ウクライナ状況報告:防衛線欠如のため撤退継続
2024年3月2日
Moon of Alabama
2月17日、アウデーエフカのウクライナ軍部隊が陣地を離脱し始めた後、ウクライナ軍最高司令官シルスキ将軍が新たな防衛線への撤退を発表した。
「アウディーイウカ周辺の作戦状況に基づき、包囲を回避し、兵士の命と健康を守るため、部隊を市から撤退させ、より有利な防衛線に移行すると決定した」とシルスキーは述べた。
ウクライナ兵が尊厳を持って義務を果たし、最高のロシア軍部隊を破壊するため最善を尽くし、敵に人的資源と装備の大きな損失を与えたことを彼は強調した。
「軍人の命は最高に貴重だ。いずれにせよ我々はアウディーイウカを取り戻す」と司令官は付け加えた。
既に予測していた通り、シルスキが推進した「より有利な路線」は存在しないことが判明した。
2月17日、シルスキが撤退を発表した同日、既に新防衛線の欠如をストラナは報じていた(機械翻訳)。
この戦争を記録しているウクライナ人写真家コンスタンチンとヴラダ・リベロフは、ロシア軍がウクライナ軍の防衛を突破しようとするのがアウディーイウカの次はどのウクライナの都市か疑問に思っている。
彼らはこれをInstagramで報告している。
「すると次の「要塞」は何か - ポクロフスク? それともコンスタンチノフカ?」とリベロフは書きアウディーイウカに第二防衛線がないためウクライナ軍司令部を批判した。
「第2防衛線はどこにある? ディープステートの地図を見ると、街のあちこちに「爪」ができ始めたのは、ほぼ1年前だ。それは確かに驚くことではなかった。では、第2の防衛線はどこにあるのか?」リベロフは自問自答する。
「軍がザポリージャ反攻のための武器を待つ間に、敵は野原を通り抜け、塹壕をコンクリートで固め、地下都市全体を建設した...なぜアウディーイウカで同じことをしなかったのか? 更に、敵兵力を枯渇させるのを目的としたやみくもな防御は我々の公式戦略のようなものだ。
他の人々も、この意見に同意した(機械翻訳)。
アウディーイウカの西側では、ウクライナ軍に重要な防衛線は構築されておらず、ロシア軍は前進を続けている。
これは、検閲の編集長ユーリ・ブトゥソフが、この地域を訪れた後発表したものだ。
「言葉がない。ギャップ:キエフで、最高司令官が色々言っているが、前線では全く違うことが起きている。私が言いたいのは、今のところ、アウディーイウカの向こうに要塞の野戦線が建設されていないことだ。野原の真ん中にある塹壕にいる兵士をロシア無人機が攻撃するのを見た」とブトゥソフは語った。
彼によると、過去の失敗から結論は出ていない。
「政府が、少なくとも基本的後方防衛線を建設する建設業者を見つけられず、近代的な機器、無人機、センサー、通信を維持する技術者を見つけられず、弾薬を生産する労働者や技術者を見つけられなければ、攻撃機が足りなくなることはない」と、ジャーナリストは付け加えた。
政府は、防衛線を建設するため地方自治体に資金を割り当てたと主張した。しかし、そのような資金は、最初の要塞化が終わる前に、常に流出してしまうようだ。
真面目な組織の欠如と無能さが、この状況に拍車をかけている(機械翻訳)。
ウクライナ東部に要塞化された塹壕がないのは、ウクライナ軍工兵隊のせいだ。
これはコルセアというニックネームの軍事技術者がソーシャルネットワークXで述べた。
彼の一連の投稿で述べられている通り、旅団の技術部門責任者は「前もって計画を立てる方法を知らず、時間通りに要求を提出しない」。
「ある場所に着いたとき、私には地図も適切な根拠もありません。原則として「その切り株から植えるまで掘る必要がある」と言います。しかし、それはそれがどのように機能するかではありません。防備は堅固であるべきだ」とコルサールは書いている。
彼によると、工兵は木材やコンクリートも持っていない、なぜなら「旅団にはこれを主張する意志がなく、AHS(作戦戦術集団-編者)は資金がない」
建設機械の場合、企業と契約を結ぶ必要があるが、誰もこれをしていない。
アウデーエフカを失って以来、ウクライナ軍は何度も何度も後退しなければならなかった。防御に使える天然障壁はなく、裸地に防衛線を構築する装備や資材もない。
今日、ニューヨーク・タイムズさえ、このことに注目した。
驚くほど脆弱なウクライナ防衛がロシア前進を後押し(アーカイブ) - New York Times、2024年3月2日
ウクライナ東部の都市アウディーイウカの外で、ロシア軍は小さいながら急速な前進を続けているが、これはウクライナ軍の弾薬減少と西側諸国の支援減少が一因だ。
だがクレムリン軍がこの地域に進軍しているもう一つの理由はウクライナ防御力の弱さだ。
ウクライナが守ろうとしているアウディーイウカの西側地域には、まばらで初歩的塹壕線が点在していることが商業衛星会社プラネット・ラボ(Planet Labs)によるタイムズ紙画像レビューで明らかになった。これら塹壕線には、ロシア軍戦車の動きを鈍らせ、主要道路や重要な地形を守るのに役立つ追加要塞の多くが欠如している。
アウディーイウカは過去9ヶ月間、激しい膠着状態となり、この戦争で最も血なまぐさい戦いの一つとして浮上した。ロシアが2月17日に同市を制圧し、昨年5月以来の大きな成果を上げた際、ウクライナ軍は市外に防衛線を確保したと主張した。
しかし、ロシア軍は1週間の間にアウディーイウカの西にある3つの村を占領し、少なくとももう1つの村で戦っている。
アウディーイウカ 2024年2月17日
アウディーイウカ 2024年3月2日
上記地図が複写した親ウクライナのライブUAマップは完全に最新ではない。オルリフカという町は、いまだウクライナのものとして描かれているが既にロシアの手中にある。
防衛に役立つ可能性のある次の地理的特徴は、オルリフカの西12キロにある南北の川と貯水池の境界線だ。その間には、本格的防御のための準備は何もなかった。これは、本格的な攻撃者に対して保持することはできない。
ウクライナ軍司令官たちには、アウディーイウカ郊外の防衛を準備する十分な時間があった。この地域は2014年から攻撃を受けており、2年前にロシアが全面侵攻を開始して以来、ウクライナは手薄な支配力を維持している。
だがアウディーイウカ郊外のウクライナ軍防衛線は初歩的な土の要塞で、歩兵部隊が敵に最も近い射撃位置に到達するための塹壕が設けられていることが多いが、それ以外ほとんどない。
しかし、それを認め、川の境界線まで後退する代わりに、ウクライナ軍司令部は、既に崩壊しつつある防衛線に再び予備兵力を投入している。
フラブスキーによると、ロシアは現在、ウクライナ軍を執拗に砲撃し、数百トンの爆薬を搭載し、十分に準備された要塞も破壊できる強力な滑空爆弾などでウクライナ軍の防御強化を阻止しているという。
「これら防衛線の質は、ロシア軍による大規模ブルドーザー戦術に抵抗するのに十分ではない」とフラブスキーは述べた。
ウクライナでの戦争を巡る欧米の政治騒動は、ロシアがこの戦いに勝つことが確実だという事実を認めたものだ。私はそれによって深刻な結果が来るとは思わない。
辞任が始まるまでには、あと数週間議論が必要だ。
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