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2024年6月26日 (水)

文字通り我々を狂わせている支配者連中

 我々を支配する連中によって:我々の心は、どんどん圧迫され、絶え間ない操作と虐待の集中砲火によって、我々の意識は、あちこちで殴られ蹴られ、我々は全てを失っているが連中には何の損害もない。実際、我々が益々狂うことで連中は利益を得ているのだ。

 

ケイトリン・ジョンストン
2024年6月23日

 

 この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。

 

 おそらく注目すべきは、社会で増加している精神衛生上の問題から、帝国は実際何も失っておらず、むしろ利益を得ていることだ。おそらくそれが、このディストピアにおける全てのものが、全ての人を益々狂わせるのを目的にしている理由だろう。

 人間の繁栄の追求によってではなく、利益の追求によって導かれる社会では、下層階級の人々が常に落ち込んだり、不安になったり、圧倒されたりしても、彼らが仕事に出て、商品を消費し続ける限り、何らまずいことはない。資本主義の歯車が回り続ける限り、それを回している人々が人生を楽しんでいるかどうかは問題ではないのだ。

 

 幸運なことに、彼らの憂鬱や不安自体が、実は素晴らしい利益源であることが判明した。このディストピアでの生活の圧力が人々を惨めにさせるなら、利益の出る製品を製薬業界が大量供給すれば、出社できる程度には回復させることが可能だ。更に、惨めな人々は確実に最高の消費者なのだ。なぜなら、彼らの不満が、内なる飢えた幽霊を果てしのない製品の川で満たそうと一生を費やすよう駆り立てるからだ。

 

 いわゆる「サイケデリック・ルネッサンス」において、この力学がリアルタイムで展開されているのを我々は目にしている。億万長者連中はサイケデリック物質合法化に取り組んでいるが、それは人間の意識を幻想から解放して潜在能力を最大限に発揮させるためではなく、製薬業界の他商品と同様、その化合物が特許を取得し、精神疾患に処方できるようにするのが狙いなのだ。狙いは、人々が自己実現したり、世界に関して教えらたことは全て嘘だと気付いたりするためではなく、うつ病や薬物乱用や心的外傷後ストレス障害などの病気治療にこれら薬物を使用して、人々が再び資本主義の歯車として活動できるようにすることなのだ。

 

 これは、人間の行動が、幸福や健康ではなく、利益追求によって動かされるように全ての体制が構築されているため社会全体で進行している力学の一例にすぎない。文字通り、心理的幸福という重要性が利益という重要性と衝突するあらゆる場所で、常に利益が勝利してきた。

 

 美容業界やファッション業界の広告が、女性の自己イメージを蝕み、女性が満足感を得るため商品やサービスを購入するように仕向けていることからも、それがわかる。ソーシャル・メディア・アプリが、ユーザーの注意と意識を商品化するため、できるだけ中毒性が高くなるよう設計されていることからも、それがわかる。広告全体が、人々を心理的に操作し、自分は欠乏や欠陥を持っていると信じ込ませ、これまで経験したことのない欲求を喚起し、需要を人工的に膨らませるよう構築されていることからも、それがわかる。

 

 文明のこの営利追求構造全体が精神衛生に悪影響を及ぼしている。しかも国内プロパガンダによる心理的に壊滅的な影響も加わる。

 

 これらの影響に関する研究は学術界では行われていない。なぜなら欧米人の意識が国内プロパガンダによって絶えず攻撃されているという明白な事実が、主流機関に認められていないためだ。だが、これらの影響がないはずはない。人々の現実感覚が、心理的に破壊的影響を受けずに、このように継続的に攻撃され歪められることなどあり得ない。「人々を大量虐殺することは正常で容認できる」「ガザでのイスラエルの行動は完全に合理的だ」「体制はうまく機能している。それに対処できないなら、あなたに何か問題がある」といった明らかな不条理を受け入れるよう絶えず操作され、心理的に虐待されれば、人間の精神は極限にまで引き伸ばされてしまうだろう。

 

 つまり、益々狂気に陥れる広告やプロパガンダに我々の心が絶えず悩まされている一方、生き残るために益々ストレスの多い社会で暮らしているのだ。技術革新は、人々を働く必要性から解放し、我々に豊富な余暇を与えるため利用できたはずなのに、その代わりに、百万長者を億万長者に、億万長者を兆万長者にするために利用され、人々はなんとか生き延びようと奮闘している。このような社会で生き残るために、我々は抗うつ薬や抗不安薬の服用を勧められているが、実際、ほとんどの人に医師が処方できる最良の抗うつ薬や抗不安薬の処方箋は、莫大な現金と、より多くの自由時間だ。

 

 我々を支配する連中に、我々の心はどんどん圧迫され、絶え間ない操作と虐待の集中砲火により、我々の意識は、あちこちで殴られ蹴られ、我々は全てを失っているが、彼らには何の損害もない。実際、我々が益々狂うことで連中は利益を得ている。

 

 ストレスと鬱に悩まされ、生きていくのに苦労している人には、自分が暮らす体制の悪質な本質を調べ、革命的世界観を形成する時間やエネルギーはないだろう。たとえ、どうにかして時間やエネルギーを見つけたとしても、事実と虚構を区別するのに必要な内的明晰さは得られず、現状政治や支配的権力構造に実際挑戦することなく(ストレスを受けた際、脳から刺激を受け分泌が増える)コルチゾール浸けになった意識に訴えるQAnonやロシアゲートなどの陰謀的権力に奉仕するプロパガンダの落とし穴に陥ってしまうことが多いのだ。

 

 我々が狂気と混乱に陥れば陥るほど、我々の明晰さは失われ、明晰さが失われれば失われるほど、我々が支配者連中にどれほど酷い扱いを受けているか気付く可能性は低くなる。労働者や消費者や借家人を狂気じみた搾取に陥れながら、狂気じみた広告やプロパガンダを流布して支配階級は全てを得ており、そうすることで失うものは皆無なのだ。

 

 だからこそ、このディストピアでは全てが益々ストレスが多く気が狂いそうになっているのだ。それが我々の生活を形作る決定を下し、我々を支配している連中に直接利益をもたらすためだ。

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 画像はDearJuneより(CC BY-NC-ND 3.0)

 

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/06/23/our-rulers-are-literally-driving-us-crazy/

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 アメリカの戦争犯罪をあばく、まともなジャーナリズム活動をしただけなのに「アメリカの法律に違反した」かどで長年拘留されていたジュリアン・アサンジが解放された。大統領選挙の得票稼ぎが理由なのだろうか?

 

 今回の記事冒頭に使われている画像は「ロシアの‘心’を狙う欧米の戦い:ステロイド常習NGO」という翻訳記事の後書きに書き、画像を引用した映画They liveの中の都市広告そっくり。消費しろ!服従しろ!翻訳記事で写真をご覧願いたい。

 

 スコット・リッターもアサンジの件について書いている。

 

Scott Ritter Extra

America's Dark Day

Jun 25, 2024

By allowing the US government to compel Julian Assange to plead guilty to a crime he did not commit, America has condemned itself to be a land where telling the truth is a crime.

 

ジュリアン・アサンジに彼が犯していない犯罪に対する罪を認めるようアメリカ政府が強制するのを許したことで、アメリカは真実を語ることが犯罪になる国だと自ら宣言したのだ。

 

 クリス・ヘッジズも書いている。

 

The Chris Hedges Report

You Saved Julian Assange

After 14 years of persecution, Julian Assange will go free. We must honor the hundreds of thousands of people across the globe who made this happen.

Chris Hedges
Jun 26, 2024

 

 日刊IWJガイド

 

「二大政党制で、最も対露強硬派の英国で、ウクライナ紛争の原因はNATOの東方拡大であると指摘する政党が急伸!!」

はじめに~欧州内で最も対露強硬派である英国の内部からも、ウクライナ紛争については『西側が間違っている』と訴える政治勢力が台頭! 7月4日に行われる英国総選挙に「極右」とレッテルを貼られながら、支持率第2位を叩き出した「リフォームUK」を率いて出馬しているナイジェル・ファラージ氏が、ロシアのウクライナ侵攻を「挑発」したのは西側諸国であり、NATOの東方拡大が原因だったと、プロパガンダまみれの西側政界では、きわめて珍しいまともな発言! 日本で部分的にでも真実に立脚する政治家が出てくるのはいつか?

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