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2024年6月17日 (月)

剣呑な暮らしの夏

ペペ・エスコバル
2024年6月12日
Strategic Culture Foundation

 

 ヨーロッパ人の死体にハエが卵を産みつけている間に、わずかな金で全て購入できると金権政治家連中は信じている。

 

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 ヨーロッパ選挙で、パリの小さな王様は予想通り惨敗した。彼は議会の早期選挙を呼びかけ、国民議会を解散させたが、これはフランス国民に対する盲目的で幼稚な復讐行為であり、事実上フランス民主主義への攻撃だ。

 

 「自由、平等、友愛」の理念は、粗野な寡頭政治によって長い間奪われているため、いずれにせよ、それは、ほとんど意味がない。

 

 フランス選挙の第2回投票は7月7日に行われる。7月11日のイギリス総選挙とほぼ同時期で、パリ・オリンピックというゆっくり燃え上がる都市災害の僅か数日前だ。

 

 ナポレオン・コンプレックスを抱えたロスチャイルド家の小傀儡が自分の望みが叶えられないからといって、なぜ今になって、おもちゃを全部投げ捨てようとしているのか、という好奇心でパリのサロンは燃え上がっている。

 結局彼が本当に望んでいるのは、ホワイトハウスの死体大統領やイギリスのスナクや、オランダのルッテやブリュッセルの毒メデューサ・フォン・デア・リューゲン(ウソつき)やポーランドのトゥスクと共に、フランス国民に説明責任を負わずに「戦争大統領」になることだ。

 

 小さな王様が右翼議会に服従しなければならないレームダック大統領になる現実的可能性に直面するのはほぼ確実だ。エリゼ宮での噂話も既にサーカスに加わり、彼が辞任するかもしれない印象を与えている(後に否定された)。それでも小さな王様がロシアとの戦争に突入して、フランス国民は誰も彼について行くまい。まして哀れなフランス軍は。

 

 だが、もっと大きなことが起きている。開放性と包摂性に重点を置いた世界の大多数に向けた(幸先の良い)形勢を一変させるメッセージが先週サンクトペテルブルク・フォーラムで発せられ、今週初め、ニジニ・ノヴゴロドでのBRICS10外相会議がバトンを引き継いだ。

 

 ラブロフ外相は3つの重要な点を強調した。

  1. 「南半球の国々は、もはや欧米諸国の二重基準と気まぐれに依存したくない。」
  2. 「BRICS諸国が既に世界経済の原動力となっていることは誰もが知っている。」
  3. 「独立国家の平等が鍵となる新たな世界秩序を創り出すための一貫した努力の必要性を、我々は(BRICS外相会議で)強調した。」

 

 今週後半イタリア南部プーリアで開催予定の規模が縮小しつつあるG7会議と比べてほしい。中国銀行に対する「新たな厳しい警告」(「ロシアと取り引きするな、さもないと!」)から、中国とロシアの戦略的提携に対する声高な脅しまで、いつもと同じ内容だ。

 

 最後になるが、凍結または盗んだ膨大なロシア資産から利息を搾り取り、それを破綻国ウクライナに送る更なる陰謀。7月に盗まれたロシア資産からの収入15億ユーロをEUから破綻国が受け取り、90%が武器購入に充てると不快なメデューサ本人が発表した。

 

 一方、2010年代初頭、性悪女ヒラリー・クリントンの国務長官在任中に、今はなき「アジア回帰」政策を考案したカート・キャンベル国務副長官は、既に北京とロシアの軍産複合体との関係を巡り、ワシントンは中国企業や銀行に制裁を課すと明言していた。

 

 偽旗作戦と完璧な対称性

 

 いくつかの基準から判断すると、ヨーロッパは今後数か月以内に、爆発的にではなく、悲痛な声で内部崩壊/爆発するだろう。フランスとイギリスの総選挙が7月11日のNATOサミットと重なることも忘れてはならない。NATOサミットではロシア嫌いによる戦争挑発が激化するだろう。

 

 考えら得るシナリオとして、明確にロシアに責任を負わせるある種の偽旗作戦が予想される。それはフランツ・フェルディナンド事件やトンキン湾事件や米西戦争前のメイン号事件のような事態かもしれない。

 

 全NATOスタン「指導者」連中と、キーウの緑の汗まみれTシャツを着た下っ端MI6工作員が生き残る唯一の方法は、開戦理由をでっち上げるしかないことだ。

 

 もし本当にそれが起きるとすれば、日程は7月第二週から8月末まで、遅くとも9月第二週までに早められる可能性がある。

 10月では遅すぎる。アメリカ選挙に近すぎるためだ。

 

 というわけで、剣呑な暮らしの夏に備えて頂きたい。

 

 一方、ロシアの「熊」は冬眠しているわけではない。サンクトペテルブルク・フォーラム前と最中に、既に進行中のNATOスタンのミサイルを使ったキーウの攻撃に対するモスクワの対応がいかに「対称的」になるか、プーチン大統領は詳しく述べた。

 射程距離350キロ以上のミサイルを供給するNATO加盟国はアメリカ、イギリス、フランスの三国だ。

 

 したがって「対称的」対応とは、基地帝国の拠点に深刻な損害を与えることが可能な先進兵器をロシアが南半球諸国に提供することを意味するはずだ。

 

 ロシア・テレビ局だけでなく、サンクトペテルブルク・フォーラムの廊下でも盛んに議論された通り、これら兵器を受け取る最有力候補は以下の通りだ。

 

 西アジア:イラン(既に保有している)、シリア(切実に必要としている)、イエメン、イラク(ハシュド・アル・シャアビ(人民動員部隊)に非常に役立つはずだ)、リビア。

 

 中央、北東、東南アジア:アフガニスタン、ミャンマー (この二国はサンクトペテルブルクに参加していた)と北朝鮮。

 

 中南米:キューバ、ベネズエラ、ニカラグア (今のロシアのカリブ海進出を見れば分かる)。

 

 アフリカ:中央アフリカ共和国、コンゴ、エチオピア、ソマリア、南スーダン、ジンバブエ (ラブロフ外相の最近のアフリカ歴訪を見れば明らかだ)。

 

 ジルコンさんがご挨拶

 

 そして極超音速ミサイル搭載フリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」や原子力潜水艦「カザン」を先頭にロシア海軍がカリブ海に展開する喜ばしい事態が起きている。

 

 ゴルシコフは「オニキスやジルコンやカリブルやアトヴェットを32発搭載している。これらは史上最も先進的で強力な巡航ミサイルで本格的戦闘実績がある。ヤーセン級巡航ミサイル潜水艦カザンも32発の垂直発射ミサイルを搭載しており、更に魚雷以外も発射できる魚雷発射管が10基ある」と軍事評論家アンドレイ・マルティアノフは述べている。

 

 まあ、この海軍は明らかに第三次世界大戦を始めるため停泊しているわけではない。マルティアノフは次のように説明している。「両艦ともアメリカとカナダの東海岸全域を攻撃できるが、そのために停泊しているわけではない。本当に第三次世界大戦になったとしても、この恐ろしい事態に対処するブラヴァやアバンガルドやサルマトやヤルセは多数ある。いや、ゴルシコフとカザンは、ロシアとの通常戦争を生き延びようと決心した狂人が破綻国家にいた場合、北アメリカからヨーロッパまで、あらゆる兵器を搭載したあらゆる戦闘艦や戦略海上輸送船に渡せることを示すために停泊しているのだ。」

 

 更に興味深いのは、ハバナで時間を過ごした後、海軍部隊は一連の演習のためカリブ海に留まり、他のロシア海軍艦艇も加わることだ。「危険な暮らしの夏」が終わるまで彼らはこの海域に留まる。誰か変人が奇抜な考えを持っている場合に備えて。

 

 一方、ヨーロッパでは、熱い戦争へとエスカレートする可能性が止まることなく続いており、NATOは癲癇を誘発するノルウェーの森の木片を使って、次から次へとナンセンスな爆発を起こして、代理戦争の確立されたルールを根本的に変えている。

 ロシアの軍事施設と民間施設両方(石油貯蔵庫や空港、エネルギー施設、鉄道連絡駅、更に軍隊集積地)を破壊する能力をNATOのおかげで、ウクライナ軍(AFU)は既に備えている。

 

 近隣諸国を含め、誰もが「対称的」反撃を待つことになるだろう。

 

 実質的に、この重大決定は、実際この見世物を仕切る少数の金権政治家が下したのだ。それはロシアとの戦争にヨーロッパを追い込むことだ。それが北極からバルト海のチワワを経て狂暴なポーランドに至るまでの「軍事シェンゲン協定」や「新しい鉄のカーテン」に関する全ての言論歌舞伎の背後にある理論的根拠だ。

 

 放射能汚染されたヨーロッパ人の死骸にハエが卵を産みつけている間に、わずかな金で全て購入できると金権政治家連中は実際信じているのだ。

 

記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/06/12/the-summer-of-living-dangerously/

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 The Chris Hedges Report イスラエルのガザ虐殺、狂気の政策を徹底批判。素晴らしい演説をお聞き願いたい。

 

Nero's Guests 24:37

Chris Hedges
Jun 16, 2024

 

 日刊IWJガイド

 

「『ウクライナ平和サミット』開幕日に、『ニューヨーク・タイムズ』が、2022年4月の『ウクライナ・ロシア条約草案』を初公開!」

はじめに~「ウクライナ平和サミット」の開幕以来、 ロシア憎悪に傾斜した煽情的な偏向報道を続けている日本のマスコミ! しかし肝心の紛争当時国であるロシアのプーチン大統領を招かず、米国のバイデン大統領も欠席、中国、インド等の大国の首脳も不在の「ウクライナ平和サミット」に何の意味があるのか!? さらに『ニューヨーク・タイムズ』が、2022年4月の「ウクライナ・ロシア条約草案」を初公開! ロシアは、11月のブラジル・リオG20サミットで、中国による仲介を期待!?

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