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2024年4月20日 (土)

イランを攻撃する以外「選択肢はない」というイスラエル最新の嘘

 現状、イスラエルもアメリカも無力なふりをしているが、実際は両国とも無力とは程遠い。二人の強盗が誰かを強盗する準備をしながら「このひどい強盗を止めるため何かできたらなあ!」と言うようなものだ。

 ケイトリン・ジョンストン

 この英語記事の朗読を聞く (ティム・フォーリーによる朗読)。

 「ミサイル攻撃したイランに報復すると誓うイスラエル」と題する記事で、対在ダマスカス、イラン大使の館破壊的爆撃への反撃として、イランがイスラエルを攻撃したことに対し、反撃する以外「選択肢はない」とアメリカ国防相にイスラエル国防相が伝えたとAxiosが報じた。

 「週末イランが発射した未曾有のミサイルとドローン攻撃に反撃する以外、イスラエルに選択肢はないと、日曜に、イスラエルのヨブ・ギャラント国防大臣がロイド・オースティン国防長官に語った」と匿名アメリカ当局者と別の匿名情報筋の話としてAxiosが報じた。

 イスラエルは過去6か月、毎日大規模な嘘を吐き続けてきたが、今回の巨大な嘘は最終的に最も重大な嘘となる可能性がある。

 明らかに、極端な侵略行為で始めた紛争を激化させ続けるかどうかの選択肢がイスラエルにはある。この詐欺的なアパルトヘイト民族国家は、毎日毎分犠牲者として泣くのに慣れており、自らの意識的決定の犠牲者であるふりさえする。

 Twitterでジェイソン・ヒッケル教授が述べた通り「イスラエルが報復する必要は*ない*ことを人々は理解する必要がある。今回のイランの行動は16人が死亡しウィーン条約に違反したイスラエルによる総領事館爆撃に対する意図をしらせる報復だった。現在イランはこの問題は解決済みと考えると述べている。イスラエルは緊張緩和せねばならない。」

 イランに対しイスラエルが新たな攻撃を開始した場合、イランの反撃は12日間の猶予期間ではなく、即座に行われ、イスラエルの被害を最小限に抑えるべく近隣諸国とアメリカにテヘランは72時間前に警告を与えるとイランのアリ・バゲリ外務次官は明言した

 予想通り、こうした全てに対し、受け身の目撃者のふりをする、いつものインチキなおはこをバイデン政権はやっており、ホワイトハウスは「イスラエルが何を決断するか静観するつもりだ」と国家安全保障報道官ジョン・カービーは報道陣に語った。

 しかし、カービー発言について外交政策専門家タリク・ケニー・シャワが指摘した通り「イスラエルはアメリカが供給する兵器を使用し、地域全体で米軍と連携する必要があり、イランが反撃した場合、ミサイル防衛でアメリカに依存することになる」。したがって、アメリカがイスラエルと共に攻撃を積極的に計画しない事実は、基本的レベルでアメリカが攻撃に関与しないという意味ではない。

 イスラエル攻撃がエスカレートするとしたら、それはワシントンが許可したためだ。イスラエルがイランを攻撃したら、高価なアメリカ武器供給と国防総省支援を即座に失うぞとアメリカがイスラエルに通告すれば、実際攻撃を進めるか否かに関し選択の余地があることにイスラエルは即座に気づくはずだ。

 「ネタニヤフはイランとの戦争を望んでいる。バイデンは、それを阻止できる。」というForeign Policy記事で、イスラエルに対するバイデンの無条件支持は、長年のアメリカ政策の継続だとよく言われるが、実際は標準からのかなり劇的脱却だったとクインシー研究所のトリタ・パルシは主張している。レーガン大統領やブッシュ大統領親子やオバマ大統領などの大統領は、この地域におけるアメリカの権益を推進するため必要だと判断した時には、いつでも、イスラエルに圧力をかけるのをためらわなかった。無条件支援を与えて、テルアビブにやりたいことをやらせる、この新政策は、実はホワイトハウスでは未曾有のことだ。

 現状、イスラエルもアメリカも無力なふりをしているが、実際は両国とも無力とは程遠い。二人の強盗が誰かを強盗する準備をしながら「このひどい強盗を止めるため何かできたらなあ!」と言うようなものだ。

 極めて強力な軍との間の恐ろしい戦争に向けて加速しないことをイスラエルは絶対に選択可能で、ブレーキをかけることをアメリカは絶対に選択可能だ。どちらもそうしない事実は、人間の血に支えられている地球規模帝国下で生きている様子そのものだ。

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 画像はアドビ・ストックから。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/04/16/israels-latest-lie-is-that-it-has-no-choice-but-to-attack-iran/

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 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

イスラエル・イラン間大変に緊張。こうした中、イラン、イスラエル、米国が何を考え、どの様に行動しているかを知ることは極めて重要。その中、イラン総領事館別館攻撃からイランのイスラエル攻撃までの間、三者がどの様な考えでどう行動したかを記録する貴重な米国記事内容紹介。

 日刊IWJガイド

「米国・国際社会の反対をふりきって、イスラエルがイランのイスファハンに報復攻撃! イランの極超音速ミサイルがゲームチェンジャーに!」

はじめに~米国を含めた国際社会の反対をふりきって、イスラエルがイランのイスファハンに報復攻撃! イスラエルの極右閣僚の1人、ベン-グヴィル国家安全保障相が「しょぼい!」と『X』に投稿するほどしょぼい攻撃! イスファハンにはイランの核施設があり、一種の警告か!? それとも国内向けパフォーマンスか!? 一方、イランは、イスラエルや米国では迎撃不可能な極超音速ミサイル「ファタ2」を、いつでも、イスラエルの各施設に撃ち込むことができる! イランとイスラエルの形勢は、ここへきて、大きく逆転!

元側近の小島敏郎氏による『文藝春秋』の手記で再浮上した小池百合子都知事の学歴詐称疑惑!【後編】2020年の都知事選出馬直前に駐日エジプト大使館のフェイスブックに掲載された「カイロ大学声明」は、日本人の元ジャーナリストが原案を書き、小池氏や現千代田区長の樋口高顕氏らが関与した、学歴詐称疑惑の隠蔽工作だった!! 小池知事は記者会見で記者の質問をはぐらかし続け、隠蔽工作への関与について答えず! 小島氏はFCCJでの記者会見で、「2020年の都知事選での経歴詐称は時効が成立したが、次の選挙で『カイロ大卒』と書けば、刑事告発の要件が整う」と表明!

本日のニュースの一撃

【第1弾! 国連安全保障理事会で、パレスチナの国連加盟に、米国が唯一、反対! 米国は拒否権を発動して、申請を阻止! ロシアのワシリー・ネベンザ大使は、米国による拒否権発動は孤立した動きだと批判、イスラエル大使の発言にアラブ諸国の代表団は退席!】(『AP』19日ほか)「二国家解決」を支持すると言い続けてきた米国の欺瞞が露わに! 嘘ばかりついて、ダブル・スタンダードを貫く米国とイスラエルの「本音」は、結局、イスラエル国家のみの建国しか認めないゴリゴリのシオニスト! 国際社会で両国を信じる国家はほとんどいない!!

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