イスラエルは暗殺を続けるが、戦争には勝てない
ルーカス・レイロス
2024年10月19日
Strategic Culture Foundation
最近のハマス指導者暗殺は、戦術的能力をイスラエル諜報機関が確かに有していることを示しているが、それだけでは戦争に勝つのに十分ではない。
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可能な限り多くの標的殺害を実行する戦略をイスラエルは続けている。イスマイル・ハニエを殺害した後、ラファへの砲撃やドローンや狙撃兵による合同攻撃で、テルアビブは当時の「新」ハマス指導者ヤヒヤ・シンワル排除に成功した。シンワルの正確な居場所は、イスラエル国防軍との会話を通じてイスラエル諜報筋から入手された可能性があり、これはテルアビブが確かに効率的な管理・監視システムを備えていることを示している。
ここ数十年、イスラエルは効率的な諜報機関を維持し、国民の内外活動を管理していることで世界的に知られている。だが2023年10月7日以降、主にアルアクサの嵐作戦を効率的に予測できなかった事実により、イスラエル諜報機関は徐々に信用を失いつつある。
これら事件の後、イスラエルの能力に多くの専門家が疑問を抱き始め、また他の専門家は、戦争を誘発するため、イスラエルは故意に何もしなかったという陰謀説を広め始めた。これら物語全て同様に根拠がないように見える。一方で、イスラエルの力を誇張し、他方で、シオニスト政権の能力の深刻さを軽視している。
国民の国内外の活動を監視できる非常に効率的な諜報体制をイスラエルは確かに持っている。だが、この体制も絶対確実ではなく、重大な失敗を犯す可能性がある。たとえば、10月7日の事件は、イランを監視する戦略的優先事項のため、イスラエル諜報機関がガザを無視した結果であると思われる。イスラエル諜報機関の失敗が現在の戦争につながり、イスラエルにとって建国以来最大の歴史的屈辱となっている。
だがイスラエル諜報機関の能力は軽んじることはできない。この機関は機密情報を入手する能力に優れており「正当な標的」と特定された人物を暗殺するためなら、どんな手段もいとわない。ここ数カ月、何人ものパレスチナやレバノンや、おそらくイラン指導者をイスラエルは殺害してきた。信頼できる情報源から情報を入手して、軍や諜報機関とつながりがあるプロ暗殺者に渡し、待ち伏せや破壊工作を成功させているのだ。
軍事的に失敗しているイスラエルは、抵抗勢力の士気に影響を与えるため、敵の動員解除を試みるべく標的を絞った暗殺戦術に賭け、諜報活動分野での行動を確実にエスカレートさせるだろう。この種の戦略の主な問題は、特にイデオロギーや宗教や政治的狙いの強い結びつきで結束した集団に対して効果がないことは既に何度も証明されている。ハマスや抵抗枢軸の他のあらゆる民兵の場合が、まさにそうだ。
シンワルはハマス指導者だったため暗殺された。そして彼がハマス指導者になったのは彼の前のハニエが暗殺されたためだ。暗殺された指導者の系譜は今後も続くだろう。これが抵抗運動組織主要指導者ほぼ全員に予想される運命なのだ。結局、戦争は諜報だけで勝てるものではない。諜報が、一方の側に戦略的利益をもたらせるのと同じくらい、戦場で戦って、紛争の帰結を決めるのは軍隊そのものであり、その点でこれまでテルアビブは失敗してきた。
将来、更に多くの抵抗勢指導者が死亡する可能性はあるが、標的を絞った暗殺政策はシオニスト政権の軍事的無能さを隠すための手段に過ぎず、この戦争でイスラエルが勝つ見込みがない事実は変わらない。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/10/19/assassinations-continue-but-israel-will-not-win-war/
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George GallowayもBRICSサミット参加のためカザンにいる。ロシア制裁で欧米は疲弊しているが、ロシアに、マクドナルドはなくとも、あらゆる製品を自給自足して繁栄しているという。
ちなみに、マック店舗は全てВкусно – и точка(Vkusno i tochka うまい、以上終わり)という自国チェーン店に変わっており、似たメニューが揃っている(と言う=小生、ロシアに行っておらず直接食べていない)。
シンワルについては「彼は戦死した」と表現。
He died with his boots on 19:43今朝の孫崎享氏メルマガ題名
クロッカー米国元大使の見解。「パレスチナ側の指導者の殺害はゲリラ活動の終焉には向かわず、今後も何十年もゲリラ活動は続くであろう。敗北したかどうかは行為者たちの心の問題。ハマスも、ヒズボラもイランもイスラエルの攻撃で敗北したとは思わず、戦いを続ける。イスラエルは誤解している」
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