アーロン・ブッシュネルの死を自殺と呼ぶのは適切ではない
自殺の場合、私たちが慣習的に理解している通り、死が目的だ。それ自体が手段で、目的でもある。ブッシュネルの焼身自殺は、パレスチナ解放と進行中の大量虐殺停止という、まったく違う目的のための手段だった。
ケイトリン・ジョンストン
2024年3月3日
ガザでのイスラエル政府の大量虐殺を助長したことに抗議して「パレスチナを解放せよ」と叫びながら、イスラエル大使館前で焼身自殺したアメリカ空軍士官アーロン・ブッシュネルの友人の深く感動的なインタビューがデモクラシー・ナウにある。
ブッシュネルの友人で良心的兵役拒否者のリーバイ・ピアポントは、2020年にテキサス州空軍基地での基礎訓練中にブッシュネルと出会った。インタビューを見れば、なぜ二人がうまが合ったのかすぐわかる。ピアポントは、ブッシュネルが最後の映像で見せたのと同じ優しく穏やかな雰囲気を漂わせており、世界で最も殺人的で破壊的な軍隊の隊員を思うい際に思い浮かべるものとは大きく異なる。二人ともそこには属さず、それぞれのやり方で出口を取った。
インタビュー終盤、デモクラシー・ナウ長年の司会者エイミー・グッドマンがピアポントに質問し、強調し熟考する価値がある答えを導き出した。
「アーロンはこれを自殺と表現したでしょうか?」ピアポントにグッドマンは尋ねた。
「いえ、絶対違います」とピアポントは答え「彼は自殺を考えていなかった。彼は公正な考えだった。これはその問題だった。彼の人生の問題ではなかった。彼の人生を使ってメッセージを送るのが狙いだった」
Levi Pierpont was friends with Aaron Bushnell, the U.S. airman who died after setting himself on fire outside the Israeli embassy in Washington on Sunday to protest the war on Gaza. He describes Bushnell as “just a really sweet person” who had a "strong sense of justice." pic.twitter.com/yA5gNb7Ji6
— Democracy Now! (@democracynow) February 28, 2024
というのも、アーロン・ブッシュネルがしたことや、それが我々の集合意識に与える影響が明らかになるや否や、彼の抗議行動行為を病理化し、本質と全く別物として説明しようとして狂ったように殺到したためだ。「ブッシュネルの行為がアメリカやイスラエルの情報権益に与えた損害を軽減しようと必死になったイスラエル擁護論者から自殺賛美」という表現が何度も何度も出され、ブッシュネルが精神病で自殺願望があったと悪意で行動する世論歪曲専門家が説明するのを私たちは常に見てきた。
ブッシュネルがしたことは「自殺」という言葉を聞いて人々が思い浮かべるものではない。自殺を抑止するため自殺防止ホットラインが設置されるようなものではない。それを防ぐために精神衛生医院が作られるようなものではない。「自殺眼胞」という言葉が意味するものではない。
誰かに自殺願望があると言う際は、その人がもう生きていたくなく、その結果をもたらす計画を立てている最中だと言っているのだ。どんな方法であれ、どんな理由であれ、彼らが自殺したいのは生きるのが辛いからだ。
だが、アーロン・ブッシュネルに起きたことは、そうではない。彼が精神的に不調だったり、積極的大量虐殺を支援する戦争機構の一員だという道徳的困惑によって彼が耐えられる以上の心理的ストレスを受けていたりした兆候はない。彼の内面の状態について、我々が入手できる情報から言えるのは、ブッシュネルは生き続けることに完全に満足していたはでなのだ。彼は自分の命より、平和と正義を優先したのだ。彼には、他人の命を救おうとして亡くなる救助隊員以上の自殺願望はなかった。
自殺の場合、私たちが慣習的に理解している通り、死が目的だ。それ自体手段で、目的でもある。ブッシュネルの焼身自殺は、パレスチナの解放と進行中の大量虐殺の停止という、まったく異なる目的のための手段だった。
このような行為は、生き続けるのに耐えられないため自殺する人々とは一括りにできない。それは、あらゆる意味のある点で違っている。体験の仕方が違う。社会として、我々がどう捉えるべきかが違う。目的が違う。影響が違う。自殺の一般的な理解と共通しているのは、自殺が自分の手によって引き起こされたことだけだ。
定義について屁理屈をこねたり衒学的言葉遊びをしたりするのは好きではない。アーロン・ブッシュネルがしたことを説明したい人は、技術辞書の定義に従った自殺だったと反論するだろうし、そうすることで、自分が感じたいと同じだけ正しいと感じることができる。私がここで言いたいのは、彼らがこの文脈で、その言葉を使い続けているのは、真理と理解を助長しないように悪意を持ってそうしているのだ。真実や理解を大いに助長するのは、彼自身呼んだ通り、ブッシュネルがしたことを、極端な抗議行為と呼ぶことだろう。
ここ数日、私の頭の中でガラガラ音を立てている1980年にエルサルバドルでアメリカが支援する暗殺部隊にレイプされ殺害されたアメリカ人カトリック修道女イタ・フォードIta Fordの言葉を書いておこう。
「人生に深い意味を与えるものを見つけてほしい。生きる価値のあるもの、もしかしたら死ぬ価値のあるもの。あなたに活力を与え、あなたを熱狂させ、あなたが前進し続けるのを可能にする何かを。それが何かは言えないが、それはあなたが見つけ、選び、愛するためのものだ。私はただ探し始めるようあなたを奨励し、探索をお手伝いできる。」
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画像はElvert Barnesから (CC BY-SA 2.0)
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東京新聞 朝刊
殺傷兵器輸出拡大へ転換
次期戦闘機で自公合意
国会関与ないまま。
閣議決定 歯止めにならぬ
Chris Hedges Report
Chris Hedges
2024/03/16
NHKの14日ニュース、イスラエルのガザ市民攻撃。Moon of Alabama記事を思い出す。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ロイター、独占スクープ、「トランプ大統領(当時)、中国に対するCIAの秘密影響力作戦を開始した」共産党員が不正に得た金を海外に隠しているという疑惑を宣伝し一帯一路構想は腐敗していて浪費的だと非難した、→これって日本の報道にそっくりじゃないか
「ウクライナと西側メディアの大嘘がバレた! IWJは筋を曲げず! ウクライナ軍がザポロージエ原発を攻撃する本当の理由を報道します!」
はじめに~ウクライナ軍が、ザポロージエ原発に対して砲撃! 14日、同原発のチェルヌク所長が認める! 同原発への攻撃は、ロシアからの攻撃とされてきた西側の発表は、全部ウソだった!!
【本日のニュースの一撃!】
【第1弾! ガザはイスラエルにとっては単なる「屠殺場」ではなく、未来の殺戮のための軍事ロボットの実験場でもある!】軍事ロボットの使用は民間人の犠牲者を抑制するどころか、激増させる懸念も指摘される中、米国企業とイスラエル軍が共同して、ガザで軍事ロボット実験を展開! イスラエルは「ロボット軍」公表から10年で武器輸出を2倍に拡大!(『ハアレツ』3日、ほか)
<IWJ取材報告>「裏金作りと脱税疑惑に対する国民の怒りの中、岸田政権はなぜウクライナへの国民の血税のばら撒きを止めないのか?」IWJ記者の質問に「国民に対し引き続き丁寧に説明をし、理解を得る努力を重ねていく」と上川大臣!!~3.15上川陽子 外務大臣 定例記者会見
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