« ウクライナ情況報告:ハリコフ侵攻の分析 - 対ロシア攻撃とロシアの報復 | トップページ | ウクライナでの敗北をフランスは正当化しようとしているのか? »

2024年5月22日 (水)

中東で憎悪と暴力を意図的に煽るアメリカ帝国

 中東における軍事暴力によって引き起こされる急進主義をアメリカ帝国がどのように利用して、この地域での更なる軍事拡張主義を正当化し、更なる軍事暴力につなげているかをご覧になったことはないだろうか?

 

ケイトリン・ジョンストン
2024年5月15日

 

 この英語記事の朗読を聞く (ティム・フォーリーによる朗読)。

 

 自分たちに対し中東地域を過激化させると知りながら、中東での大量虐殺をアメリカが支持することに人々が当惑を表明し、アメリカの戦略目標に反すると誤解しているのを私は時々目にする。

 

 私はいつも彼らに言いたくなる。ええー、あなた方はこの四半世紀眠っていたのですか? 中東での軍事暴力で引き起こされた急進主義をアメリカ帝国がどのように利用し、この地域での更なる軍事拡張主義を正当化し、更なる軍事暴力につなげているかをご覧になったことがないのだろうか?

 

 それが、9/11以来続いている、いわゆる「テロとの戦い」だ。「テロ」と戦うという名目での中東におけるアメリカ主導の軍事介入が、実際はより多くの人々をアメリカが指定するテロ組織に参加させ、更なるテロ攻撃を引き起こすのをこのデータが
はっきり示している。あなたの愛する人々を目の前で、彼らが殺害し追放するのを見ることほど、アメリカと同盟諸国に対して過激化させるものは他にないからだ。だが、ともあれ介入主義は続いている。一体なぜ? なぜなら資源豊富な中東は世界支配にとって重要な地戦略地域で、アメリカ帝国はそこでの軍事的存在の拡大を望んでいるからだ。

 

 実際、これは立派な自己強化詐欺だ。それはこのように機能する。

 

ステップ1:「テロ」との戦いという名目で中東で人々を殺害する。

ステップ2:これにより人々はあなたとあなたの同盟者を憎み、暴力で報復したくなる。

ステップ3:これらの人々を「テロリスト」に指定する。

ステップ4:「テロ」と戦うため、より多くの戦争機械を地域に送り込む。

ステップ5:「テロ」と戦うという名目で、中東で更に多くの人々を殺害する。

 

 このサイクルが何度も繰り返され、中東におけるアメリカの軍事拡張主義が、いかにして益々強まるかお分かりだろうか? まさにそれが我々が目にしてきたことであり、アメリカ帝国が望んでいることなのだ。

 

 アメリカ帝国は民主主義を支持すると主張しているにもかかわらず、なぜ中東中で独裁政権を支えるため、これほど多くのエネルギーを費やしているのかとお思いだろうか? それは地政学的支配という点で意味ある結果をもたらさずに、彼らが自らの意志を地域に押し付けられるようにするためだ。彼らは、同盟国やパートナーを失うことなく、西アジアに自由に爆弾の雨を降らせることができ、そして起きるのは、ともあれ彼らが望んでいる、一般大衆全体の過激化した憎しみの束だけだ。

 

 もし中東産油国に民主的統治があれば、自らの利益のために、アメリカやイスラエルとの公式・非公式同盟や提携関係から各国政府は速やかに離脱し、自国を支援する独自の強力な勢力圏を形成する可能性が高いはずだ。地域の人々の意志を抑圧するため、その代わりに帝国は独裁者を据え支援するので、自分たちの意志が実行されるため、しなければならないと一部の人々が感じる唯一の手段は「テロ」として知られる非国家暴力となる。

 

 ガザでの虐殺に対する報復として、いつかアメリカに大規模暴力攻撃が行われるだろうし、アメリカの反撃が中東での更なる軍事拡張主義となるのは絶対確実だ。これら全てがアメリカ帝国管理者にとっては、うってつけだ。彼らはそれを望んでおり、それを実現するため積極的に取り組んでいる。

 

 アメリカを中心とする帝国は、世界をより憎しみに満ち、より暴力的に、より危険に、より虐待的なものにしている。地球を支配するこの権力構造が歴史のゴミ箱に投げ込まれるまで、人類は平和を知ることはできない。

____________

 

 現在私の油絵の一部のオンライン・オークションを開催中です。こちらをクリックしてご覧ください。

 

 私の記事は全て読者のご支援によるものなので、この記事を良いと思われた場合、必要に応じて私のチップ入れにお金を入れる選択肢がいくつかあります。私の記事は全て、自由にコピーでき、あらゆる方法、形式で利用可能です。皆様が望むことは何であれ、記事を再発行し、翻訳し、商品に使えます。私が公開している記事を確実に読む最良の方法は、Substackメーリングリスト購読です。全ての記事は夫のティム・フォーリーとの共著。

 

 

 ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2

 

 画像はAdobe Stockから。

 

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/05/15/the-us-empire-deliberately-stokes-hatred-and-violence-in-the-middle-east/

----------

 

 Alex Christoforou Youtube冒頭は国際刑事裁判所(ICC)カーン主任検察官

 

ICC Khan angers neocons. Baerbock in Kiev. Medvedev, hints capture & trial. Elensky kept in dark 38:08

 

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

 

20日「公開シンポジウム:小沢事件とは何であったのか」。この際私は「隷属的日米関係の中の小沢事件」で発表。米国は、米国に隷属する政治家は支援する。だが独自に行動する政治家は潰す。小沢事件はその典型例。キャンベル米国務次官補の動きを「ウィキリークス」が暴露

 

 日刊IWJガイド

 

「国際刑事裁判所が『国民を飢餓状態にした戦争犯罪』容疑でネタニヤフ首相らに逮捕状を請求! しかし、米国はまたもイスラエル擁護!!」

はじめに~国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、ハマスの幹部3人に対する逮捕状を請求! イスラエルに対しては、「民間人を飢餓状態にした戦争犯罪」の容疑は追及しながら、3万5000人以上のパレスチナ人を殺害したジェノサイドやガザのインフラ大量破壊の罪は問わず!? 直前まで内紛が報じられていたネタニヤフ連立政権は、逮捕状請求への反発で団結か!? ICC非加盟のロシアのプーチン大統領に逮捕状が発行された際には、「正当だ」と表明していた米国は、今度は「ICCは非加盟のイスラエル・パレスチナ紛争について、管轄権を持たない」とイスラエルを擁護!

はじめに~国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、ハマスの幹部3人に対する逮捕状を請求! イスラエルに対しては、「民間人を飢餓状態にした戦争犯罪」の容疑は追及しながら、3万5000人以上のパレスチナ人を殺害したジェノサイドやガザのインフラ大量破壊の罪は問わず!? 直前まで内紛が報じられていたネタニヤフ連立政権は、逮捕状請求への反発で団結か!? ICC非加盟のロシアのプーチン大統領に逮捕状が発行された際には、「正当だ」と表明していた米国は、今度は「ICCは非加盟のイスラエル・パレスチナ紛争について、管轄権を持たない」とイスラエルを擁護!

« ウクライナ情況報告:ハリコフ侵攻の分析 - 対ロシア攻撃とロシアの報復 | トップページ | ウクライナでの敗北をフランスは正当化しようとしているのか? »

アメリカ」カテゴリの記事

アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事

イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事

Caitlin Johnstone」カテゴリの記事

コメント

 つまりは、兵器を製造する軍需産業が、大変に儲かる、美味しい事業だということです。
 武器産業の儲けを確保するためには、世界のどこかで、戦争を続ける必要があるということです。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ウクライナ情況報告:ハリコフ侵攻の分析 - 対ロシア攻撃とロシアの報復 | トップページ | ウクライナでの敗北をフランスは正当化しようとしているのか? »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ