相手側候補者はディストピアを引き起こすと警告するディストピアランドの政治家連中
自分たちに投票しなければ、暴君的な悪夢化した国に暮らすことになると政治家連中は、この暴君的悪夢の中心から警告する。
ケイトリン・ジョンストン
2024年8月20日
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
今のアメリカ大統領選挙で奇妙なことの一つは、史上最もディストピア的文明の一つの国の政治家連中が、政党により「共産主義」やら「ファシズム」と呼ぶ暗いディストピアに相手側候補者は国民を導こうとしていると警告するのを見ることだ。
昨日、同様に馬鹿げたドナルド・トランプのツイートに反論する驚くほど馬鹿げたチャック・シューマーのツイートを私は見た。シカゴの民主党全国大会で、巨大な鎌と槌の赤い旗を掲げ、群衆を前に演説するカマラ・ハリスのAI画像をトランプはツイートしたが、もちろんハリスは共産主義者で、民主党は共産主義政党だという示唆だった。
トランプのツイートに応え「プーチンを愛する輩が、またもや企んでいる」とシューマーは述べた。
一体どこから話せば良いのだろう。ロシアのウラジミール・プーチン大統領は共産主義者ではないし、ロシアは共産主義国ではないし、ソ連は30年以上前に終焉した。これら全て、平均的小学5年生でも、アメリカ上院多数党院内総務に言える事実だ。The guy who loves Putin is projecting again. https://t.co/Jl6UrJMCXO
— Chuck Schumer (@chuckschumer) August 19, 2024
おそらくもっと重要なのは、カマラ・ハリスは誰よりも共産主義者と程遠く、民主党は熱心な資本主義政党であることだ。思想的に、ハリスは共産主義よりもドナルド・トランプにずっと近い。共産主義の観点から見れば、ハリスとトランプに大差はない。連中はどちらもネオリベ資本主義帝国主義の召使いで、あらゆる手段を使って世界中で共産主義を撲滅するアメリカ帝国の目標に献身しており、当選すれば現状の資本主義秩序による搾取、抑圧、環境破壊、戦争行為を続けると誓っているのだ。
しかし、こうした変人連中が4年ごとにするのはこれだけだ。大統領任期中、終始モスクワに対する冷戦攻撃を強化していたトランプが、ウラジミール・プーチンが統治するファシスト独裁国家にアメリカを変えようとしていると非難されている。共和党同様、資本主義の現状維持に重要な役割を果たしている民主党は、共産主義を樹立しようとしていると非難されている。一方、民主党は、相手側の候補者が作り出そうとしているものよりも確実にディストピア的な国家を率いるため選挙運動をしている。
アメリカは世界で最も暴君的な政権だ。世界の他のどの国家も、21世紀、侵略戦争で何百万人もの人々を殺害してはいない。世界を何百も軍事基地で包囲して、世界中で休みなく戦争を繰り広げ、侵略、代理戦争、爆撃作戦、飢餓制裁、計画的クーデター、秘密作戦などにより命令に従わない世界中の人々を滅ぼそうとしている政府はアメリカ以外ない。
これら全ては、かつて存在したことのない最も洗練されたプロパガンダ装置によって維持されている。アメリカ人は世界で最もプロパガンダにさらされている国民で、マインドコントロールされたディストピアで権力者が望む通りに、考え、話し、働き、消費し、行動し、投票するよう巧妙に操作されている。しかも連中は自分は自由だと信じているのだ。このプロパガンダ装置は世界中に影響力を広げており、その攻撃力のほとんどは、事実上、世界規模の帝国の加盟国たる親密な同盟諸国に集中している。
アメリカ帝国が、恐ろしい血まみれのディストピアとして認識されていない唯一の理由は、まさにそのプロパガンダ機構のせいで、その機構は「報道」機関と、ニューヨークとロサンゼルスの主流文化生産センターの両方を通じて、この異常な現状を正常化し、美化している。In running against the other party, Democrats fear-monger about being rounded up in Fascist prisons and Republicans fear-monger about being placed in Communist gulags.
— Aaron Maté (@aaronjmate) August 18, 2024
And meanwhile both parties join hands to cage two million Palestinians in an actual death camp.
連中に投票しなければ、暴君的な悪夢化した国に暮らすことになると政治家連中は、この暴君的悪夢の中心から警告する。
しかし、連中は他に何をするつもりだろう? 実際の政策を訴えて、相手候補者との実際の違いを指摘するのだろうか? 連中に、実際違いはない。連中はどちらもアメリカ帝国の暫定的中間管理職の仕事に就くためのオーディションを受けているのだが、帝国の権益に少しでも反対すれば、その仕事には就けない。
連中のどちらかが、帝国主義的搾取、戦争挑発、軍国主義、大量虐殺の継続を主導することになるだろう。連中のどちらかが、資本主義的搾取と生態系破壊の継続を主導することになるだろう。連中のどちらかが、監視、検閲、プロパガンダ、政府の秘密、シリコンバレーのアルゴリズム操作、ジャーナリズムに対する戦争といった権威主義的手段の継続的拡大を主導することになるだろう。
だが連中はそうだと言う発言だけはできない。連中がそういう人間だったら、連中はこの仕事にこれほど近づけなかったはずだ。そう発言すれば、自分が本当はどれほど不自由かという現実に人々は目覚め、真の革命運動が生まれる可能性が開けるだろう。
だから相手側候補者は、あなたを恐ろしい未来のディストピアに導きたいと思っていると連中は口走り、既にディストピアが到来していることに、あなたが気づかないよう願っているのだ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/08/20/politicians-in-dystopialand-warn-other-candidate-will-cause-dystopia/
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The Chris Hedges Report ガザ攻撃を描くJoe SaccoのFabtagraphics
Covering US foreign policy, economic realities, and civil liberties in American society.
The War on Gaza – 1.31.24 Aug 24, 2024
Fantagraphics has released a series of graphic commentaries and reflections by Joe Sacco, author of "Palestine" and "Footnotes in Gaza," called "The War on Gaza." With the permission of Fantagrapahics and Joe Sacco, we are reprinting them on my Substack.
広島ホームテレビ
漫画「はだしのゲン」中沢啓治さん“漫画界のアカデミー賞”殿堂入りアメリカの漫画界のアカデミー賞で認められる作品が、広島の教材から削除されている寸不思議。
2011年8月29日に下記記事を書いた。
はだしのゲンが見たヒロシマ・原発切抜帖・ひろしま・あしたが消える日
NHKクローズアップ現代
「はだしのゲン」はなぜ “消えた”?今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ガザ戦争で何人の死者まで許容されるのか:ハマスの攻撃でのイスラエル人死者1,139人。これに対し報復規模はどこまで許されるか。「対等」「倍返し」「三倍返し」「10倍返し」 ハマス攻撃での死者イスラエル人は1,139人。他方イスラエル軍攻撃でガザでの死者40905人デモクラシータイムス
<総裁選・統一教会・安全保障>平野貞夫×前川喜平×佐高信【3ジジ放談】 59:40
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