ガザ救援桟橋という奇怪な離れ業
こうしたこと全てが行われているのは、特別な出入り口を通して適切な量の援助物資をガザに直接搬入するのをイスラエルが許可していないために過ぎない。
ケイトリン・ジョンストン
2024年5月3日
物語のマトリックスの端からのメモ
この英語記事の朗読を聞く (ティム・フォーリーによる朗読)。
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2020年にトランプが負けて本当に良かった。さもなければ政治的反対派に対するファシスト的弾圧や、デモ参加者への警察による残虐行為や言論の自由に対する横暴な弾圧や人種差別主義やイスラム嫌悪政策の強化が見られたはずだ。あの精神病質者は今頃おそらく虐殺をしていたはずだ。
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それで、はっきり言っておきたい。人道支援物資を届けるために、ガザ沖数キロの場所に、アメリカが「浮き桟橋」を建設することになったが、ガザに送るために援助物資を直接桟橋に運ぶことは誰にもできるまい。その代わり、援助物資は空路か海路でキプロスに届けられ、キプロスから320キロ離れた桟橋に輸送されることになる。そこで援助物資パレットは小型米軍船舶に積み込まれ、桟橋からガザ海岸にある長い土手まで援助物資を運ぶことになる。これらパレットは、その後、土手道を通って港から海岸まで運ばれ、中身を慎重に検査し承認した後、おそらくイギリス軍かイスラエル軍に運ばれ、イスラエル国防軍によりガザに持ち込まれることになる。これらは全て1日あたりトラック90台から150台分の援助物資を届けるためで、国連がガザに必要だと言うトラック500台分に遙かに及ばない。
そして、これら全てが行われているのは、単に特別な出入りを通って、直接適切な量の援助物資をガザに送り込むのをイスラエルが許可しないためだ。アメリカ政府は、このような自明の行動を許可するよう、どんな圧力もイスラエルにかけたくないので、代わりに情けないほど不十分な量の援助物資を送付するために、この非常に複雑で高価な作業が実施されている。イスラエルが全く何のお咎めも受けずに実行している大量虐殺爆撃作戦でガザを破壊しているからこそ必要な援助だ。
素晴らしい。実に当然で素晴らしい。
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US: We trust Israel to investigate itself on all allegations of war crimes.
— Caitlin Johnstone (@caitoz) April 28, 2024
US: Israel please investigate yourself for these alleged war crimes.
Israel: No.
US: Well that settles it then, we see no evidence that Israel has committed any war crimes. https://t.co/6Kllp6p3Jp
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木曜の演説で、ガザでの大量虐殺に反対する大学生抗議活動に対する全米での警察の暴力的弾圧を擁護し「反対意見は決して無秩序を招いてはいけない」とバイデンは述べた。
そう、ジョー、あなたにしては実に進歩的だ。反対意見は常に完全に無害で従順であるべきで、いかなる形でも破壊的であってはならない。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアはこう述べている。「私たちの最も重要な価値は、常に法律を遵守し、誰にも迷惑をかけないことだ。なぜなら反対意見が無秩序につながることがあってはならないためだ。それが我々の公民権運動が法執行機関と一度も衝突しないことで有名な理由だ。」最も影響力ある著作の一つの『バーミンガム・キャンディー・ショップからの手紙』の中で彼はこう述べていた。
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「ガザで当局は死者数を数えられなくなった」という題の記事をウォール・ストリート・ジャーナルが掲載したが、これは何か月も明らかだったことを裏付けるものだ。イスラエルが殺害している人数を追跡するインフラがガザ保健省にないのだ。これはイスラエル軍の猛攻による公式死者数が、ほぼ確実に大幅に過少集計されていることを意味する。
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「皆さん、大学キャンパスでのヘイトスピーチを私は心から懸念している」と褐色肌外国人の大量殺害を推進して経歴を築いたこの男は、あらゆる機会に語った。
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https://t.co/pz95epfOI5 pic.twitter.com/KOGWAAhw88
— Caitlin Johnstone (@caitoz) May 1, 2024
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新しい軍事基地を建設する際に、アメリカ戦争機構が、現地の動植物を不都合な障害物とみなしたり、海軍のソナー探査が鯨の聴力を損傷したり死亡させたりすることに対する国民の懸念から、クジラを不都合な障害物とみなしたりするのと同様に、パレスチナ人のことを中東における軍事計画にとって不都合な障害物とみなしているのだ。パレスチナ人は帝国戦争機構の邪魔をする迷惑な在来動物としてしか見なされておらず、連中は迷惑な連中が完全排除されるのを喜んでいるはずだ。
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トランプの方がバイデンより酷いと主張するため、ガザでの虐殺を支持するより1月6日の事件は悪かったと複数のバイデン支持者が本気で私に言った。主流リベラル世界観は皆様の内面をひどくねじ曲げ、パレスチナ人を人間として見ることさえできなくする。
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トランプ政権下で起きるとアメリカ人が警告されたことの全てがバイデン政権下でも起きるはずだ。これに対して民主党が唯一反論できるのは「そう、トランプ政権下では全てもっと酷かったはずだ」というものだが、この主張は(A)文字通り何も根拠がなく、(B)完全に反証不可能だ。
以前も述べた通り、ここでの教訓は、トランプがバイデンより優れているとか、共和党を支持すべきだということではない。誰に投票しても、アメリカ国内では権威主義が台頭し、海外では戦争や軍拡主義や瀬戸際政策が台頭するのだから、この体制は廃止しなければならないというのが教訓なのだ。
起きていることを見て誰に投票すべきかあれこれ議論していると現実に起きている教訓を完全に見逃すことになる。つまり、この体制は、残忍な専制帝国主義者だけに皆様が投票するよう操作されているので、皆様が誰に投票するかは問題ではないのだ。この体制は普通の人でなく、金権政治家や帝国経営者の権益に奉仕する。皆様を現状維持政治の枠組みに閉じ込め、ゼネストや革命思想の醸成や強力な革命派の出現や直接行動など実際の変化をもたらす可能性がある手段に目を向けるのを阻止するため、皆様が誰に票を投じるべきかという議論は、まさに金権政治家や帝国経営者連中が皆様に望んでいることだ。
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画像はアメリカ中央軍CENTCOMより。
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/05/03/the-bizarre-gymnastics-of-the-gaza-aid-pier/
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Alex Christoforou YouTube PoliticoのNuland記事紹介。ロシア、ハリコフ攻撃開始
Russia; Kharkov strategic ambiguity. F16s will capture Crimea. Nuland hints at return. Swiss win 38:30
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
随想⑳随想⑲幸せになる方法―約80年間のハーバード大学の幸せの追跡調査、「驚くべき発見は、私達の人間関係とその関係における幸福度が私達の健康に大きな影響を与えていること」「体のケアは大切ですが、人間関係に気を配ることもセルフケアの一種」「お金や名声よりも親密な人間関係」
「習近平国家主席の欧州外遊! セルビア、ハンガリーは、中露の橋頭堡となるのか? フランスは米中どちらに与するのか!?」
<IWJ取材報告 1>「市民を戦争体制に動員する法改悪が、国会に出されている!」「憲法を逸脱し、自衛隊員を戦争で犠牲にすることを米国と約束してよいと、いつ岸田首相に委任したのか!?」~5.3 武力で平和はつくれない!とりもどそう憲法いかす政治を~2024 憲法大集会
<IWJ取材報告 2>ガザ停戦の申し入れ書をイスラエル大使館に渡す予定が、警察に阻まれ果たせず!「なぜイスラエル大使館に忖度するのか?」~5.1反戦メーデー・イスラエル大使館前行動
<IWJ取材報告 3>日本平和委員会が憲法記念日の5月3日に、渋谷・ハチ公前広場と、大阪、愛知で、若者100人を対象に憲法アンケートを実施! IWJの独自取材に「憲法は権力者や公務員が守るもの」と正しく答えた若者はゼロ!~「5・3若者100人に聞く憲法アンケート」の取材
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