イランとサウジアラビア - 東を見据えた共通の未来
2024年4月17日
Moon of Alabama
2023年3月、イランとサウジアラビアは国交を回復した。この合意には中国が仲介していた。
私は当時こう述べた。
これはすごい!
...
サウジアラビアとイランの関係回復により、多くの新しいことが可能になるだろう。イランとサウジアラビアが中国の仲介を受け入れたのは、世界政策上、中国の新たな立場を認めたことになる。それだけでもホワイトハウスがこの協定を嫌う十分な理由だ。
後に私は、中東における、この外交行動を、こう要約した。
過去30年間、アメリカは中東を自分の裏庭と考えていた。20年前、イラクに不法侵略し、10万人の死者と数十年にわたる混乱を引き起こした。今や中国は平和的手段によって、わずか1か月以内に中東の精力バランスを変えた。
...
現在、習とプーチンが多極世界の采配を振っている。バイデンと周囲の、あわれな「一極」連中は排除されている。
全てをペルシア語、アラビア語、英語に翻訳するAmwaj.mediaは、イランとサウジアラビアの二人の学者が書いたに記事を公開した。このような協力は希なことだ。この記事は、この二国の世界政策の半公式説明および/または構想と見なせる。
この記事は中東におけるアメリカの影響力喪失と中国の役割の台頭を裏付けている。
イスラエルの対ガザ戦争へのアメリカの揺るぎない支援は、この地域に悪い印象を与えている。イスラエルの継続的猛攻撃に対する欧米の二重基準と見なされるものに対して、アラブ世界だけでなく、グローバル・サウス全域で怒りが高まっている。一致した停戦要求と、歯止めの利かないイスラエル侵略と見なされているものに対する鋭い批判がある。
...
近年の地域力学の主な傾向の一つは東方への方向転換だ。イランとサウジアラビアは2023年3月、中国の仲介による歴史的協定で外交関係を再開する協定を結び、この変化を浮き彫りにした。特に、この飛躍的進展における中国の役割は、アメリカがこの地域における唯一の外交上の有力者ではないという明確なメッセージをワシントンに送った。イランもサウジアラビアも近隣諸国との関係改善を優先するそれぞれの理由がある。テヘランにとって、リヤドへの接近は、 経済的・政治的提携を多様化し、長年にわたるアメリカ制裁に耐えた後、経済的孤立から脱出する、またとない好機なのだ。 ...
サウジアラビアにとって、東に目を向けることは、経済の多角化を目的とした広範な改革計画である野心的なビジョン2030の一環だ。リヤドとの広範な貿易関係を考慮すると、中国、インド、ロシアはこのビジョンを実現するための重要パートナーだ。 [...]全体として、ビジョン2030の成功、特に観光面での成功は、地域の安全性に部分的に依存していることをリヤドは理解している。2019年のサウジアラビア石油施設への攻撃はイラン政府の仕業とされたが、フーシ派として知られるイエメンのアンサール・アッラーが実行を主張して、転機となった。
アメリカによる行動の欠如にサウジアラビア王国は衝撃を受けた
アラブ諸国とイスラエルを反イラン連合に結集させるアメリカの計画は、アメリカが二国家解決を追求するようイスラエルに圧力をかけなかったため拒否されたと学者らは書いている。
その結果
この地域諸国内で安全保障パートナーとしての地位をアメリカは失いつつある。多くの人々にとって、イスラエルに対する欧米諸国の本格的支援は理解不能で、諸国の安全を危険にさらす。
全体として、アジアに軸足を移すことが、アメリカ覇権に対抗しようとする地域諸国にとって魅力的な選択肢になっている。非欧米諸国は ワシントンのゲーム・ルールに従うのにあまり積極的ではなく、特に主要諸国が互いに違いより類似点を見いだす中、この傾向は地域内関係を一層強化するだろう。
アメリカの二重基準に対する認識は新しいものではないが、世界秩序が変化しつつある中、これに異議を唱える非欧米諸国の意欲が高まっている。以前は、アメリカが唯一の超大国とみなされていたために地域諸国は現状を黙認していた。しかし東側での新たな世界大国の台頭により、ロシアの対ウクライナ戦争に関するアメリカの道徳的主張を受動的に受け入れながら、ガザの苦しみについて沈黙を守る理由はないと、これら諸国は考えている。現在の傾向が続けば、この地域において長年支配的だった欧米の影響力は減少するだろう。
これは、サウジ・イスラエル合意を仲介することで、イランを孤立させることが可能だと未だに夢想しているバイデン政権にとって、かなり痛手だ。
アメリカが中東に対して独裁できる時代は確実に終わった。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/04/iran-and-saudi-arabia-see-their-common-future-in-the-east.html
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属国大本営広報部洗脳テレビで御用評論家のホラ話を聞く暇をお持ちなら、例えばマグレガー氏の評論を聞いて頂きたい。
Douglas MacGregor's Warning: U.S. Arms Production in Peril—The Unseen Shockwaves in Ukraine! 11:41
長周新聞
今朝の孫崎享氏のメルマガ題名
随想⑰花を愛でる:経済学者・金森久雄氏の言葉、1990年代ロシア経済どん底の時ロシア経済視察に出かけた。ハバロフスクで物資がない時、人々は花を買うため長い行列。これを見て金森氏は「花を愛する国民なら経済は必ず立ち直る」現にその通りになった。
「世界史上最大規模のインド総選挙は、モディ首相と、与党の優位が報じられる一方、野党に対する弾圧、イスラム教徒への差別・迫害疑惑も!」
はじめに~インドで、10億人近い有権者による世界史上最大規模の総選挙が始まった! インド選管は「世界最大の民主主義の祭典」と自賛! 現政権であるモディ首相と、「ヒンドゥー至上主義」「ヒンドゥー教ナショナリズム」を掲げて、インド国民の8割を占めるヒンドゥー教徒を取り込んだ与党・インド人民党の優位が報じられる! 他方、野党に対する弾圧、イスラム教徒への差別・迫害疑惑も! イスラム憎悪のために、シオニスト・イスラエルを支持! アーリア人の優越性を主張し、英国と対立したナチスとヒトラーに今も共感! ガンジー、ネルーの流れを汲む名門インド国民会議のラーフル・ガンジー氏は、もはや最後の灯火か?
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