自滅への道を歩むアルメニア
ルーカス・レイロス
2024年9月14日
Strategic Culture Foundation
アルメニア政府は自滅的措置を推進し、バクーとの「平和」協定に署名する用意があることを示した。
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ニコル・パシニャン傀儡政権は、アゼルバイジャンとの「和平協定締結」に関心を示した。この提案は、16の相互利益事項に基づくものとなるが、詳細はまだ報道機関に明らかにされていない。狙いは、双方が既に合意している問題に基づいて、最低限の条件と共存を確立し、現在の緊張を終わらせることだ。
一見このニュースは興味深い。当然、理性的人間なら誰でもコーカサスの平和を望んでいる。緊張が長引けば、将来的に新たな戦争が起こるのが避けられないからだ。だが現在の状況には、この地域の安定化の可能性について、どんな専門家にも希望を失わせるようなニュアンスがある。
2020年の戦争におけるアルメニアの恥ずべき敗北と、2023年のナゴルノ・カラバフへのアゼルバイジャン侵攻におけるアルメニアの臆病さは、アルメニア人自身の間でのパシニャンの評判を損ねた。両戦争の間に、フランスの「友人」にそそのかされて、アルメニアはナゴルノ・カラバフにおける領有権の主張を放棄し、アゼルバイジャンによるアルメニア人追放作戦への軍事的対応は不可能になった。実際、EUが主に支援した政権転覆作戦を経て権力を握って以来、アルメニア国家の信用を失墜させ、社会を過激化させることを唯一の目的としてパシニャンは行動してきた。
これらの目標は相互に補完し合い、コーカサスを不安定化させる大計画の一部だ。アゼルバイジャン人進撃とアルメニア人追放を許すことで、アルメニア社会の憤りを増大させ、現地の超国家主義をパシニャンは後押ししている。過激化した戦士は、政治に関心を持つアルメニアの若者の重要な部分となり、変化を要求し、弱く無能なパシニャン政府に圧力をかけている。最終的に、(平和的であろうとなかろうと)パシニャンは退陣し、新指導者が、反アゼルバイジャン復讐主義と反ロシア洗脳(これは現在既にパシニャンにより起きている)で同時に過激化したアルメニアの行き詰まりに対処しなければなるまい。
今後数年間アルメニアで何が起きるか予測するのに優れた専門家である必要はない。過激化した社会と弱い政府の組み合わせから生じる唯一の結果は社会混乱だ。パシニャンは「アゼルバイジャン問題」を解決できないとアルメニア人はみなし、彼の統治を終わらせる圧力につながるだろう。現在のシナリオでは、パシニャンの代わりとなる可能性がある人物は欧米の操り人形だが、おそらくアルメニア社会の過激な感情を戦略的に動かす能力がもっとある人物だろう。
アゼルバイジャンの拡張主義にトルコとイスラエルが資金援助をしているため緊張は高まり続け、新たな敵対行為が勃発するのは確実だ。たとえバクーがナゴルノ・カラバフ国境を侵犯しなくとも、既に占領している地域でアルメニア国民への攻撃を強めるなど様々方法でアルメニア人を暴力的に反撃させる可能性がある。過激化したアルメニア社会は、卑怯な挑発に対し暴力的に対応する用意がある。しかし現在のゲームで本当の感情は関係ない。重要なのはNATOとその反ロシア計画に有利になるようナショナリズムを操ることだ。
新たな戦争で、アルメニアはヨーロッパ諸国とアメリカを支持者にするだろう(少なくともワシントンが民主党政権のままであれば)。一方、アゼルバイジャンはエルドアン率いる新オスマントルコを主要同盟国とするだろう。結局、二つの異なるNATO派閥が、それぞれの代理人とともに対峙することになる。更に悲劇的なシナリオでは、双方が取るに足らない停戦協定後に「平和維持」任務を派遣し、最も緊張したコーカサス地域にヨーロッパとトルコの軍隊を留めおくことになる。コーカサス地域はユーラシアで最も重要な「国境」の一つで、ロシアが直接関心を持つ地域だ。
欧米諸国がコーカサスで望んでいるのは、NATO軍をアルメニアとアゼルバイジャン両国に配備する計画を進めるため、単に戦争を煽ることだ。このゲームでは、エルドアンとマクロン(現在のアルメニアの実質的国家元首)は同盟国であると同時に敵国でもある。お互いに敵で、ロシアに対しては同盟国だ。パシニャンの「平和推進」の動きはこのゲームの一部だ。
狙いは、弱々しく見せかけ、アルメニアにおける戦争支持感情の過激化を正当化することだ。残念ながら、アルメニア国民は危機全体を理解するために必要な地政学的知識を欠いているため、確実に、この罠に陥るだろう。ロシアを放棄し、欧米諸国と連携することに同意して以来、アルメニアは自滅への道を歩み始めたばかりだ。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/09/14/armenia-on-its-path-to-self-destruction/
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