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2024年5月21日 (火)

ウクライナ情況報告:ハリコフ侵攻の分析 - 対ロシア攻撃とロシアの報復

2024年5月18日
Moon of Alabama

 5月11日、ハリコフへのロシアの動きを分析して、それはハリコフ占領のためではなく、国境に沿って「安全地帯」を作ることを考えていると私は結論付けた。

 したがって、ハリコフ攻勢は、ロシアとの北側国境に沿ったウクライナ領土に、おそらく深さ10キロの緩衝地帯を作り出すことを目的としているように見える。それがウクライナ軍を他の場所からそらし、最終的に彼らを壊滅できる、ほぼ開けた土地に配備させているのは、まさに歓迎すべき副次効果だ。

 最近の記者会見で、ロシアのプーチン大統領は次のように認めた

 ハリコフ地区での進展に関する限り、彼らはベルゴロドを含む(ロシア)国境地帯の住宅地を砲撃し、残念ながら今も砲撃を続けているため、この責任も彼らにある。そこで民間人が亡くなっているのは誰の目にも明らかだ。彼らは市の中心部や住宅地に向けてミサイルを発射している。私は、このままでは安全地帯の創設を余儀なくされるだろうと公に述べた。そしてこれが我々が今日行っていることだ。

 ハリコフ(占領)に関しては、今のところそのような計画はない。

 ロシアのハリコフ侵攻はロシア民間人に対するウクライナ攻撃の直接の結果だ。

 同様に、最近ウクライナ発電所をロシアが破壊したのは、ロシア精製施設に対するウクライナ攻撃の直接の結果だ。ウクライナでの作戦に関するロシア日報は5月8日に次のように述べている

 ロシアの電力施設に損害を与えようとするキーウ政権の試みに対抗して、同じ狙いで、ウクライナの電力施設や軍産複合体企業を攻撃するためロシア軍も海・空発射ミサイルやキンジャール航空弾道極超音速ミサイルや無人機を発射した。

 攻撃の狙いは達成された。狙った標的全てに命中した。

 ウクライナは約8ギガワットの発電力を失い計画停電を開始せざるを得なかった。

 3月以来5波のミサイル攻撃により、ウクライナの電源出力の20%を生産する民間エネルギー供給企業DTEKの発電所が「完全に破壊」されたと、火曜日、ジャーナリストとのZoom会見でマクシム・ティムチェンコ最高経営責任者(CEO)が述べた。

 5月8日の最近の攻撃では、防空迎撃を受けずに全てのミサイルが標的に命中して、更に3つの発電所を破壊したため、特に破壊的だったと彼は述べた。
...
 ここ数週間のミサイル作戦によりエネルギー・インフラに10億ドル相当の損害が生じたと月初めにドイツのガルシチェンコ・エネルギー大臣がウクライナのテレビで述べた。

 このような悪影響にもかかわらず、ロシア・インフラへのウクライナ攻撃は続いている。その結果、まもなくウクライナが配電できる電力は更に減るだろう。

 そのような行為が非常に悲惨な結果を招くのをウクライナ指導部は理解し損ねている。

 現在、ロシア都市に対して使用できるよう、アメリカが納入した兵器に対する制限を解除するようウクライナはアメリカに要求している。

 最近のキーウ訪問時、アンソニー・ブリンケン国務長官も、それに同意したようだ

 5月15日水曜日にキーウを訪問したアメリカ国務長官アントニー・ブリンケンは、2022年のロシア侵攻以来初めて、アメリカが提供する兵器でウクライナ軍がロシア領土を攻撃する可能性があると示唆した。「ウクライナ国外を攻撃するのを我々は奨励したり顕現を与えたりしていないが、最終的に、この戦争をどう遂行するかは、ウクライナが自ら決定しなければならない」とブリンケンは述べ、ウクライナ国境外にいるロシア軍部隊に対して欧米兵器が使用される可能性を明らかにした。

 必然的に、ロシア民間人を標的にするために、ウクライナはこれら長距離兵器を使用することになる。必然的に、ロシアはより強力な手段で反撃するだろう。

 そのような行為をしても、ウクライナはほとんど宣伝効果を期待できないかも知れないが、それは国を完全に破滅させる確実な方法だ。

 今日、ハリコフへのロシア作戦の成功についてワシントン・ポストニューヨーク・タイムズは長い記事を掲載している。攻撃が来るとウクライナは知っていたにもかかわらず、準備をしていなかったと両紙ともに結論づけている。

 ロシアによる二度目のハリコフ侵攻でウクライナは準備不足に陥った(アーカイブ済み) -ワシントン・ポスト

 ウクライナ北東部の国境を越えるロシアの新たな攻撃は何ヶ月も前から予想されていたが、それを防ぐため現地に駐留していたウクライナ軍兵士を驚かせた。

 興味深い詳細

 (ドローン部隊の)ために(ウクライナ軍が基本的通信で依存している衛星インターネット)スターリンクが2022年2月のロシア侵攻以来初めて故障し完全機能停止になった。

 「ある時点で我々は全く何も見えなくなった」と旅団のドローン部隊指揮官は語った。ウクライナの軍事慣行に従い彼のコールサイン「アーティスト」で彼を呼ぶことに同紙は同意した。

 必要な時にスターリンクを正面から阻止するのは我々が今後更に頻繁に目にするようになるだろうロシアの新たな能力だ。

 ロシア人がウクライナ国境に押し寄せた。彼らを止めるものはほとんどなかった。 (アーカイブ済み) -ニューヨーク・タイムズ

 ウクライナ政府高官らはこの危険を真剣に受け止めているようで、4月9日にはハリコフ付近の要塞をヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が周到に演出された訪問をした。

 「我々は備えておかねばならない」とゼレンスキーは語った。「我々が自らを守る準備ができていることをロシア人は理解する必要がある。敵が攻撃を試みた場合、我が国民が、ウクライナが備えているのを理解する必要がある。」

 こうした準備はロシア攻撃を鈍らせるのに、ほとんど役立たなかった。

 ゼレンスキー大統領のPR活動に使われたいくつかの展示物を除き、たとえ資金が支払われていても、これら要塞は建設されなかった。

 自宅前道路に沿ってコンクリート・ブロックや機械が動いているのをシヒナ夫人は目撃したが要塞化の準備と思われると語った。

 「しかし実際私が知る限り、何も建設されていない」とシヒナ夫人は語った。

 もう一つの興味深い点は、一人の男の事務所に運営され、益々権威主義化が進むウクライナ独裁政権に関するものだ。

ゼレンスキー大統領首席補佐官は権力を曲げ、批判者をいらだたせ謝罪もしない(アーカイブ) -ワシントン・ポスト
戦時中のヴォロディミル・ゼレンスキー大統領事務所を仕切る元弁護士で映画プロデューサー、アンドリー・イェルマークは、おそらくウクライナ史上最強力首席補佐官だ。

 現役と元ウクライナ政府高官や国会議員や外交官やその他、イェルマークを知る、または彼と協力している人々十数人のインタビューで、統治や対外コミュニケーションに関して彼が異常に広範な権限を行使していることを彼の支持者さえ認めた。他のどの当局者がいつ海外旅行を許可されるかさえ管理していると一部の人々は述べたが、彼の事務所は詳細についてのコメントを拒否した。

 最近、ゼレンスキー大統領顧問団が強化される中、イェルマークは外務省を無視し、軍事決定に介入し、アメリカを含むパートナーとの重要な取り引きを仲介したと批判する人々は主張しており、この任務は大統領が担うべきだと彼らは主張している。
...
 国家安全保障担当補佐官ジェイク・サリバンを含むワシントンの最有力な人々とイェルマークは直接連絡を取っている。「非常に頻繁に我々は連絡している」と3月にキーウを訪問した際、サリバンはイェルマークについて語った。更なるコメント要請にサリバン事務所は複数回応じなかった。

 イェルマークは芸能弁護士で映画プロデューサーでもあるが現在の役職に就く資格はない。

 ロシア国防省が発表する日報から判断すると、現在のウクライナ側の損失はかなりひどい。今日の報告には、破壊されたウクライナの砲30基、無限軌道車車両15輌、ウクライナ軍死傷者1,525名が記載されている。現在これら数字は前月より遙かに高いのが常だ。

 AFPインタビューで、欧米諸国の一部が和平を求めているとゼレンスキーは嘆いている

 キーウでのインタビューにトレードマークのカーキ色の衣装を着て46歳の元喜劇役者は応じた。ロシアのハリコフ地域攻撃開始以来、外国メディアとのインタビューは初めてだ。

 「我々にとって公平な平和で戦争が終わるよう我々は望んでいる」一方「欧米諸国は、できるだけ早く戦争が終わるよう望んでいる。そして彼らにとって、これが公平な和平だ」と彼は語った。

 欧米から資金が流れ込む限り。そして、それに誰も異議を唱えない限り、ゼレンスキーとイェルマークのチームは戦争を終わらせるために何の努力もしないだろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/05/ukraine-sitrep-kharkiv-incursion-forensics-attacks-on-russia-and-russian-revenge.html#more

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 AlexChristoforou YouTube 死の魔女は消えない。ロシア内基地攻撃可能なミサイルをウクライナ提供せよとヌーランド。

Iran helicopter crash. Nuland, hit military bases. Rise of Yermak. G7 new Russia 42:31 

 彼が言及したヌーランド発言映像はABCによるもの。

‘It is time’ to help Ukraine hit bases in Russia: Victoria Nuland
ABC News’ Martha Raddatz interviews Victoria Nuland on “This Week.”
May 20, 2024 5:48

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

ロシアRT[最終決定権はハメネイ師にある。大統領の死は重大ではあるが、国家元首の喪失と同等ではないため、イランの政策が近い将来に変わる可能性は低い]。エルサレム・ポスト:「イスラエル当局者:SNSでモサド関与説。しかしイスラエルはライシ氏の死に関与していない」

 日刊IWJガイド

「中東騒乱の予感のただなかで、イランのライシ大統領が、ヘリコプターで墜落死! 暗殺か!? 偶然の事故死か!?」

はじめに~中東騒乱の予感のただなか、イランのライシ大統領が、米国製の古いヘリコプターで墜落死! 暗殺か!? 偶然の事故死か!? 今のところ、このヘリコプターの墜落が、事故ではなく、人為的な暗殺事件だと断定して報じているメディアはないものの、米空軍の退役軍人で作家のニコラス・ドレイヴン氏は「イランは中東のロシアだ」と指摘! その真意は、覇権への野心を持つ国(米国とイスラエル)にとっては、ロシア(イラン)は目ざわりで弱体化したい敵国、という意味以外、共通点はなし!!

ガザでのパレスチナへの虐殺に抗議するために、対イスラエル貿易を停止したトルコに対する報復措置として、イスラエルは、トルコとの自由貿易協定を破棄、トルコからの輸入品に100%の関税を課すことを表明! しかし両国の貿易は、トルコ側の輸出が8割と圧倒的に多く、トルコ経由で輸出されているアゼルバイジャン産原油に対する制裁は、イスラエルにとってブーメランに! それでも狂った虐殺をやめないイスラエルは、ラファに追い込んだパレスチナ人を、さらに海側に移動させる!! これは、米軍の「人道物資搬入」名目の仮設桟橋から海へとガザ市民を追放するのでは!? それは「第2のナクバ」完遂への警鐘ではないのか!?

【本日のニュースの連撃! 2連弾!】

【第1弾! UNRWAが「80万人近くのパレスチナ人が、ラファから避難している」と発表!】シオニストが描く地獄絵図!! イスラエル軍はガザ全域からラファに避難した150万人に再び北部へ避難するよう警告しているが、エジプトとのラファ検問所を占領し、ガザからの出入りを封鎖した上で、ガザ全域を爆撃! 北部ガザ市では、解体したはずのハマスとの戦闘が激化!(『アルジャジーラ』、2024年5月18日)

【第2弾! イスラエルよ! お前は何様のつもりなのか!? イスラエルのエルダン国連大使は「国連はハマスの協力者、国連自体がテロ組織」と国連の存在そのものを否定!】5月10日の国連総会でパレスチナの国連加盟を支持する決議案が採択された際には、演説で国連憲章をシュレッダーで細断!! エルサレム市のキング副市長は、Xで国連を「ナチス組織」と呼び、「私たちの聖地に敵の居場所はない」とヘイト投稿!(『フィナンシャル・タイムズ』、2024年5月16日)

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