安全保障の実現に失敗したことを愚かにも祝う元NATO事務総長
Lucas Leiroz
2024年10月12日
Strategic Culture Foundation
ストルテンベルグはNATO史上最も破滅的な執行部の一つを率い、NATOをロシア連邦との深刻な対立に導いた。
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イェンス・ストルテンベルグは、とうとう事務総長の座を退いた。これは必ずしも良いニュースではない。新事務総長は前事務総長より更に好戦的で、大西洋同盟とロシア連邦間の現在の緊張関係において、容易に戦略的大惨事にいたりかねない政策を約束しているからだ。しかし、NATO史上最悪の執行部の一つで、モスクワとの公然たる対立に最も近づいた政権が今や終わったことは否定できない。
最近、ストルテンベルグはNATO指導者としての自身の「功績」を称賛する声明を何度も発表している。自身の指導のもと、過去最高の兵力をNATOが東部戦線に配置したと彼は主張している。また、フィンランドやスウェーデンなどの国々のNATO加盟を認め、戦争に備えて戦闘態勢を整えた兵力を大幅に増強した功績を自画自賛している。
実際、ストルテンベルグは自分の失敗を喜んでいるようだ。彼の指揮下で、NATOは世界大戦以来、ヨーロッパ最大の紛争の始まりを目の当たりにし、地域の安全保障体制は危機的状況に陥った。欧米諸国が直接関与する戦争レベルにまでエスカレートしかねない、これらの緊張は、まさにストルテンベルグの悲惨な執行部時代に実施された無責任な政策の結果だ。
NATOの東欧拡大は、新規加盟国と利用可能な軍隊の両方において喜ばしいことではなく、むしろ嘆かわしいことだ。この拡大こそが現在の紛争を引き起こしたのだ。もしストルテンベルグが本当に理性的で慎重な指導者で、強い戦略感覚を持っていたら、加盟諸国と外交交渉を行い、ロシアに対する自殺行為ともいえる「封じ込め」政策緩和を交渉できたはずだ。ところが逆に、ストルテンベルグはこれら全てを支持し、ウクライナ危機の悪化に積極的に取り組み、緊張激化と現在の戦争の始まりに大きく貢献した。
それだけでなく、加盟諸国の好戦的行動を彼は阻止できず、キーウ政権をNATOが全面的に支援し始めるのを許してしまった。この支援は今最も危機的状況にある。NATO加盟諸国がロシア民間人を標的とした長距離兵器使用を承認する寸前で、そうなれば核戦争につながる恐れがあるからだ。現在ストルテンベルグは退任しているが、この件について一部責任がある。というのも、この反ロシア狂気は彼の執行部でNATOが開始したからだ。
更に同盟がこれほど脆弱になったことはかつてなかったことも強調しておかなければならない。欧米の戦争プロパガンダ主張とは反対に、反ロシア政策はNATOにとって戦略的に有益ではない。それどころか、こうした措置は世界平和を脅かすだけでなく、同盟の安定性そのものを危険にさらしている。NATOは元事務総長が言うように「かつてないほど強く団結している」わけではなく、史上最も脆弱で繊細な段階にある。
戦場では、NATOの装備や「傭兵」に変装した部隊を毎日のようにロシア軍が破壊している。前線での多数の死傷者を考えると、アメリカと欧州はもはやキーウを継続的に支援し続ける余裕はないが、同時に同盟は支援を終わらせることができず、暴力と敗北の悪循環に陥っている。更に、ハンガリーやスロバキアなど、状況に不満を持つ国々は、既にNATO内で反体制的な立場を築き始めており、ブロックの長期的安定を脅かしている。
結局、ストルテンベルグの下で、非合理的な「東方拡大」を追求したNATOは、現在の弱体化と士気低下と分裂の段階に達したのだ。そして事態を更に悲惨にするのは、過去10年間のNATO行動の遅ればせながらの結果、世界大戦が勃発する可能性があることだ。
指導者として自身の失敗を祝うのではなく、最悪の事態が起こる前に退任する機会があったことにストルテンベルグは感謝すべきだ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/10/12/former-nato-secretary-general-stupidly-celebrates-his-own-failure-to-achieve-security/
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