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2024年10月 3日 (木)

殉教者/レジェンドとしてのナスララ:怒りを集中する用意を整えるイスラムの地



ペペ・エスコバル
2024年9月30日
Strategic Culture Foundation

 シンボルは打ち砕かれ伝説が生まれた。これまで以上にレジスタンスは決して後退しない。

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 シンボルは打ち砕かれ伝説が生まれた。レジスタンスはこれまで以上に決して後退しない。

 これを語ったのはシーア派ではなく、レバノンのキリスト教指導者で、真の政治的イスラムの象徴があらゆる(人為的)国境を超越できることを象徴している。

 私が「激怒の20年代」と定義したこの10年は、ある殺人事件から始まった。バグダッド空港のすぐ外で、クッズ部隊指導者ソレイマニ将軍とハシュド・アル・シャアビ司令官アブ・モハンデスを狙った、まさにアメリカ的暗殺だ。

 ソレイマニ将軍は象徴以上の存在で、抵抗枢軸の権化だった。特にここ数週間の挫折にもかかわらず抵抗枢軸は2000年1月より今の方が遙かに強力だ。殉教者でレジェンドのソレイマニは比類ない遺産を残し、西アジアの抵抗拠点全てを奮い立たせ続けるだろう。

 同じことがサイード・ハッサン・ナスララにも起きるだろう。彼は単なる象徴ではなく、抵抗枢軸の顔で、アラブの街中やイスラムの地全体で並外れた人気と尊敬を集めていた。特にここ数週間のあらゆる挫折にもかかわらず、抵抗枢軸は今後数年間で2024年9月よりずっと強力になるだろう。

 殉教者でレジェンドであるナスララ師はソレイマニに匹敵する遺産を残した。ちなみに、軍事問題ではナスララ師は常にソレイマニを畏敬し常に学んでいた。だが政治家として、また父親のような精神的知恵の源として、ナスララ師は比類ない存在だった。

 さて、星から溝へと降りよう。

 救いようのない連続戦争犯罪者で、精神異常大量虐殺者で、国連決議を多数違反した人物が、ニューヨークの国連総会に現れ、このビルから更にもう一つの戦争犯罪を命じた。それはJDAM精密誘導システムを備えたBLU-109を含む数十発のアメリカ製バンカーバスター爆弾でベイルート南部の一ブロック全体を破壊し、サイード・ナスララを含む数え切れないほどの民間人を瓦礫の下に置き去りにするというものだ。

 国連総会で戦争犯罪人が演説する際、代表団の半数以上が一斉退場した。南半球の外交官が会場にほとんどいなくなった。サウジアラビア、スーダン、エジプト、ヨルダン、UAEの「祝福された国」とイラク、イラン、シリア、レバノン、イエメンの「呪われた国」を描いたIQの低い「地図」というトレードマークの図が残った聴衆に再び示された。

 狂信的で卑しいポーランド系侵入者(完全な偽者)が古代文明を批判するなど、下劣なゴミとさえ言えない。

 国民国家と呼べないような組織の例が、歴史には、あふれている。それらはむしろ重度の細菌感染症のようなものだ。彼らが得意とするのは、殺人、殺人、殺人だけだ。できれば非武装民間人を殺したい。テロリスト戦術として。もちろん非常に危険だ。また彼らに対処する唯一の方法も歴史は教えてくれる。  
もはや遠慮はいらない。

 イスラエルがサイード・ナスララを殺害した主な理由は二つある。1) 大量虐殺と民族浄化を許すいかなる「合意」でもヒズボラがガザを放棄することは決してないとナスララが明言したため。2) タルムードの精神病理狂信者連中がレバノンに侵攻して再占領したがっているため。

 レバノンとイランの安全保障にイスラエルは重大な欠陥を発見した。ベイルートの場合、街全体が侵入者であふれている。あらゆる種類の第五列が行き来し、やりたい放題している。イランは遙かに深刻な問題だ。IRGC司令官アバス・ニルフォルーシャン准将もベイルートでナスララとともに殺害されたがテヘランのIRGC自体も危険に曝されている可能性がある。

 テヘランからベイルートに至るまで、国内治安を真剣に見直すことが今や必須となっているが、いつもの容疑者連中による低俗な心理作戦の津波があろうとも、注意深く構築されたヒズボラ組織がナスララ暗殺によって崩壊することはあるまい。

 ヒズボラは個人から独立している。構造は迷路で、地下茎だ。そして「アメリカ戦争」時のベトコンのように適切に訓練された他の結節点や新指導者が出現するだろう。

 もちろん、それは常にアメリカの戦争に関するものです。なぜなら、混沌の帝国の基盤は永遠の戦争だからだ。

 1982年当時、イスラエルのレバノン戦争は余に残忍で、ベトナムを舗装し駐車帯で塗り潰すと脅したロナルド・レーガンさえ驚愕した。イルグン・テロリストとして有名になったメナヘム・ベギン首相にレーガンは言った。「メナヘム、これはホロコーストだ」

 だが当時シオニスト・ロビーに買収され、金銭を受け取っていた上院議員ジョー・バイデンという卑しい詐欺師がベギンに電話をかけて「民間人が全員殺されても」大したことはないと安心させた。

 予想通り、当時上院議員で、今やホワイトハウスのレームダック・ゾンビとなっている人物は、ナスララ暗殺を全面的に承認した。

 ボールは今やイスラム教諸国全体の世論へと移りつつある。約20億人のイスラム教徒も、抵抗枢軸の新たな局面を大いに牽引するだろう。一方、殺人装置は、主に民間人や非武装の女性や子どもたちを殺し続けるだろう。

 今や、抵抗枢軸が次の段階に進むのを阻止するものは皆無だ。外交や妥協も停戦も「二国家解決」も、他の先延ばし戦術など、何も存在しない。イェイツの言葉を言い換えれば(そして裏返せば)それは「太陽のように無表情で空虚な視線」を向ける容赦ない殺人装置との生きるか死ぬかの実存的戦いだ。

 実質的に、本当の(強調は筆者)激動の20年代が今始まる。

 イスラム諸国の怒りは殺人装置だけでなく貪欲な永遠の戦争帝国にも向けられるだろう。

 イランやイラクやシリアやイエメンやトルコやパキスタンや数多くのグローバル・マジョリティの当時諸国は、史上初めて、外交、地政学、軍事力を最大限に調整し、最終的に、この細菌感染症に正面から立ち向かう準備を整えるべきだ。

 BRICSがイスラム諸国の主要外交ルートを担うという幸先の良いシナリオが今やかなり実現可能となっている。次の論理的段階は、イスラエル/アメリカ領土から国連を撤退させ、国際人道法を真に尊重する国に本部を設立することだろう。

 政治的に台頭しつつあるグローバル・マジョリティは独自のグローバルな、まさに統一された国家組織を設立し、人種差別主義者を自らの組織内で、のたうち回らせ腐敗させる。一方、戦場では容赦なく戦うべきだ。なぶり殺す時が来たのだ。

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/09/30/nasrallah-martyr-legend-lands-islam-get-ready-channel-their-rage/

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 The Chris Hedges Report 新作映画の紹介。
Where Olive Trees Weep: Processing the Trauma of Occupation | The Chris Hedges Report 44:08
Chris Hedges
Oct 03, 2024
 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

NYT/サンガー「1967 年のアラブ・イスラエル戦争以来、この地域で最も危険な瞬間。イランはイスラエルに約180発のミサイルを発射。イスラエルはそれに対し相当する反撃を意図。米国はこの反撃を止める意思なし。陶酔の雰囲気。広範な戦争が一度始まってしまうと、その復旧には数年擁する」

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