北パレスチナにおけるエスカレーション
2024年2月14日
Moon of Alabama
イスラエル北部国境の状況はエスカレートしつつある。まもなく本格的戦争に発展する可能性が高い。この状況は、既に自らの悪行に対しイスラエルが支払わなければならない経済的代償を増大させている。
国際格付け機関ムーディーズがイスラエルの信用格付けを引き下げた。これはイスラエル国債利払いの増加を招くだろう。
ユダヤ教の安息日、土曜日まで発行されなかったが、先週金曜日付けの報告書で、ムーディーズはイスラエルの格付けをA1からA2に公式に引き下げ、今後更に格下げする可能性も付加した。ムーディーズに対し、英米マスコミは即座に反応した。
「イスラエル反撃」とフィナンシャル・タイムズは見出しを付けた。同紙は更に「(ベンヤミン・)ネタニヤフ首相は、ユダヤ教の安息日をめぐる珍しい声明でこう述べた。『格付け引き下げは経済とは関係なく、もっぱら我々が戦争状態にある事実によるものだ。戦争に勝った瞬間、評価は元に戻るし、我々戦争に勝つ』」AP通信報道では「ムーディーズの格下げをイスラエル財務大臣が非難」している。「ムーディーズの格下げにもかかわらず、イスラエルは強力な開放的経済だ」とルパート・マードックのメディア「フォックス」は主張した。ニューヨーク・タイムズ紙によると「イスラエルの信用力は依然高いが、格付け機関はイスラエルの見通しは否定的だと指摘した。A2の評価は依然高い評価だ。
更なる格下げにつながる可能性のあるいくつかの否定的な問題がある。
ムーディーズ・リポートによると「下振れリスクはA2の格付けレベルにとどまっている。特にイスラエル北部のヒズボラが関与するエスカレーションのリスクは残っており、ムーディーズの基本シナリオで現在想定されているより遙かに大きな悪影響を経済に与える可能性がある。そのようなシナリオでは、政府財政も、より強い圧力にさらされるだろう」と述べた。
ムーディーズ報告が出た直後、ヒズボラ指導者ハッサン・ナスラッラーは、イスラエルへの圧力を強めようとした。
ガザに対するシオニストの野蛮な戦争が終わるまで、ヒズボラはレバノン国境近くのイスラエル占領地に対する国境攻撃を続けるとヒズボラ書記長サイード・ハサン・ナスラッラーは繰り返した。
「ガザ攻撃が止めば南レバノンでの砲撃は止む」とサイード・ナスラッラーは述べた。
...
ガザ停戦後も、イスラエル国防軍は南レバノン侵略を止めないという発言でのシオニストのヨアブ・ギャラント国防相による最近の恫喝に対し、ヒズボラは攻撃を続けるとヒズボラ書記長は発言した。「ガザに対する戦争が終われば、我々は攻撃をやめる。敵が敵対行為を再開すれば、我々は規則と公式に照らして行動する」。
ヒズボラ軍を撤退させ、停戦させるというレバノン政府経由の西側諸国要求をナスラッラーは拒否した。
敵を抑止しレバノン攻撃を阻止するのはヒズボラの義務で責任だとサイード・ナスラッラーは断言し、レジスタンスの対応は相応ながら効果的かつ生産的だと付け加えた。
事態がエスカレートした場合、既に北部から避難を余儀なくされた何十万人もの入植者は故郷に戻れないとサイード・ナスラッラーは強調した。
紛争地帯を拡大すれば、パレスチナ北部から立ち退きを余儀なくされる200万人の入植者を収容するための避難所、地下室、ホテル、学校を「イスラエル」は準備しなければならないとサイード・ナスラッラーは警告した。
もし敵イスラエルがレバノンに対して戦闘地域を拡大すれば、ヒズボラもそうするとサイード・ナスラッラーは強調した。
...
「ヒズボラ戦闘員を国境からリタニ川まで押し戻すより、国境までリタニ川を前進させる方が容易だ」とサイード・ナスラッラーは述べた。
詳細は後日発表される。
民間人に対する途方もない攻撃を除き、ガザ戦争のいかなる目標も達成できずに130日以上「イスラエル」は失敗しているとサイード・ナスラッラーは強調した。
ヒズボラ殉教司令官達を追悼する日、金曜日(2月16日)に行う予定の演説で、シオニストのガザ戦争に関し詳細を述べるとサイード・ナスラッラーは強調した。
シオニスト国家の軍隊に対するヒズボラの活動の広がりは欧米ニュースではめったに触れられない。
アル・マナール特派員:
南レバノンのレジスタンスは、これまでのところ以下の攻撃を行っている。
- サファドの北部地域司令部。
- 「ブラニット」の第91ガリラヤ師団司令部
- キリヤット・シュモナの第769東部旅団司令部。
- メロン航空指揮統制基地
- ベイト・ヒレル・イスラエル国防軍基地
- 占領下のゴラン高原にあるケラ訓練所
- ヘルモン山のマアレ・ゴラン・イスラエル国防軍基地
- 後方の前線と軍集結地に沿ったほとんどの砲兵陣地
- 国境沿いの全てのイスラエル国防軍陣地
これら全てのレジスタンスによるが攻撃は、あらゆる軍事的、砲火圧力や、イスラエルの脅しが、レジスタンスの作戦継続を阻止できないことを裏付けている。レジスタンスは、まず神に、次にその軍事力、戦闘員の精神、そして人々の回復力を示しながら、完全な自信を持って進んでいる。
サファド本部敷地が攻撃されたのは今朝のことだった。これはイスラエルによる更なる攻撃がレバノン南部の民間施設を攻撃した後に続いた。
ハラ・ジャバー @HalaJaber -2024年2月13日 23:01 UTC
緊急:#Hezbollah #Israel 北部の都市サフェドの陸軍基地を標的にロケット弾の集中砲火を浴びせた。
1人が死亡し、8人が負傷し、1人が重体だという。
ロケット弾の一部がレバノン国境から約13キロ(8マイル)離れた #Safed 北部軍司令部基地に着弾したとイスラエル国防軍は発表した。
サファド攻撃は、以前の攻撃後の(軽度の)エスカレーションだった。
イスラエルの残虐行為によるパレスチナ人犠牲者と違い、攻撃によるイスラエル人死傷者はイスラエルで見出しを飾った。
レバノンから発射されたロケット弾の集中砲火がサフェドと北部の都市の軍基地に激突したため、イスラエル人女性1人が死亡し、8人が負傷したと軍と医療関係者は述べた。
この攻撃を受けレバノンで「広範囲」空爆を開始したとイスラエル国防軍は発表した。
ロケット弾発射の即時の主張はなかったが、イスラエルが戦争を仕掛けているガザのハマスのテロ集団を支援するため、ここ数ヶ月、イスラエル北部にロケット、ミサイル、ドローン攻撃を連日行っているヒズボラのテロ集団に実行されたと考えられている。
レバノン国境から約13キロ(8マイル)離れた地域の陸軍基地にロケット弾が着弾したとイスラエル国防軍とサフェド市は発表した。
イスラエルの北部国境における死傷者数は依然非常にまばらだ。
これまでのところ、国境での小競り合いにより、イスラエル側で民間人6人が死亡し、少なくとも9人のイスラエル国防軍兵士と予備役兵が死亡している。シリアからの攻撃も何度かあったが、負傷者は出ていない。
現在進行中の小競り合いでイスラエルに殺害された194人のメンバーの名前をヒズボラは挙げているが、そのほとんどがレバノンで、一部はシリアでも殺害されている。レバノンでは他のテロ集団の工作員29人、レバノン軍兵士1人、民間人約20人(うち3人はジャーナリスト)が殺害された。
イスラエルが高い経済的代償を払い、より多くの入植者を避難させなければ、死傷者の割合は変わる可能性が高い。
レバノンのヒズボラ専門家で、現在イギリスのカーディフで教鞭をとっているアマル・サードは、ヒズボラの考えを次のように説明している。
アマル・サード @amalsaad_lb - 2024年2月14日 10:58 UTC
今朝のヒズボラによるサフェドへの質的に異なる攻撃の背後には、いくつかメッセージがあり、戦争が始まって以来最も深刻な攻撃としてイスラエルは扱っており、ベン・グヴィルはそれを「宣戦布告」と呼んでいる。
最前線にあるのは昨日のナスラッラー演説にある通り、国境を越えた敵対行為をやめろというイスラエルと欧米の要求に屈しないというヒズボラのメッセージだ。それはシドンの奥深くにまで達する南レバノンにおけるイスラエルの暗殺攻撃への反撃でもある。
しかし、このエスカレーションの時期は、パリ停戦提案をネタニヤフが破棄したことと、彼の政権がラファを侵略すると脅したことにも関係しているようで、その結果、対レバノン全面攻撃の可能性が高まるだろう。ネタニヤフが停戦を拒否し続けた場合、イスラエル軍が負わねばならない攻撃と死傷者の感触をヒズボラはイスラエルに与えている。
予想通り、イスラエル占領軍はサファド攻撃に対し更にエスカレートして対応した。
水曜日、イスラエル軍はイスラエル軍戦闘機が「レバノンで一連の攻撃を開始した」と述べ、数カ月にわたる国境を越える砲撃後、両国間の戦争への懸念が高まっている。
空爆の詳細をレバノン軍は明らかにしていないが、アドチット、サウワネ、シハビーエなど南部の村々への空爆をレバノン・メディアは報じている。
医療関係者によると、レバノンからの砲撃でイスラエル北部で複数の負傷者が出た数時間後に、この攻撃が行われた。
...
イスラエルとヒズボラ間で再び本格的紛争が勃発する恐れが高まっており、国境の両側で数万人が避難を余儀なくされ、地域の緊張が高まっている。先月「いつになるかは分からないが、今後数カ月のうちに北部で戦争が起きる可能性は過去よりずっと高いと言える」とイスラエル軍のヘルジ・ハレヴィ司令官は述べた。
前回のイスラエル攻撃後、イスラエル軍により民間人四人が殺害または負傷したとレバノン側は述べた。
敵意の高まりは、イスラエルとヒズボラ間で「もし」戦争が起きるのかどうかという問題ではなく、「いつ」起きるかという問題のところまで来ている。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/02/escalation-in-northern-palestine.html
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イスラエルの悪事もう一つ。銃撃の中、赤新月に助けを求める六歳少女の電話音声
Six-year-old Gaza girl found dead days after pleading for help • FRANCE 24 English 5:17
Scott Ritter Extra ナワリヌイの死について
The Tragic Death of a Traitor
Part One: Origins
This is a panel I moderated on Monday evening with Stella Assange, attorney Jennifer Robinson and Kristinn Hrafnsson, Editor-in-Chief of WikiLeaks, at The Frontline Club in London. 57:06
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
如何なる戦争であれ、戦争は当時国の経済を疲弊させる。 イスラエル経済は5分の1縮小、この縮小は避難と予備役の記録的な召集によって促進された(RT) 経済成長の主な原動力である個人消費は第4・四半期に27%減少(CNN)。ガザ継続はイスラエルを経済的に弱体化させる
「ウクライナは英独仏と2国間安全保障協定に署名! NATOは内部崩壊!? ウクライナ軍の敗走にゼレンスキー大統領は西側に責任転嫁!」
はじめに~ウクライナは英独仏3ヶ国と2国間安全保障協定に署名! NATOの集団安全保障の原則が空洞化!!
NATO国防相会合でストルテンベルグ事務総長は100万機のドローンの提供を約束! 有志国連合ならぬ無人機連合! しかし米・バイデン政権は、600億ドルのウクライナ支援法案を議会に反対され、オースティン米国防長官はNATO国防相会合とミュンヘン安全保障会議を病欠! 次期米大統領とも目されるトランプ前大統領は「金を出さないNATO諸国はロシアから守らない」と発言! 欧州と米国の間にも亀裂! しかもミュンヘン安保会議の真っ最中に、アウディーイウカ陥落が報じられ、ゼレンスキー大統領は「敗退の原因は武器不足」だと、西側諸国に責任転嫁して非難!
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