« 新しい中東の「産みの苦しみ」はアメリカが望むものではないかも知れない | トップページ | 安全保障の実現に失敗したことを愚かにも祝う元NATO事務総長 »

2024年10月14日 (月)

イスラエル、アメリカ人ジャーナリストを投獄、国連平和維持部隊に発砲、ベイルートを爆撃、更に多くの子供を殺害、等



 かつては、アメリカ帝国が世界中で関与している個々の悪事について個別に記事を書くことができた。だが最近では、できるだけ多くの悪事に触れるために、一日一回の記事に大量の悪事を詰め込む必要性を益々感じている。

ケイトリン・ジョンストン
2024年10月11日

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 かつては、アメリカ帝国が世界中で関与している個々の悪事について個別に記事を書くことができた。だが最近では、状況を把握するため、できるだけ多くの悪事に触れ、1日1回の記事に大量の悪事を詰め込む必要性を益々感じている。

 先週のイランによるイスラエルへのミサイル攻撃について現地で報道していたアメリカ人ジャーナリスト、グレイゾーンのジェレミー・ロフレドをイスラエルは逮捕した

 ロフレド容疑者に対する容疑には「戦時中に敵を支援し、敵に情報を提供した」ことが含まれるとイスラエル・ニュースメディア「Ynet」は報じており、同僚のグレイゾーン記者キット・クラレンバーグが指摘している通りイスラエルでは死刑に処せられる可能性がある。



 さらにグレイゾーンは声明で、イスラエル警察が記者を「機密性の高い治安施設内またはその付近へのミサイル落下位置を公表し、敵に知らせて将来の攻撃に役立てる目的で、重大な治安違反の疑いで」拘束していると正式に明らかにした。

 ロフレドのミサイル攻撃に関する報告には、イスラエル国防軍のネバティム空軍基地での爆発映像や、イスラエル諜報機関モサド本部近くにミサイルが着弾した場所の映像が含まれている。イラン・ミサイルがCIA本部の真横に着弾し、外国人ジャーナリストであっても、この大ニュースについて報道するのをアメリカが死刑で禁じたらどうなるか想像してほしい。

 興味深いことに、同じことが他の外国報道機関に報道されているが逮捕者は出ていない。ジャーナリストのダン・コーエンがツイッターで指摘した通り、 PBSニュースのニック・シフリンの報道でもモサド本部近くの爆発現場の映像が取り上げられているが、シフリンは逮捕されていない。おそらくロフレドが特に注目されているのは、この特定の事件での彼の仕事よりも、グレイゾーンがイスラエルの嘘と犯罪行為について報道しているからだろう。

 本稿執筆時点で、ロフレドはまだ投獄されている。

 他のニュースでは、イスラエルによるイランへの「大規模攻撃」についてアメリカとイスラエル両政府が合意に近づいており、大規模戦争を引き起こす恐れがあるにもかかわらず、この大規模エスカレーションが起きるのをバイデン政権は認めているとAxiosが報じている

 「イスラエルが間もなくイランに大規模攻撃を仕掛けることをバイデン政権は認めているが、特定標的への攻撃が地域戦争を劇的にエスカレートさせる可能性があるのを懸念している」とAxiosのバラク・ラビドは書いている。

 国連調査委員会は、イスラエルが「医療従事者と医療施設への執拗で意図的攻撃」を通じてガザの医療制度を組織的破壊のかどで、イスラエルを「皆殺し」と非難している

 「イスラエル治安部隊がガザ包囲を強め、治療のためガザから出る許可を制限しながら、医療従事者を故意に殺害、拘束、拷問し、医療車両を標的にしていたことを報告書は明らかにした」と国連報道発表に記されている。「これらの行為は、故意の殺害と虐待、保護された民間人の財産の破壊という戦争犯罪や絶滅という人道に対する罪にあたる。」

 もしも過去の行動が信頼できる指標なら、アメリカはこれら非難を否定し、イスラエルは即座に国連を反ユダヤ主義で非難するはずだ。

 イスラエル軍は木曜日、レバノン南部の国連平和維持軍に繰り返し発砲し、国連職員二名が攻撃された塔から転落し負傷した。過去一年にガザ地区で国連人道支援職員数百名をイスラエルは殺害しているが、レバノンの国連暫定軍にまで攻撃を拡大したことは、イスラエルの犯罪行為リストに新たに重大な一件を加えたことになる。

 ベイルート中心部の人口密集住宅街へのイスラエル空爆により、少なくとも22人が死亡し、少なくとも117人が負傷したと報じられている。

 ガザ地区の民間人が避難している学校をイスラエルは空爆し、少なくとも28人殺害した。報道によると、いつも通り多くの女性や子どもも含まれている。アルジャジーラは、遺体が判別不能なほど引き裂かれているため、死者の身元確認や数えるのに苦労していると報じている。過去24時間でガザ地区の他の場所で更に数十人殺害された。

 そして昨日論じたニューヨークタイムズ報道が、イスラエル軍がガザ地区全域でパレスチナの子どもの頭を日常的に意図的に銃撃しているまた証拠に更に加わった。これが起きている証拠はあまりに多く、現時点では誰も正当に否定できない。

 今日アメリカ国務省は記者会見を開かなかったが、理解できる。もし私がアメリカ政府と同盟諸国の行動を正当化する責任を負っていれば今日も記者会見はしたくないだろう。

________________

  これらの記事を音声で聞きたい場合、SpotifyApple PodcastsSoundcloud、またはYouTubeで聴取できます。私の記事は完全に読者に支えられているので、この記事を気に入っていただけた場合、ご希望に応じてチップ入れにお金を入れられる選択肢がここにいくつかあります。記事の映像版を見るには、こちらをご覧ください。毎月の記事のペーパーバックを購入するには、こちらをご覧下さい。私の記事は全て、海賊版を作成したり、あらゆる方法、形状、形式で自由に使用したりできます。再配布、翻訳、商品への使用など、ご希望どおり使用可能です。私が公開する記事を確実に読む最良の方法は、Substackのメーリングリストに登録することです。これにより、私が公開する全ての記事についてメール通知が届きます。全ての記事は、夫のTim Foleyとの共著です。



ビットコイン寄付: 1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 画像は、The Grayzone YouTubeチャンネルのスクリーン ショット。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/10/11/israel-jails-us-journalist-fires-on-un-peacekeepers-bombs-beirut-kills-more-kids-etc/

----------

 スコット・リッター最新記事

「彼が触れるもの全て黄金に変わってしまったという神話のミダス王のように、アメリカが触れるもの全て死んでしまう」という書き出しで始まる。
America’s Midas Touch

« 新しい中東の「産みの苦しみ」はアメリカが望むものではないかも知れない | トップページ | 安全保障の実現に失敗したことを愚かにも祝う元NATO事務総長 »

アメリカ」カテゴリの記事

マスコミ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事

Caitlin Johnstone」カテゴリの記事

レバノン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 新しい中東の「産みの苦しみ」はアメリカが望むものではないかも知れない | トップページ | 安全保障の実現に失敗したことを愚かにも祝う元NATO事務総長 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ