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2024年5月19日 (日)

ウクライナ情況報告:終焉を迎えた軍隊と国家

2024年5月14日
Moon of Alabama

 

 ハリコフに対するロシア攻撃の目的はウクライナ軍を崩壊させることだとスティーブン・バイレンは正しく書いている。

 

 私の考えでは、ロシアの狙いは、侵入したロシア部隊をウクライナ軍に追撃させることだ。その構想は、ウクライナ側に多大な死傷者を出し、全て計画通りに行けば、ウクライナ軍を二分するか完全に解体するというものだ。

 

 このような方法の考えは単に領土を奪うだけでなく、ウクライナの抵抗能力を破壊することだ。進行中の作戦でロシアが成功していることを示す多くの兆候がある。

 

 ウクライナ軍事情報局(外国人戦闘員やナチス部隊も含む)長官キリロ・ブダノフ将軍もこれに同意している。彼は暗い絵を描いている(アーカイブ済み)。

 

 多くのウクライナ当局者や軍事専門家と同様、北東部でのロシアの攻撃は、すでに乏しいウクライナ兵力を拡張し、他の場所での戦闘から兵力をそらすことを目的としていると信じているとブダノフ将軍は述べた。

 それがまさに今起きていることだと彼は認めた。ウクライナ軍が北東部の防御を強化するため他の前線地域から部隊を振り向けようとしているが、人員を見つけるのは困難だったと彼は述べた。

 「我々の全軍はここかチャシフ・ヤルにいる」と、ここ数週間でロシア軍が攻撃した約300キロ南にあるウクライナ拠点に彼は言及した。「私は我々が持っている全てを使った。残念ながら予備役には他に誰もいない。」

 

 ウクライナ軍は東部で活動していた様々な旅団の一部を撤退させ、ハリコフ地方に向けて北に移動させている。これは統一された指揮を持たず、他の場所に穴を埋めるものが何も残っていない、部分的に満たされた大隊の寄せ集めとなるだろう。

 

 他の場所でもロシアはこのゲームを繰り返すことが可能で、繰り返すだろうとブダノフは正しく懸念している。

 

 ハリコフ地域での攻撃は更に3~4日間続くと予想し、その後ロシア軍がハリコフの北西約140キロの都市スームィ方向に猛攻をかけると予想しているとブダノフ将軍は語った。

 

 これまでにロシアはスームィから国境を越え軍隊を集結させたとウクライナ当局は述べていた。

 

 スームィ郊外へのロシア砲撃が最近増加しているとスームィ地方のロシア国境近くで活動しているウクライナ人将校パブロ・ヴェリチョは語った。

 

 ハリコフとスームィ地域の要塞に割り当てられた資金は、塹壕が建設されることなく架空企業に支払われたため、ロシア軍は容易に前進できた(機械翻訳)。

 

 合計70億グリブナを費やした要塞建設の数百万件の契約は、ハリコフ州によりアバターのフロント企業に譲渡された。
...
 たまたま、ハリコフ州の防衛購入部門が、新しく登録された無名企業や“Фізична особа-підприємець”ФОП(FOP=民間企業?)を選択した。更に、これら企業のオーナーは成功した実業家や実業家とは似つかない。連中はウイスキー窃盗から夫や母親に対する家庭内暴力に至るまで、数十件の裁判を起こしており、親権を剥奪され、銀行融資の強制執行手続きをとっている者もいる。

 もう一つの興味深い点は、これら受益者は自分が億万長者であることさえ知らないようなのだ。結局、彼らは交代制で「畑」や工場で働き続けている。

 ウクライナ軍が戦線を維持できなくなるのを、アメリカは明らかに懸念している。本日、アンソニー・ブリンケン国務長官が士気を強化するため、あるいは、おそらくウクライナ指導者交代を手配するため、予告なしにキエフを訪問した

 火曜日早朝、列車でキエフに到着したブリンケンは「明らかに非常に困難な時期にあるウクライナ人に強い安心感の合図を送る」ことを望んでいると、ブリンケンに同行した記者団に匿名を条件に説明した米当局者は語った。

 「ここでの長官の本当の使命は、彼らの防衛を強化し、彼らが戦場で主導権を益々取り戻せるよう我々の追加支援がどう実行されるかを話すことだ」と当局者は語った。
...
 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領を含むウクライナ当局者に対し、ブリンケンはアメリカ支援を継続すると安心させ、ウクライナの将来に焦点を当てた演説を行う予定だと当局者は述べた。

 

 ブリンケンとバイデンは11月の選挙が終わるまで、ウクライナ軍を持たせる必要がある。彼らがその目的を実現できる可能性は低い。戦場での停戦は今や好都合なはずだが、それにはゼレンスキーを排除する必要がある。

 

 議会が可決した600億ドルのウクライナ支援策を米メディアは強調している。このうち実際ウクライナに送られるのは145億ドルだけで、半分は国家の支払い能力を維持するため、残り半分は、製造完了時、ウクライナが購入する可能性がある兵器の形で使われるという説明を連中は無視している。残りの資金は米軍備蓄を補充すべく指定されている。

 

 今後数カ月、大砲や対空弾薬などの形でのウクライナへの実質的軍事援助はごくわずかになるだろう。

 

 そこにはウクライナ陣地を破壊するためにロシア軍が益々大量に使用しているFAB誘導弾を防御できるものは皆無だ。過去3日間ウクライナ軍の損失は1日あたり約1,500人(通常の2倍)に達しており、ほとんどハリコフ方面ではなく東部戦線で発生している。

 

 現在ウクライナ人動員による代替率は実際発生している損失の僅か25%だと言われている

 

 戦争が終わりに近づいているのは皆知っている。勝者ロシアと多くの敗者が存在することを。現在、アメリカもEUも、敗北を認めておらず、面子を保ちつつ、認める方法を見いだそうとしている。

 

 最も簡単な方法は、戦争の最も熱い段階(バフムットなど)で欧米の助言に耳を傾けなかったとして、ウクライナ、特にゼレンスキー大統領を非難することだろう。「我々は彼らに機会を与えたが、彼らはそれを無にした」という言葉が、間もなく公式声明の主要表現になるだろう。

 

 だが実際、ウクライナがロシアを破る、あるいは弱体化させる可能性は一度もなかった。あらゆる数値や能力や人材がこれに反している。その事実にもかかわらず、欧米の妄想によってウクライナは死に追いやられたのだ。

 

 国民や他の人々がそこから学んでくれるよう願うばかりだ。

 

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/05/ukraine-sitrep-an-army-and-country-at-their-end.html#more

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 The Chris Hedges Report

 

The Nation's Conscience, Part I - Read by Eunice Wong

The courageous stance of students across the country in defiance of genocide is accompanied by a near total blackout of their voices. Their words are the ones we most need to hear.

Chris Hedges
May 18, 2024

 

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

 

プーチン訪中・中ロ首脳能会談についてのCNN評価「米国主導軍事同盟に狙いを定め、対抗するために協力を約束。軍事協力の拡大。ウクライナの「政治的解決」を改めて求めるとともに、双方が認めた和平会議への支持を表明. 経済協力、目標曖昧、ただ今後数年間でさらなる経済連携の道しるべ

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