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2024年11月 9日 (土)

土地強奪は「明白な天命」‒ 良いパレスチナ人は死んだパレスチナ人だ:イスラエル-シオニスト-アメリカ政策進行中!

Henry Kamens
2024年10月25日
New Eastern Outlook

 ガザでこれまでに起きたこと、そして、この地域で次に起きそうなことはヨルダン川西岸の入植者の動きによって衰えずに続いている。だがガザ北部で始まっていることや、明らかにレバノンで計画されていることに比べれば基本的に小さな変化に過ぎない。

 良いパレスチナ人は死んだパレスチナ人だ:イスラエル-シオニスト-アメリカ政策進行中!

 BBCの最近の見出しを見れば、パレスチナ自治区やパレスチナ本土だけでなく、おそらくこの地域の大部分で今後起きることの見かけをよくしようとしているのは明らかだ。

 更に民間人数十万人を全面的に包囲するイスラエル政策を、単に「物議を醸す」とBBC報道は表現したが、この見出しは真実省のウィンストンが誇りに思う類いのものだ。「降伏か飢えか:ジャバリア攻撃はガザ北部に対する物議を醸すイスラエル計画を「示唆」 [強調は筆者]」。

 古い習慣は、なかなか断ち切れないものだ。特にヨーロッパのルーツと価値観を持つユダヤ人にとっては。

 この見出しは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』の真実省からの引用で、メディアが言語を操作して真実を曖昧にし、国が主導する言説を推進する上で従順なことを示している。

 丸見えの絶滅計画!

 動機は明らかだ。ガザ北部のパレスチナ人をユダヤ人入植者に置き換えたいとベンヤミン・ネタニヤフ戦争内閣の超国家主義過激派は考えている。イスラエル隣国南部の町名のブライ語名への変更提案を記した最近ユダヤ人入植者が公表した地図を考えると、おそらくレバノン南部でもそうだ。

 占領されこシリア領ゴラン高原で行われたことは、大イスラエルで計画されていることとほぼ同義だ。そしてイスラエル人も、それで自分たちが罰せられないのを知っている。トランプ政権下で、アメリカは占領地をイスラエルの不可分の一部と認め、エルサレムを首都としたのに、世界は黙って傍観し、新たな領土奪取に青信号を与えたためだ。

 大胆な占領

 「入植地で国境が変えられる」ということに留意が必要だ。ゴラン高原はイギリス委任統治領国境の外側にあり、何百ものシリアの村があったので「イスラエルがこれまで実行した中でも最も大胆な」占領だった。1967年の六日間戦争中に、ゴラン高原がイスラエルに占領された事実により現在でさえシリア領土として国際的に認められている。

 それは古いアメリカ西部劇で、新生活を始めたいと願う無辜の入植者が、既に土地を所有しているインディアンと平和共存するつもりがないのと似ている。だがイスラエル入植者は決して無辜でなく正当で合法的所有者から土地を奪い犯罪行為をしてきたのだ。

 パレスチナ人に対するイスラエルの政策、特にガザ地区とヨルダン川西岸地区における政策は、何世紀にもわたり先住民に起きた多くのことと比較され、明白な「歴史的類似点」を形成している。イギリスや南アフリカやフランスやベルギーやヨーロッパによる植民地化全般と比較した場合、これらの行動の深刻さと影響が目立つ。

 古い習慣を断ち切るのは困難だ。特にヨーロッパにルーツを持ち、ヨーロッパの価値観を持つユダヤ人にとって、なおさらだ。

 「明白な天命」という言葉は、アメリカ人は大陸全土を征服する権利を神から与えられており、先住アメリカ人住民を犠牲にして北米全土に拡大する運命にあるという19世紀アメリカの考え方を指している。

 これは実に良く聞く話のようだ。なぜなら、この例えは、同様にイスラエルが拡張主義政策を追求していることを示唆するのに使われているからだ。この運動についてCNNが報じた通り、ユダヤ人の神が、彼らにその権利を与えたためだ。

 それは単純だ。新しいユダヤ人入植者の波に道を開くため、ガザに再定住するため、必要なだけ多くのパレスチナ人や他の人々を追放し殺害するのだ。当然、これら全ては、安全保障や神の介入やハマスとヒズボラ(テロ)との戦いという名目で可能になる。

 「良いインド人は死んだインド人だけだ」という表現を思い出すだけで現地の現実が理解できる。またイスラエル国防軍部隊の行動を見れば、民間人を無差別殺害するのはイスラエル国家政策と交戦規則の一部だとわかる。パレスチナ人に対するイスラエル政策は、厳しいだけでなく、意図的に非人間化するものであり、共存ではなく排除の姿勢に基づいており、大規模民族浄化を目的にしている。

 ガザの状況は、これから起きることのほんの一例に過ぎず、レバノンでも同様だ。ヨルダン川西岸では、イスラエル警察とイスラエル国防軍の保護を受けながら、入植者が家や村を乗っ取り、目的を達成するためどんなことでもする緩やかな動きが既にゆっくり進行仲だ。こうしたことは全てしっかり記録されており、殺人やパレスチナ人村の焼き討ちや破壊は、イスラエルの独立戦争以前から現在まで頻繁に起きており、継続している。

 土地への貪欲さ

 しかしイスラエルの土地への貪欲さは占領地や南レバノンに限ったことではない。最近「エルサレムは将来ダマスカスまで拡大すると書かれている」と強硬派のベザレル・スモトリチ財務大臣が不気味な発表をし、更に「ダマスカスまで全てエルサレムだ」と不吉に補足した。

 その間終始、人権や「大いに愛する」国際法について国際機関や外国政府は口先の約束をするだけだ。とはいえ、ガザ北部とレバノンの状況は、戦争地帯で、巻き添え被害が予想されるため、更に極端になる可能性がある。昨年、少なくとも4万人のパレスチナ人が死亡し、この数字はおそらくもっと多いだろうが、これはレバノンの広大な地域で計画されていることのごく一例にすぎない。

 手段が目的を正当化するのを理解しているネオコンや新生キリスト教徒の命令にイスラエルは実際従っており、国連はおろか、おそらくアラブ諸国も誰も輸送を進んで止めようとしないと知っているため、欧米諸国、特にアメリカから無限の兵器の助けを借りて、狙いは最短期間で実現されるかもしれない。

 焦土政策

 これら行動は、イスラエル人入植地を拡大し、パレスチナ人問題を永久に解決するためパレスチナ人を追放する未曾有の暴力と土地接収の激化を伴う焦土政策だ。

 イスラエルの経済状況が非常に悪化し、資金が国外流出し、ホロコースト後のユダヤ人脱出(エクソダス)と似た逆脱出が起きているため、今が最も好機、つまり最後の機会だとシオニスト政党は理解している。

 「土地をもたぬ人のための人のいない土地」というシオニスト・スローガンほど大きな嘘はかつてなかった。

 勝者が全てを手に入れるというゲームの決まりをイスラエル政府は理解している。特に近々行われる大統領選挙と国内で対処すべき最近の環境災害にアメリカが気を取られている今は。そして、物事が迅速に解決されなければ、忍耐は失われ、シオニスト国家の最も熱心な支持者でさえ、イスラエルとシオニスト政府を見捨て、その政策に対する誠実さと無条件支持が、政治的、財政的実利主義により蝕まれる中、指導部が自業自得で苦しむのを放置するだろう。

 BBC報道と真実省

 イスラエル行動のBBCによる描写は、欧米諸国報道機関の大半と同様「物議を醸す」などの言葉を使って状況の深刻さを彼らが意図的に軽視していることを示している。つまり、現代の大量虐殺レベルのパレスチナ人強制移住を含むイスラエル計画の本当の深刻さをごまかしているのだ。

 更に悪いことに、イスラエルの過激プロパガンダが頻繁に繰り返され、特に2023年10月7日の強姦や「オーブンの中の赤ちゃん」の話は全て虚偽と判明し、イスラエルが「ハンニバル指令」を実施し、捕虜になるのを避けるため自国民間人を殺害した事実が意図的に隠蔽された。更に、死はイスラエルのせいだと言い、ハマスから手厚い扱いを受けたと解放されたイスラエル人人質が述べた話を欧米メディアは抑制している。

 厳しい現実!

 小説『1984年』で、真実省はプロパガンダと歴史の書き換えと権力維持のための情報統制を担当している。イスラエルの軍事行動や拡張主義的目的の「厳しい現実」を隠すため「物議を醸す」という婉曲表現を使っているのはBBCだけではない。

 今の状況は悪いと、あなたが思っているなら、あなたはまだ何も見ていない。経済が崩壊し、国民が内部分裂している絶望的な政府、特に首相が全てを危険にさらす覚悟ができていおり、ユダヤ人国家が歴史の脚注に戻るかもしれないのだから。最大の脅威はイスラエル国内にあり、移民や資金や投資の流出(第二次世界大戦後ヨーロッパからの脱出の逆)があり、外国パスポートを持っている人々の多くは、既にイスラエルを出国しており、帰還法は意味をなさないだろう。

 パレスチナ人に対するイスラエルの政策と、入植者による植民地主義の歴史事例の間には明確な類似点がある。これは、共謀するメディアと、鼻をつまんで黙っている無関心な国際社会によって強化される追放と支配の意図的戦略を示している。

 Henry Kamensは中央アジアとコーカサス専門家、コラムニスト。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/10/25/land-grab-manifest-destiny-%e2%80%92-a-good-palestinian-is-a-dead-palestinian-israeli-zionist-us-policies-in-action/

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