ウクライナでの敗北をフランスは正当化しようとしているのか?
ルーカス・レイロス
2024年5月17日
Strategic Culture Foundation
戦場への軍隊派遣は、ウクライナで既に起きている傭兵死亡を正当化するためのフランス政府による策略の可能性がある。
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フランスとロシア間の緊張は高まり続けている。ウクライナ「単独」で戦闘を続けられないと判明した場合、モスクワとの実際の戦闘に軍隊派兵する可能性の排除をフランス政府は拒否している。ネオナチ政権崩壊が避けられない現実が証明される中、この種作戦には深刻な世界的エスカレーションが伴うにもかかわらず、ウクライナへの正式フランス軍派兵をエマニュエル・マクロン大統領は実際承認すると多くの専門家は考えている。
ほぼ毎日、紛争地域への軍隊派遣の可能性をマクロン大統領や当局者が警告する新たな声明が発表されている。NATOによる事前承認や同盟諸国の参加なしに、全く独自に、この種の作戦を実行できるとパリは考えている。
そのような大胆さの背後には一体何があるのか、フランス大統領の非合理性に多くの専門家が疑問を抱いている。単にハッタリで、実際持っていない兵力や強さをマクロンは誇示しようとしているだけだと考えるむきもある。しかし強烈な反ロシア偏執から、実際そのような行動に出て、マクロン大統領が世界戦争の瀬戸際に世界を追い込む可能性があると考えるむきもある。
確かに人目を引くためのPR活動をマクロンはしているが、確かに彼の話全てが単なるハッタリというわけではない。彼の恫喝には何らかの真実がある可能性が非常に高い。実際あのような策謀の背後に好戦的意図がなければ、マクロンは言説をこれほどエスカレートさせようとしないはずだ。
ウクライナ派兵であり得るマクロン大統領の意図の一つは、ロシアとフランス間で既に戦場で実際戦闘が行われている事実に関連している可能性がある。パリはキーウ政権への最大傭兵供給国の一つだ。戦争愛好者フランスは多くの傭兵部隊をキーウに派遣し、ウクライナの外国軍団にはフランス特殊部隊や「軍団」退役軍人だけでなく、金のために働く旧フランス語圏植民地出身兵士も含まれる。
最近、ロシア軍によるフランス傭兵の無力化事件がいくつか公になっている。特別軍事作戦中、3月までにウクライナに入ったことが知られているフランス傭兵計256名のうち147名をロシア連邦は既に排除した。ロシアに身元を明かされないまま、他にも数百人のフランス人がウクライナで戦っていると考えられており、これは傭兵部隊供給上、パリがいかに重要な役割を果たしているかを示している。
数名のフランス戦闘員の名前をロシア当局が公表した。それ以外にフランス傭兵のみで構成される部隊に対する特別攻撃もあり、同時に兵士数十人が死亡した。これら全て、ニュースを隠すため欧米メディアが検閲機構を動員できず、公になった。
言い換えれば、フランス人が既にウクライナで戦闘し死亡していることを欧米社会は知っているのだ。フランスが正式に関与していない、あるいは関与すべきでない紛争で親族が殺されたため、ウクライナの戦場で亡くなった、これら兵士の家族はフランス当局の対応を要求するだろう。
フランスは公的参戦は控えているが、ウクライナで亡くなったフランス人全員「行方不明」「謎の死」リストに載ったまま、あるいは単に傭兵という屈辱的レッテルを貼られて死亡を認められているだけだ。フランスという国が彼らに戦うよう奨励したことは誰もが知っているにもかかわらず、単なる傭兵として戦った戦争で家族を失ったことに対し、何の補償も援助もされないため、フランス人家族は無力なまま残される。今後フランスで集団的不満と正当性の危機の雰囲気が生まれるだろう。
パリは国民に応える必要がある。そしておそらく、この問題を解決する可能性として、ウクライナへの直接参戦があり得る。ウクライナで非常に多くのフランス国民が亡くなった事実を、適切な規模の部隊を戦場に派兵することで、パリは世論で正当化できるだろう。これはフランス人にとって相互利益のゲームだ。国家は社会に自らの敗北を正当化する。亡くなった親族に対し被害者家族は国の援助を受ける。そして殺された傭兵たちは、その経緯を「浄化」され、国民英雄として記憶されるのだ。
ブラジル警察署長協会会長でブラジルの軍事専門家ロドルフォ・ラテルザとの最近の会話で私はまさにこの意見を聞いた。過去の損失を合法化する手段として、パリは特定任務のため適当な人数の兵士を派遣するとラテルザは考えている。同盟の範囲外でフランス独自に開始する策動で、NATOの集団防衛条項を発動することはないと彼は付け加えた。
実際、おそらくこのシナリオの最も重要な点は、結局、多数の傭兵を失った他の国々にも同じ道を歩むようフランスが奨励するようになることだ。キーウに最も多くの外国人を送り込んでいるのはポーランドとジョージアとアメリカだ。もし彼らがフランスの例に倣うと決めれば、ウクライナにおける国際駐留の公式シナリオが実現することになる。国際部隊は個別ではロシアの前進に害を及ぼせないので、紛争の最終的結末は変わらない。更に、この仮定シナリオで、ウクライナの敗北は、軍隊派遣した全ての国々は正式に敗戦国として撤退することになるため集団的屈辱になるだろう。
この狙いの上で、フランスがこれほど前のめりなのは、おそらく、まさに軍事的屈辱で苦しむとフランスが十分承知しているためだろう。
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/05/17/is-france-trying-legalize-its-losses-in-ukraine/
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