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2024年10月 3日 (木)

穏健なイランの姿勢をアメリカに拒否され、ようやくイランはイスラエルを攻撃した

2024年10月2日
Moon of Alabama

 昨日、イランの弾道ミサイルの大規模集中攻撃がイスラエルを襲った。これは、アメリカとの関係改善を目指す何ヶ月にもわたるイランの真剣な努力(動画)が失敗した後の出来事だった。イスラエルは、アメリカの同盟国に損害を与える形で、その努力を妨害することに成功した。

 何が起きたのか、そして更に重要なことに、なぜ今日この攻撃が開始されたのか理解するためには、過去を振り返る必要がある。

 2024年5月20日、当時のイラン大統領エブラヒム・ライシがヘリコプター事故で亡くなった

 イランで新たな選挙が行われ、多くの人々を驚かせたのは、穏健派のマスード・ペゼシュキアンがかなりの数の票を獲得して勝利したことだ。ペゼシュキアンは心臓外科専門医だが外交政策の経験はない。彼は「欧米諸国」との再連携や、イランに対する制裁の解除や、全般的に、よりベラルな政策を掲げて選挙運動を行っていた。

 7月30日:  
イランの首都テヘランで、イスラエル攻撃とみられる攻撃により、ハマス政治指導者イスマイル・ハニヤがボディーガードと共に暗殺された。イランのマソウド・ペゼシュキアン大統領就任式に出席した後、軍が運営する宿泊先のゲストハウスでハニヤは殺害された。
 ハニヤ暗殺は、イラン・イスラム共和国の主権に対する重大な犯罪だ。またマスード・ペゼシュキアン大統領に対する個人的犯罪でもあった。

 イラン最高指導者ホメイニ師とイラン革命防衛隊(IRGC)指導部は、攻撃に対する報復を求めた。しかし、新大統領は依然、報復ではなく、交渉を通じて妥協を図るべきだと主張した。当時、彼は依然、アメリカがガザでの停戦を手配してくれると期待しており、交渉の失敗でイランが非難されるのを避けたかったのだ。

 ペゼシュキアン大統領は穏健な姿勢を続けた。9月23日、ニューヨークでの国連総会出席中に、イランの核開発計画を巡るアメリカとの新たな妥協に向けて、彼は再び探りを入れた。  
月曜日、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は同国の核開発計画を巡る新たな国際合意に前向きな姿勢を強調した。核開発計画は長年にわたり世界的緊張を煽り、イランとアメリカの間で破滅的戦争を引き起こすリスクをはらんでいる。
...
 核交渉再開について問われて、「合意に達することができると期待している」とペゼシュキアン大統領は通訳を介して述べた。
...
 アメリカとは異なりイランは核合意を順守したと同大統領は述べた。イランの順守については長年の懸念があるものの、これはほとんどの外部専門家たちも共有する評価だ。また、わずか一週間後に中東全体の安定を高めることが可能なガザの停戦合意が迫っていると繰り返しアメリカ外交官に指摘した
 この穏健な方針は、イラン国内では疑念の目で見られていた。  
信頼の欠如は特にイラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の判断に影響を与えており、選挙で選ばれていないハメネイ師がイランの政策について最終決定権を持っていることを暗黙のうちに認めていると彼は続けた。

 「『彼らは言っていることと、やっていることが違う』と猊下はおっしゃっている」とペゼシュキアンは語った。大統領はイラン国民の票を求めて外の世界との関わりを促し、国内で国民の不安が広がる中、制裁緩和が経済を押し上げる可能性があると指摘し、8月にはハメネイ師がアメリカとの交渉に慎重ながらもゴーサインを出した。国内のもう一つの権力中枢であるエリートの革命防衛隊は、こうした交渉に非常に警戒している。
 四日後、イスラエル空爆により、ヒズボラ指導者で、イラン主導の抵抗枢軸の主要立案者でもあるハッサン・ナスララが死亡した。この空爆で、他のヒズボラ指導者数名と、イスラム革命防衛隊(IRGC)副司令官のアバス・ニルフォルーシャン将軍も死亡した。

 イスラエルのナタニヤフ首相によるナスララ殺害命令がニューヨークから出されたことにペゼシュキアン大統領は、かなり苦々しく言及した。  
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、レバノンのヒズボラ抵抗運動のサイード・ハッサン・ナスララ事務総長を暗殺するというイスラエルのテロ行為の命令がニューヨークから出されたことを国際社会は忘れないだろうと述べた。

 土曜日の哀悼メッセージの中で、ヒズボラ指導者に対するテロ攻撃においてアメリカはシオニストとの共謀を免れることはできないとペゼシュキアン大統領は述べた。
 ナスララ暗殺がペゼシュキアンの穏健政治が失敗したことを証明した。

 テヘランに戻った後、ペゼシュキアンの口調が変わった。  
サイード・ハッサン・ナスララとその仲間の血が今後も煮えくり返って暴政と抑圧に対する防壁となることを世界は知るべきだとマスード・ペゼシュキアン大統領は述べた。

 日曜の閣議で、イランが犯罪的イスラエル政権に対して「断固たる」対応をすることが急務だとペゼシュキアン大統領は述べた。
 イスラエルに対するイランの報復計画には同盟諸国との調整が必要だった。9月30日月曜日、以前から予定されていた経済協力に関する協議のために、ロシアのミハイル・ミシュスチン首相がたまたまテヘランに滞在していた。  
イランとロシア間で重要プロジェクトを実施することで、両国に対する西側諸国の残酷な制裁に対抗する大きな力が生まれるとマスード・ペゼシュキアン大統領は述べた。

 発言の中で、イスラエルはアメリカの直接支援を受けて緊張を高め、この地域におけるアメリカの存在感を高めるための土壌を整えているとイラン大統領は警告した。

 これは「地域の国々と国民の利益に対する共通の脅威」だと彼は述べた。

 この地域での緊張の高まりに懸念を表明し、アメリカは自国権益を確保する狙いで世界各地で高まる紛争を支持しているとロシア首相は述べた。

 そのため、イランやロシアなどの独立国は、このような措置に対抗するため協力を加速すべきだと強調した。
 イスラエルに対する今後の攻撃についてモスクワは知らされていた可能性が高い。同様に中国も知らされていたはずだ。  
イランと中国の伝統的な友好関係が「深く、安定し、戦略的な」関係に発展したとイランのマスード・ペゼシュキアン大統領は述べた。

 「私はイラン・中国間の包括的な関係を更に発展させるため閣下と共に取り組みたいと希望します」と中華人民共和国(PRC)建国75周年を記念して習近平国家主席に宛てたメッセージの中でペゼシュキアン大統領は述べた。
 ミシュスチンが去って数時間後、イラン革命防衛隊はイスラエル軍に向けて約250発の弾道ミサイルを一斉に発射した。  
イラン軍参謀総長:
 我々の標的には、ガザでの大量虐殺の責任を負うの三つのイスラエル主要空軍基地、モサドのテロ本部、レーダー施設、ガザ地区周辺の装甲車両集合場所などがあった。
 相当数のイラン・ミサイルをイスラエルの「アイアン・ドーム」ミサイル防衛システムは阻止しそこねた。
Elijah J. Magnier 🇪🇺 @ejmalrai - ・ 2024年10月1日  17:06 UTC

250発以上のイランの弾道ミサイルがイスラエルに着弾。イスラエルの多くのビルが損傷。地域戦争の可能性が高まっている。イスラエルは報復すると予想され、イランも報復に報復するだろう。...
 検証済みビデオには、イスラエルの標的にイランのミサイルが数十発命中する様子が映っている。テルアビブのモサド本部付近にも数回攻撃があった。アシュケロン沿岸のガス・プラットフォームも攻撃されたとみられる。ビデオには、プラットフォームが炎に包まれている様子が映っている。

 他の目標も同様に破壊された。  
10月1日に開始されたイランによるイスラエル国内への大規模な弾道ミサイル攻撃は、同国の主要標的の一つであるネバティム空軍基地を狙ったものだった。同基地はイスラエル空軍の第5世代戦闘機F-35の二個飛行隊を収容しており、以前は同機納入後に第3飛行隊を収容する予定だった。同基地は攻撃で「完全に破壊された」とイラン・メディアは報じている。イスラエルの映像では、イスラエル防空網が迎撃できなかった数十発の弾道ミサイルが着弾したことが確認されており、攻撃で壊滅したテルアビブにある諜報機関モサド本部も標的に含まれていた。
 驚くべきことに、民間人の死傷者は報告されていない。

 イスラエルとイランは、現在更なる緊張激化に対する脅迫と反撃を表明している。

 しかし最も重要なのは、アメリカ政府がどのような立場を取るかだ。

 ネタニヤフ首相が長らく望んできたイスラエルによるイランとの公然たる戦争に加われば、中東でまたしても勝ち目のない戦争にアメリカは巻き込まれ、今後何年にもわたりアメリカの利益を損なうことになるだろう。

 それは多国間連合を拡大する時間を中国とロシアに与え、アメリカ覇権を更に損なうことになるだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/10/iran-attacked-israel-only-after-the-us-had-rejected-its-moderate-stance.html#more

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 日刊IWJガイド
「イランがイスラエルの中心部テルアビブなどに30分で200発のミサイル集中攻撃! イスラエル軍も米軍も、ほとんどなす術なしだった!」2024.10.3号

■はじめに~イランがイスラエルの中心部テルアビブなどに30分で200発のミサイル集中攻撃に成功! イランのミサイルは、米軍、イスラエル軍のミサイル防衛網による迎撃でほとんど撃ち落とされたかのような情報も流れたが、それはフェイクニュース!! ペンタゴンのライダー報道官は200発のイランのミサイルに対して米軍が迎撃用に発射したのは、たった12発のトマホーク巡航ミサイルだったと発言! 多くの動画が示すのは、イスラエル軍も米軍も、ほとんどなす術なしだった!

10月になり、IWJの第15期も3ヶ月目に入りました! 今年1月にコロナに感染した岩上安身は、その後遺症のためか、体調不良が、7月、8月、9月も続き、たいへんご迷惑をおかけしています! 9月は30日間で、269件、233万787円のご寄付・カンパをいただきました! 第14期の月間目標額は400万円で、仮にその目標額に当てはめると、58%どまり! IWJの財政状況は大ピンチです! 静養の結果、岩上安身の体調も上向きなので、10月からは、積極的にインタビューも入れていきます! 現在、「IWJしか報じられない情報」が、激増しています! こうした時だからこそ、ぜひご支援をお願いいたします!

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