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2024年7月 4日 (木)

流血惨事前夜のレバノンと・イスラエル

2024年6月21日
ヴィクトル・ミーヒン
New Eastern Outlook

 国境を越えたイスラエルとヒズボラ間の小競り合いは、2006年に戦争が起きた後、最近激化しており「レバノン攻撃計画が承認され、有効になった」とイスラエル軍は述べた。これに先立ち、全面戦争でヒズボラは壊滅するとイスラエル・カッツ外相は警告した。

 

 レバノンのヒズボラと全面戦争が起きた場合、「一箇所たりとも」イスラエルは逃れられないとヒズボラ指導者ハッサン・ナスララは警告し、空港をイスラエルに開放するなとキプロスを恫喝した。「我々が最悪の事態に備えているのを敵は良く知っている」とナスララはテレビ演説で述べた。「陸、海、空での我々の攻撃をイスラエルは予想すべきだ」と彼は語った。「抵抗勢力がイスラエル北部ガリラヤに侵入するのを敵は本当に恐れている」と述べ、更に「レバノンに戦争がしかけられたら」それが起き得ると付け加えた。

 

 イスラエルとヒズボラの関係悪化

 

 まだ戦争は始まっていないが、むしろ軍人や戦争屋のような行動をするイスラエル外務大臣は、既に将来全面戦争になると述べている。ヒズボラがレバノンにいることを考えれば、これはレバノン民間人も壊滅することを意味する。これはイスラエル軍や外交官連中にとって目新しいことではない。既に連中は無防備なパレスチナ民間人の大量殺戮を十分経験している。更に既にイスラエル外交官はヒズボラ壊滅を予言しているが、どうやらそれは彼の夢に過ぎないようだ。ガザで現在の紛争状況が始まった時、ハマスを壊滅させると約束した先輩ネタニヤフの経験から彼は何も学んでいない。しかし戦争は既に8か月目を迎え、パレスチナ人集団は敗北していないだけでなく、ガザ地区のイスラエル占領軍に鋭い打撃を与えている。

 レバノンとキプロスの関係

 ヒズボラがイスラエル空港を攻撃した場合には、イスラエルはキプロスの飛行場や基地を利用できるとイランが支援するこの組織は知らされたとナスララは述べた。欧州連合加盟国のキプロスは、イスラエル、レバノン両国と良好な関係にあり、両国の海岸近くに位置している。「キプロスの空港や基地を敵イスラエルに開放し、レバノン攻撃を開始させればキプロス政府が軍事作戦に参戦することを意味し、抵抗勢力は参戦を検討する」とナスララは述べた。

 1960年に同島の独立を認めた条約の条項に基づき、旧植民地キプロス島の二つの基地地域に対する主権的支配をイギリスは維持している。

 2022年にイスラエルとレバノンの海上国境に関する合意を仲介したアメリカのアモス・ホッホシュタイン特使が、レバノン訪問中に「緊急」緊張緩和を求めた翌日、このナスララ発言が出された。特使は地域歴訪中イスラエル高官とも会談した。「敵の言い分や仲介者が伝えることや対レバノン戦争の恫喝等我々は全く恐れない」とナスララは語った。

 いかにして対空システムに探知されずに偵察ドローンで撮影し、イスラエル機密施設を暴露したかを示す9分以上の映像をヒズボラが公開した。ドローンがイスラエル地域に侵入し、北部の機密地域に関する重要情報を収集したとイスラエル・メディアは報じた。ハイファ港や空港や軍事基地やラファエル兵器工場やキリヤトシュモナ諸島やアイアンドーム防空システム、いくつかの住宅街や商業施設など多くの対象が映像に捉えられていた。その後ドローンは無事レバノンに戻った。レバノンに対しイスラエルが行動を起こすという恫喝に応え、ヒズボラが映像でメッセージを送り、その場合、イスラエルに対するヒズボラの軍事標的の規模は相当なものになると述べたとイスラエル・メディアは報じた。

 この動画はハイファ港上空を「何時間も飛行した」ドローンで撮影したとナスララは誇らしげに語った。またヒズボラは武器の一部しか使用していないとも警告した。「一部の武器を我々は開発しており、残りは将来に備え温存している」と詳細に触れずにナスララは述べた。「数年前、10万人の戦士について我々は語ったが、今や我々はこの人数を大幅に上回っている」とナスララは付け加えた。「最悪の状況下でさえ、抵抗勢力は必要以上の戦闘員を擁している」と彼は述べた。

 最近、イスラエル北部のイスラエル軍と拠点に対する数回の攻撃と自軍戦闘員4名の死亡をヒズボラは発表した。AFPによると、国境を越えたレバノン攻撃により、10月以来少なくとも478人が死亡しており、ほとんどがレジスタンス戦闘員だが、女性や子どもを含む民間人93名も死亡している。イスラエル当局は、少なくとも兵士15人と民間人11人が同国北部で死亡したとしている。そして、彼らが言う通り、これは最後の犠牲者ではなく、ネタニヤフ首相が憎悪を激発させ、私生活をも犠牲にして、更に一歩踏み込んで、イスラエルとレバノンを戦争に突入させれば、犠牲者数は劇的に増加するだろう。

 ヴィクトル・ミーヒンはロシア自然科学アカデミー客員。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/06/21/on-the-eve-of-the-lebanese-israeli-bloodshed/

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