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2024年5月11日 (土)

ウクライナ情況報告:ニウヨークの大釜 - スミの陽動作戦 - クリミアへの補給

2024年5月3日
Moon of Alabama

現在のウクライナ東部の地図を見ると下記の通りだ。

2024年4月3日

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2024年5月3日

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 上の地図は、4月3日と5月3日のウクライナ東部戦線のものだ。これらを並べて開くと、ロシア軍による二つの重要な動きが分かる。北では、軍はチャシフ・ヤルに向かって西に移動しており、チャシフ・ヤルはそれより西側のあらゆるものを支配する高台だ。

 地図南部、アヴディイウカの北でロシア軍がオチェレティネとケラミクを占領した。

 両方の動きを合わせると、より大きな二つの計画が予想される。

  • チャシフ・ヤルからH32道路に沿ってほぼ西に進み、Konstantynivkaに向かって進む。
  • ケラミクから、H-20道路に沿ってほぼ北に移動する。

 これはホルリブカの西、ニウヨーク周辺の大規模な鉱山複合企業に対する翼包囲となるだろう。この地域は2014年以来最前線にあり、そのため厳重に要塞化されている。全面攻撃よりも、周囲を包囲する方が遙かに好都合で、血なまぐささも少なくてすむ。

 エコノミスト紙は、ウクライナ軍事諜報部副長官ヴァディム・スキビツキーと会談したアーカイブ)。

 彼は既にチャシフ・ヤルを諦めているようだ。

 ウクライナの当面の懸念は、ドネツク地域最後の大都市への更なるロシア進撃の鍵を握るチャシフ・ヤル町にある高台の拠点だ(地図参照)。二月のロシア軍による爆撃で忘れ去られたアヴディウカ同様、この都市が崩壊するのは、おそらく時間の問題だろうと将軍は言う。「もちろん、今日や明日ではないが、全て我々の備蓄と物資次第だ。」

 最近のウクライナ軍ローテーションが失敗に終わった南西部のオチェレティネ村で、ロシアは既に戦術的成功を収めている。ロシア軍は第一線の防衛線突破に成功し、広さ25平方キロの最前線を作り出した。ウクライナは状況の安定化に程遠いが、ロシアは更なる前進をするために「全て」を投入している。ロシア軍は2022年のような自信過剰の組織ではなく、現在は「明確な計画を持ち、単一指揮下の単一組織」として活動していると同将軍は述べた。

 スキビツキーは概ね憂鬱な雰囲気だ。

 戦場でウクライナ単独で戦争に勝つ方法は見当たらないとスキビツキー将軍は述べた。たとえロシア軍を国境まで押し戻せたとしても(その可能性は益々遠ざかっている)戦争を終わらせることはできないだろう。このような戦争は、交渉によってのみ終わらせられると彼は言う。

 ようやくキーウが現実を理解しているのは良いことだ。

 一部のロシア軍は(再び)北からウクライナに侵入し、スームィ市とハリコフ市に侵攻する準備ができている。これは陽動の試みと見ており、これらの都市を占領するための本格的な作戦と私は考えていない。北部のウクライナ軍を拘束する一方、東部の前線は占領が薄すぎて、更なる攻撃を阻止できない。

 ウクライナ側のこだわりの一つはロシアとクリミアを結ぶケルチ橋だ。橋が破壊されればロシアの兵站が阻止されると期待されていた。しかしロシアがアソフ海の北側に建設した新しい鉄道線路は、クリミアへの供給には冗長な方法がいくつかあることを示している。今ケルチ橋が破壊されても、ロシア側陣地に重大な影響を与えることはなく、単なるはったりの瞬間に過ぎないだろう。


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記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/05/ukraine-sitrep-niu-york-cauldron-sumi-diversion-supplying-crimea.html

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