進む欧米の火砲能力の弱体化
2024年3月26日
Brian Berletic
New Eastern Outlook
何十年にもわたり、貧乏な軍隊や常備軍を全く持たない貧しい国々に戦争を仕掛けてきたアメリカは、突如、同等か同等に近い競争相手が軍事力でアメリカを凌駕する急激に変化する世界にいるのに気がついた。これら能力の多くは、最近までアメリカが相対的な軍事的優位を享受してきた場所の戦場に現れている。
アメリカが特に苦手とする分野の一つは大砲だ。ウクライナでの紛争は、アメリカの火砲能力だけでなく、西欧諸国の火砲能力に関する様々な欠点を露呈した。
アメリカ陸軍の「長距離砲」(ERCA)試作機が最近キャンセルされたのは、アメリカ政府が遥かに後れをとっているというワシントンの認識を反映した、いくつかの出来事の中で、ごく最近の出来事に過ぎない。
2024年3月12日付の「米陸軍、拡張射程砲試作の取り組みを中止」と題する記事で、Defense Newsは次のように述べている。
米陸軍は、長距離砲の能力を獲得する方法を変更し、58口径の拡張射程砲の試作作業を中止した。
3月8日の2025年度予算要求に関する要旨説明で「我々は昨年秋、プロトタイピング活動を終了した」と、ダグ・ブッシュは記者団に語った。「残念ながら、直ちに生産に入るほどの成功を収めることはできなかった」。
新しい計画は、陸軍未来司令部が主導する長距離大砲要件の再検討を目的とした「徹底的」戦術射撃研究に続くもので、この夏に産業界の既存選択肢を評価し「これらシステムの成熟度を把握する」ことだ。
試作機は、欧米諸国がウクライナに供与した火砲システムが抱えている「比較的少ない弾数を発射した後の砲管の過度摩耗」という問題の多くに悩まされ始めた。
比較的最近まで、欧米の火砲システムは、歩兵を支援する非正規過激派部隊を標的とする射撃任務の一環として、比較的少ない数の弾丸を発射するだけだった。これら任務は、過激派が使用する小火器の届かない静的な基地から行われる。これら射撃基地は、弾薬と保守の両面で砲兵隊員を支援できる十分に発達した兵站網の末端に存在していた。
これは、ウクライナで見られる激しい陣地戦と全く対照的で、銃身が変形し始め、精度を失い、場合によっては火砲を傷つけたり殺したりする可能性がある爆発を含む射撃で、砲は連日連続発砲される。対火砲作戦の激しさは、砲兵隊が標的にならずに、前線近くで簡単に修理を行うことができないことを意味する。
現代の欧米大砲は、この発射速度を満たすようには設計されておらず、特に十分保護された兵站線がもはや存在しないこの種の戦闘環境でうまく機能するようには設計されていない。
欠陥のある解決策を探す
別のDifence News記事「アメリカ陸軍、ウクライナでの戦争に拍車をかける新たな火砲戦略を準備」は、欧米火砲システムの明らかな欠陥に対処するため、アメリカが取ろうとしている方向性を示している。
記事は特に中距離砲で長距離砲と同等の射程を撃つのを可能にする「推進剤」の進歩を指摘した。また軍需品の自動装填装置という形の「ロボット工学」も論じている。
ところが、どちらの手法も、冷戦以来、アメリカとNATO同盟諸国が進めてきたのと同じ誤った方向、つまりロシアと中国の武器と弾薬の量に対する技術的優位性を利用しようとする過剰設計されたシステムに向かっているように見える。この手法の問題点は、欧米の軍事技術とロシアや中国の軍事技術間に大きな格差がもはや存在しないことだ。
両国とも、高品質の兵器システムを大量に生産する能力がある。
さらに、ウクライナで見られるように、ロシアは、ロシア自身の火砲システムの射程を遙かに超えて、欧米の火砲システムを発見し、攻撃できるランセット神風ドローンのような長距離対火砲能力を構築している。正確で長射程の大砲を保有したからといって、ロシアや中国とのあり得る紛争で、アメリカが考えているような優位性は得られない。
ロシア、中国両国は、これら兵器を世界中の他の国々に益々輸出しており、欧米諸国による軍事侵略の潜在的標的数を制限していることに留意すべきだ。
根本的に欠陥があるアメリカの考え方
ワシントンの問題は、目的や性能より利益を優先し、大量の単純だが効果的な装備より、少数の高価な兵器システムを好む、民間産業が支配する軍産基盤に起因している。
ERCAプロトタイプを放棄した後、現在米陸軍はイスラエルのエルビット・システムズ自律型トラック搭載兵器システム(ATMOS)アイアン・セイバーなどの既存システムや、イギリスのBAE、フランスのネクスターなどが製造したシステムを調査している。
例えば、イスラエルのATMOS自走砲システムは世界中の国々に運用されているが、その数は一桁から二桁だ。
これら全てのシステムに共通する問題は、大規模生産が不可能な小規模生産能力によって生み出される過剰設計された技術への依存だ。ウクライナの戦場で示された需要を満たすために必要な大量の弾薬供給にも同様の不足がある。例えば、2024年3月11日の記事で、ロシアだけで、アメリカと欧州を合計したものの少なくとも三倍の大砲弾薬を生産しているとCNNは指摘している。
米陸軍の進行中計画の一環として行われた追加改善を含め、これらシステムのいずれかがどれほど有能でも、それぞれの軍産基盤が、現在のウクライナのように、将来の戦場から失われるより早く、それらを置き換えられなければ、その能力は、あり得る紛争の最終結果にほとんど違いをもたらすまい。
技術格差が縮まるにつれ、現代の戦争は変化しており、一握りの高性能で保守の行き届いたシステムは、戦場で、もはやアメリカと同盟諸国に優位をもたらさないことを意味する。中東でさえ、現地の過激派は無人機や精密誘導ロケット弾を使って、アメリカが交換するより早く、アメリカ軍装備品を消耗させている。これまでのところ、これらの例はごく僅かで、ごくまれだ。もし、アメリカとイランとイランの多くの同盟諸国間で大規模紛争が勃発すれば、アメリカの能力はたちまち消耗し、アメリカ軍に作戦上の危機を引き起こすだろう。
この現実がはっきり現れているにもかかわらず、いまだに、アメリカの優れたイノベーションと、想定される優位性をアメリカに与える上で民間産業が果たす役割という神話にアメリカの計画立案者連中はしがみついている。
最近のアメリカ国防産業戦略(NDIS)報告書は、現在のアメリカ軍需産業基盤の様々な欠点を指摘し、その多くが民間企業に起因していると認めているが、民間産業は問題の原因ではなく、解決策の一部だと主張している。
アメリカの軍産基盤は、ワシントンが奉仕する民間産業に支配されているので、実際の能力ではなく、産業の利益が最優先事項のままなのだ。この方程式が続く限り、アメリカは、そもそも、これら問題を生み出しているのと同じ欠陥のある考え方を適用することによって、新たな問題を解決しようと試み続けるだろう。
Brian Berleticは、バンコクを本拠とする地政学研究者、著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2024/03/26/the-growing-weakness-of-western-artillery-capabilities/
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再選めざす緑のタヌキ。野球通訳どころではない学歴詐称タレントを支持する人々の考え、全くわからない。
ジャーナリストの横田一氏、彼女から「排除します」発言を引き出す偉業後、一度も指名されず記者会見からも排除されている。
つまり彼以外のマスコミを名乗るTVや新聞=大本営広報部大政翼賛洗脳機関も速記者全員も忖度記事で生活している。ウソ・メディア。
デモクラシータイムス
【横田一の現場直撃 No.261】◆危ない万博メタンガス ◆排除小池 乙武擁立 ◆シールド工法 下水道も立往生 20240401 1:07:05
マグレガー氏YouTubeを字幕付きで流してくれる番組、現れないものか?
Douglas Macgregor Reveals: US-Ukraine's Dire Fate - Global Power Play & the Future of Geopolitics 22:52
今朝の孫崎享氏ルマガ題名
中国は本年経済成長を5%の目標。西側の多くは懐疑的。中国首相も目標は厳しいと発言。3月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.8と、1年ぶりの高水準。活動拡大・縮小の境目は50。輸出1-2月前年同期比7.1%増、FT「ここ数週間で安定化の兆しを見せている。」
「4月3日になりました! 今後も目標未達となると、IWJは活動できなくなるかもしれません! ご支援をお願い申し上げます!」
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【第4弾! イスラエル国防軍がガザ地区最大のアル・シファ病院でのハマス掃討作戦が終了し、撤退したと発表! 何の証拠も示さず、約900人を拘束、そのうち500人以上がテロ工作員、200人以上を殺害したと明らかに!!】残されたのは廃墟となった病院と、放置され腐敗した死体の山!(『タイムズ・オブ・イスラエル』、2024年4月1日)
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