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2024年6月27日 (木)

アサンジは自由になったが、正義が実現したわけではない

 ジュリアン・アサンジは自由になった。この記事を書いている時点で、アメリカ政府との司法取り引きをまとめるため、彼は太平洋西部の遠隔地にある米国領土、北マリアナ諸島に向かっている。この取り引きにより、彼はベルマーシュ刑務所での服役期間の判決を受けるだろう…

 

ケイトリン・ジョンストン
2024年6月25日

 

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 

 ジュリアン・アサンジが自由になった。この記事を書いている時点で、アメリカ政府との司法取り引きをまとめるため、彼は西太平洋の遠く離れた米国領土、北マリアナ諸島に向かっている。この取り引きにより、彼はベルマーシュ刑務所での服役期間の判決を受けるだろう。この過程で帝国側からおかしな策略がなされない限り、彼は自由の身で母国オーストラリアに帰国することになるだろう。

 

 重要なのは、この驚くべき新展開に関して私が読んだ専門家によれば、彼の司法取り引きが、今後ジャーナリストに悪影響を与えるような新たな法的前例にならないことだ。コンソーシアム・ニュースでジョー・ローリアは次のように報じている

 

 「この司法取り引きは法的前例にはならない。したがって、アサンジがそのような罪状に同意したからといって、将来、ある情報源から機密情報を受け取り公表したかどで、ジャーナリストが起訴される危険にさらされることはないはずだとアメリカ憲法弁護士ブルース・アフランはコンソーシアム・ニュースに語った。」

 

 この重要な事件を長い間綿密に追跡し、それに関して執筆するため多大な労力を費やしてきたので、この全てについて当然私は感無量だ。帝国殺人組織の爪から世界を解放するため私たちが団結して闘うには、やるべきことが実に多々あるが、アサンジと家族のために私は歓喜しており、この闘いで確固たる勝利を収められてうれしく思っている。

 

 しかし、こうしたことは、ジュリアン・アサンジを迫害して帝国が引き起こした許し難い悪行を帳消しにするものではなく、世界最強力な政府に関して不都合な真実を語るジャーナリストに何が起きるか示すため、彼を見せしめにすることで生じた世界的損害が元に戻るわけでもない。

 

 従って、アサンジは自由になったかもしれないが正義が行われたとは正確には言えない。

 完全かつ無条件の恩赦をアサンジが与えられ、2010年から投獄や自宅軟禁で、2012年からエクアドル大使館で事実上監禁され、2019年からベルマーシュに投獄されて受けた苦痛に対して、数百万ドルの賠償金をアメリカ政府から受け取ることこそ正義のはずだ。

 

 具体的な法律や政策変更をアメリカが行い、アメリカに不都合な事実を報道した外国人ジャーナリストの人生を破壊するため、世界的権力と影響力を二度と利用できないよう保証し、ジュリアン・アサンジと家族に正式謝罪をすることこそ正義のはずだ。

 

 アサンジが暴露した戦争犯罪の加害者連中を逮捕し起訴すること、そしてそれら犯罪を暴露したかどで、彼の人生を台無しにした連中全員を逮捕し起訴することこそ正義のはずだ。これには多数の国々の政府職員や政府高官や複数のアメリカ大統領が含まれる。

 

 到着後、アサンジがオーストラリアで英雄的歓迎と名誉を受け、ワシントンに対するキャンベラの卑屈な関係の真剣な見直しこそ正義のはずだ。

 

 アサンジに対する悪意ある迫害への同意を捏造したガーディアンを始めとする全主流メディアの編集委員会が、アサンジと家族に正式謝罪し、何年にもわたりアサンジを中傷するのを幇助した悪徳売女マスコミの評判を完全破壊することこそ正義のはずだ。

 

 もしこうしたことが起きれば、ある程度は正義が実現されたと言えるかもしれない。現状は、帝国の悪行がたった一つ止まったに過ぎない。より新しく、より重大な悪行に場所を空けるために、帝国が後退しているに過ぎない。いまだに我々全員地球規模の権力構造の下で暮らしている。権力構造は、その犯罪行為を暴露すれば、その人物の人生が破壊されることを全世界に示した。そして一歩下がり、これが正義だと誇らしげに主張している。

 

 だから、個人的に、この小さな勝利を天に「ありがとう」と囁いて受け止めて、私は仕事に戻るつもりだ。依然すべきことは山ほどあるが、対処する時間はごくわずかだ。

 

 戦いは続く。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/06/25/assange-is-free-but-justice-has-not-been-done/

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 ミアシャイマー教授は、アメリカ指導部はimpotent無能と批判しているが、crazyこそ相応しい。

 

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「欧州動乱! フランスで内戦の危機とマクロン大統領が公言! 紛争の停戦を求めていたハンガリーのオルバン首相の車列で爆発! テロか!?」

はじめに~欧州動乱! 欧州で最も反ロシア的であり、好戦的な姿勢のマクロン仏大統領が、自身の基盤「中道」の支持率が低下し続け、逆に戦争は停戦へと導くべきと主張するいわゆる「極右」「極左」の急速な支持率の伸びに危機感! フランス国内は内戦が始まるとまで警告!

EU、NATO加盟国の政治指導者で、最も明確にウクライナ武器支援に反対し、停戦を強く求めているハンガリーのオルバン首相を随伴警護中の警官が交通事故で死亡! すわ、テロ未遂事件かと一時騒然! しかもこのタイミングで、米国の最高裁判所は、ホロコースト生存者とその相続人が、戦時中の補償をハンガリー政府に求める訴訟に介入を表明!「争点は、米国の裁判所がこの件について管轄権を持つかどうか」!? 米国に従順ではないハンガリーへの嫌がらせではないのか?

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