルに触れている。
ウクライナを使った米英の対露攻撃への報復として露はマッハ10の弾道ミサイル
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