« アサンジは自由になったが、正義が実現したわけではない | トップページ | トランプ・バイデン討論会で進む交代説 »

2024年6月28日 (金)

アメリカがクリミアの少年少女を標的にしたら一体どうなるだろう?

2024年6月26日
フィル・バトラー
New Eastern Outlook

 ワシントンから供給されたATACMS戦術ミサイルでセヴァストポリの海岸にいる男性、女性、子どもをウォロディミル・ゼレンスキーの軍隊が標的にするのを在ウクライナ・アメリカ顧問/教官が支援したのは必然のようだ。一方、クラスター弾頭に関するニュース(4月のジャンコイ空軍基地攻撃を参照)は、より深刻な意味合いを明らかにしている

「オッペンハイマーの恐ろしいおもちゃから息子を救うにはどうすれば良いのだろう? 常識に独占はない。政治的立場のどちら側にも…」Sting,Russians

 ロシア人も子どもを愛している

 今日の地政学的状況は厳しい。これが我々が暮らしている世界で、人間には価値がない危険な世界だ。アメリカでは、メディアのプロパガンダが国民の頭を覆い隠している。海辺のリゾートを狙ったクラスター爆弾は、ISIL戦略書から出てきたもののようだ。アメリカ政府は一線を越えた。ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、攻撃後の6月23日にロシア各界や軍と連絡を取った。彼が軍事的反撃を熟考しているのは確実だ。しかし彼はまだ公式声明を出していない。我々が入手したのは、この件に関する大統領報道官の対記者団声明だ。

 「ヨーロッパの同僚、特にワシントンの報道官に、一体なぜ彼らの政府がロシアの子どもを殺しているのかと問うべきだ」 - クレムリン報道官ドミトリー・ペスコフ

 数週間前、アメリカが供給するミサイルをロシア国内の標的に使用することをジョー・バイデン大統領が認めた。実際、アメリカ大統領にそうするよう助言したかどで、遅かれ早かれ、何らかの形で、こうした緊張の高まりを理由にロシアは誰かを攻撃するだろうと警告したに違いない。アメリカは既にウクライナに部隊を派遣しており、これは秘密ではない。最近、国防総省報道官のパトリック・ライダー少将は次のように述べていた。

 「この紛争の間中、治安状況の変化に応じて、国防総省はウクライナ内の駐留を見直し、調整してきた。現在、大使館の防衛協力局(ODC)を補強するため、更に数名の顧問を派遣することを検討している。」

 したがって、セヴァストポリ近くの海岸で休暇を過ごしていた民間人を殺害したクラスター弾頭を搭載したATACMS戦術任務ミサイルは、そのような指導部を許した彼の責任であり、我々の責任だ。バイデンや、このテロ攻撃を計画、処理、訓練、または何らかの形で参加した全員に責任がある。しかし、クリミアで起きたことを、欧米メディアはアメリカ国民に決して理解させようとしない。標的となった人々の非人間化は我々の人間性を顔色なからしめるだろう。ガザの虐殺について言及する必要はないが、なんとしても言及しなければならない。なぜなら全てが国のいじめが一体どこまでゆくかの試金石だから。

 5発の精密ミサイル

 報道によると、攻撃で子ども二人を含む4人が死亡、151人以上が負傷した。アメリカ偵察衛星の情報に基づいて、アメリカ人専門家がATACMSミサイルの飛行座標を設定したとロシア国防省が述べた。つまりワシントンが直接責任を負っているのだ。数日以内に、ワシントンとキーウはベルベク空軍基地がミサイル攻撃の標的だったと主張するだろう。しかし、このロシア基地は最も近い観光海岸から4キロ以上離れている。これは、アメリカ指導者連中が陰険で厚かましい嘘つきか、ロッキード社の超高精度ミサイルが役立たずかのどちらかを意味する。ミサイルは正確で(地上のロシア機への命中を示す衛星画像)過去の多くの作戦で効果的だと証明されているので、アメリカが悪者になっても構わないとバイデンと、お仲間が決めたと推測できる。誰かが、テロ効果を目的にして、罪のない男性、女性、子どもを標的にしたのだ。

 今朝、ミサイルがウチクエフカ村とリュビモフカ村の海岸に着弾したとクリミアで私の最も親しい友人の一人、元スペツナズ・アルファ部隊大佐が私に話してくれた。聖三位一体祭の長い週末を過ごすため、国中から大勢のロシア人がクリミア海岸に来ているとも彼は指摘した。彼は、他の多くの国々の行楽客もクリミアにいると彼は言った。

 もはやドミトリー・メドベージェフがロシア大統領でないのは、ヨーロッパにとっても我が国にとっても良いことだ。元首相で現在ロシア安全保障会議副議長を務めるメドベージェフは、クリミアへの攻撃に激怒している。彼は自身のTelegramチャンネルに次のようなメッセージを投稿した(大雑把な翻訳)。

 「バンデラ支持者にアメリカのろくでなしどもがクラスター爆弾を搭載したミサイルを供給し、連中が標的まで誘導するのを支援している。キーウのろくでなしどもは、平和な人々がいる海岸を標的に選んでボタンを押す。両者とも地獄で焼かれるだろう。業火だけでなく、それより早く、地上の火で焼かれるよう私は願っている。」

 アメリカのゲームを世界は知っている

 ワシントンと同盟諸国がウクライナ・ロシア紛争を激化させている詳細を一般大衆は知る必要がある。ウクライナがこれらATACMS戦術ミサイルの発射能力を持つようになったのは、数週間前、イギリス、ノルウェー、ドイツ、イタリア、フランスからウクライナ国防軍がこれらMLRSを受け取った時以来だ。

 考えられない事態が起こるまで突き進むとバイデン政権と傀儡大統領の背後にいるエリート連中は決意している。現状のまま進めば、遅かれ早かれ、ウラジミール・プーチンは誰かに反撃するよう強いられるだろう。キーウかウクライナ国内のNATO組織が最初の標的になる可能性が最も高い。しかし、こうした状況に対するメドベージェフの怒りは、少なくとも一部のロシア人が次段階に進む用意ができていることを示している。結局、ロシアとアジアの大半は既に欧米諸国と準戦争状態にあるので、フロリダ州のフォート・ローダーデール海岸はもはや対象外でないようだ。

 これら致命的な兵器の使い方をアメリカはウクライナ兵士に秘密裏に訓練し、気づかれないようにウクライナに持ち込んだ。3月と4月、ミシシッピ州選出ロジャー・ウィッカー上院議員などの戦争タカ派が、紛争を激化させる必要性を声高に主張していた。人々は、もはやアメリカの行間を読む必要すらない。ウィスコンシン州には、殲滅すべき戦略目標はないのだろうか?

 これは諸国民にとっての警鐘とみなすべきだ。

 フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者で東ヨーロッパ専門家で「Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」という最近のベストセラーや他の本の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/06/26/what-if-americans-targeted-little-boys-and-girls-in-crimea/

----------

 Judging Freedom

COL. Douglas Macgregor : Ukraine Nearing the End! 36:50

 植草一秀の『知られざる真実』

三分類される日本政治勢力

 デモクラシータイムス

戦争の主役はAIに?日本も踏み出す新しい戦場【半田滋の眼 NO.104】20240625 32:34http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/--f6a1.html

 常に拝読している藤永茂氏ブログ『私の闇の奧』最新記事「サハロフとオッペンハイマー」些細なことだが肝心な人名が違う。

 ソ連でオッペンハイマーにあたる人物はクルチャコフです。

 とあるが、正しくはクルチャトフ(イーゴリ・ヴァシリエヴィチ・クルチャトフ Игорь Васильевич Курчатов

 元記事に直接コメントさせて頂くべきだが、方法がわからないので、こちらに書く。

 2011年6月の当ブログ翻訳記事に、その名がクルチャトフに由来する研究所関連記事の翻訳を掲載した。

結局、福島は教訓を与えてくれるだろうか?- 原子力災害を生き延び、勇敢な原子力作業従事者の犠牲を偲ぶ

« アサンジは自由になったが、正義が実現したわけではない | トップページ | トランプ・バイデン討論会で進む交代説 »

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

NATO」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

ウクライナ」カテゴリの記事

コメント

                   CENTCOMが合法的攻撃目標

フィル・バトラ-氏が"New Eastern Outlook"にお書きになったことを読んで管見をご披露申し上げたい。まずロシア軍は民間人を攻撃しないので人が集まる海岸は軍事目標から外れる。すなわち,フロリダ州のフォ-ト・ロ-ダ-デ-ル海岸は攻撃対象ではない。そこでウィスコンシン州の軍事目標は狙われる可能性は高い。しかしそれよりもフロリダにあるCENTCOMが合法的攻撃目標であろうと小生の水晶玉が申しております。
 中国の新疆ウィグル自治区で買った水晶玉の占いがなかなか当たらないので廃棄しようと考えている。とは申せ,粉々にするのも今までお世話になったのだから申し訳ないと思うので庭先に捨て置くかと考えている。ただ福岡の志賀島からの金印が江戸時代に発見されたように後世に発見されても真贋論争は起きないと考える理由はないので水晶占いをしてみたい方には無料で差し上げたい(実は二つあるので残りは棺桶に入れてほしいと願っている)。
 さて本題に入らせて頂く。バトラ-氏は次のように書かれている:「ワシントンから供給されたATACMS戦術ミサイルでセヴァストポリの海岸にいる男性、女性、子どもをウォロディミル・ゼレンスキ-の軍隊が標的にするのを在ウクライナ・アメリカ顧問/教官が支援したのは必然のようだ。一方、クラスタ-弾頭に関するニュ-ス(4月のジャンコイ空軍基地攻撃を参照)は、より深刻な意味合いを明らかにしている。・・・
  クリミヤの何の罪もない,武装もしていない子どもさんたちが犠牲になった。この行為は国際条約違反である。しかしG7・西側メディアの多くはこれを報じない。お抱え瓦版屋となり下がっている。そこでロシヤが報復すれば瓦版屋たちはロシヤを批判し,NATO立つべしと誤情報を流すだろう。しかしもはやメドヴェ-ジェフを止める力はない。
 オデッサで妊婦たちが労働会館で強姦されて焼かれたときはプ-チン大統領がネオ・ナチ排除に動きだすきっかけとなったが,今回はアメリカ本土を攻撃することもあり得るというのが,フィル・パトラ-氏の見立てである。アメリカ本土のどこが狙われるのだろうか。水晶玉の片方にお伺いを立てた限りでは,フロリダのCENTCOMである。なぜなら先月,ロシヤの原潜がフロリダ沖に現れ数十年前のキュ-バ危機を思い出させたからである。
  しかしバイデン政権はもはや言葉を返すことが出来ない。「フランス語ができる」とD・タイムスの出演者が称賛したねずみ男ブリンケンでは政治的に対応できないのであろう。
 思えば米国国務省・CIAがベネスエラで暫定大統領グアイドを擁立したときベネスエラ領の小島からツボレフ160機(Ty-160)が飛び立ってCENTCOMやWCを射程に入れたことがあった。筆者は素人なのでCENTCOMがどれほど重要かは知らないが,ロシヤは軍事目標なら民間施設でないので「正当な軍事目標」となると宣言している。
  今回,ゼレンスキ-元大統領の任期は5月20日に切れた。日本・岸田政権はウクライナを財政支援し,軍事物資やパトリオットをウクライナに送っている。迂回しているとはいえロシヤ側が日本がウクライナを支援していると判断すれば,岸田政権は弁明しても無駄でロシヤ国の「正当な攻撃目標」である。しかも日本は,ポツダム・カイロ宣言を敗戦国として受け入れている。国連や米国の承諾なしで,戦勝国ロシヤは日本国を軍事制裁できる。どの程度になるかは分からない。極超音速ミサイルが飛んでくる可能性が大なので基地周辺の方々は気を付けられたい。アッサラームアライクム

追記:音は気温15℃で1秒間に340m伝わると中学校の時習った覚えがある。最近の地球温暖化で世界各地で洪水が起こると思いきや突然雪が降り出したりして気候変動が激しい。軍事演習が盛んにおこなわれている上にアフリカやウクライナで毎日のように砲弾がさく裂しているのでますます温暖化が進んでいるような気がしてならない。とすると秒速も350mぐらいに跳ね上がっているかもしれない。
  アリュ-シャン列島のロシヤ軍基地から沖縄のミサイル基地-例えば石垣島まで何秒かかるのであろうか。1分が60秒として350×60=約21kmで稚内から与那国島まで2900kmだから1音速なら150分もかからないのではないだろうか。もしそれが極超音速ミサイルならマッハ27だから21×27とすると567kmとなり,5分もかからないのではないだろうか。バイカル湖からでも同じだろう。
  ところで嘉手納基地の米軍家族が居なくなったらご用心。アフガニスタンのカ-ブル市から一晩で米軍が居なくなったように,密かに情を通じていなくなる可能性が高い。嘉手納基地看視者の皆様。お気を付けください。

追記:キンジャ-ルなどは極超音速になると精度は落ちる。半径4km以内の誤差は仕方ないだろう。ロシヤ軍関係者からご教示を頂ければ幸いであります。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« アサンジは自由になったが、正義が実現したわけではない | トップページ | トランプ・バイデン討論会で進む交代説 »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ