もう一つのアメリカ戦争を始めたバイデン
だから彼ら自身実現されていないと認めている狙いを口実に、現状の支配を維持するため、貧困にあえぐ中東の人々に爆弾の雨を降らせている。いつも通りの帝国の一日だ。
ケイトリン・ジョンストン
2024年1月22日
「戦うとフーシ派が誓う中、持続的作戦に備えるアメリカ」と題する記事をワシントン・ポストが掲載したが、「持続的作戦」とは新たなアメリカ戦争の帝国主義表現だ。
「海上通商に対するフーシ派攻撃を10日間の攻撃で阻止し損ねた後、バイデン政権は、イエメン・フーシ派を標的とした持続的軍事作戦の計画を練っており、戦争で荒廃したイエメンの脆弱な平和をこの無期限作戦が頓挫させ、予測不可能なもう一つの中東紛争にワシントンを引き込む可能性があるという一部当局者の懸念をかき立てている」とポストは報じている。
記事の第9段落で「持続的軍事作戦」は「戦争」を意味するとポスト紙は認めており、「イラクやアフガニスタンやシリアにおける過去のアメリカ戦争のように作戦が何年も続くとは思わない」と報道で引用されている匿名アメリカ当局者は述べている。これは、これまでに放火した他の全ての家同様に、これ以上の家を燃やそうとは思っていないと放火魔が言うのと同じくらい安心感がある。
The Biden administration is crafting plans for a sustained military campaign targeting the Houthis in Yemen, stoking concern about derailing the war-ravaged country’s fragile peace and pulling Washington into another unpredictable Middle Eastern conflict. https://t.co/DCggoOphXJ
— The Washington Post (@washingtonpost) January 21, 2024
戦争を素直に戦争と呼ぶのを奇妙に拒むのは、ある国を繰り返し爆撃するのは、彼らと戦争をしていると見なされるかどうか記者が問うのに衝撃を受け驚愕した最近のペンタゴンのサブリナ・シン報道官記者会見でも見られた。
木曜日「アメリカはイエメンで戦争状態にあると言っても過言ではないでしょうか?」とシンはロイター記者に問われた。
「いや、我々は戦争を望んでいない」とシンは答えた。「我々は戦争をしていると思っていない。地域戦争は見たくない。フーシ派は巡航ミサイルや対艦ミサイルを無辜の船員や世界貿易の10%から15%を占める海域を通過する商船を攻撃し続けている連中だ。
それに続くいくつかの質問で「我々はフーシ派と戦争状態ではないとおっしゃいましたが、この報復爆撃で、我々はフーシ派を5回爆撃したことになります。ですから、これが戦争でないなら、もう少し説明していただけますか? これが戦争でないなら戦争とは一体何でしょう?」とシンはポリティコ記者に質問された。
「確かに、ララ、確かに素晴らしい質問だ。まさかそのように表現されると思っていなかった」シンは笑いながら答えた。「よろしいですか、我々は戦争を求めていない。我々はフーシ派と戦争をしているわけではない。定義上、アメリカが明確に宣言していればだが。だが繰り返しになるが、我々がしていること、我々の行動は本質的に防衛的だ。」
木曜日の記者会見以来、本記事執筆時点で、イエメンに対するアメリカ攻撃回数が、5回から7回に増えているのは注目に値する。
また、シンの馬鹿げた定義によれば、1942年6月5日以来「明確な宣戦布告」がなかったのだから、アメリカは第二次世界大戦終結以来、戦争していないことになるのも注目に値する。憲法に従い、議会を通じアメリカが公式に宣戦布告した唯一の戦争は、1812年の戦争、米墨戦争、米西戦争、そして二つの世界大戦だ。
この定義に従えば、アメリカは80年間戦争をしていないので世界で最も平和な国の一つだ。現実には、21世紀だけでも、アメリカは何百万人もの人々を殺害し、何千万人もの人々を強制退去させた侵略戦争を遂行している現代最も好戦的で残忍な国で、世界の主要な国際紛争のほとんどで何らかの役割を果たしている。
アメリカのイエメン攻撃は「本質的に防衛的」だというシンの主張も自明のたわごとだ。アメリカが攻撃し始めるまで、イエメン軍はアメリカ商船すら攻撃していなかった。地球の裏側の国にいわれない攻撃をしかけ、それを自衛と呼べるのはアメリカだけだ。
AntiwarのDave DeCampは次のように説明している。
「フーシ派をアメリカが爆撃し始める前、ガザへの猛攻撃が終われば、イスラエルと関係する商船への攻撃をやめるとアンサール・アッラー高官は明言した。ガザでの虐殺を終わらせるようイスラエルに圧力をかける代わりに、バイデン大統領はエスカレーションを選び、今やフーシ派はアメリカ商船を標的にしており、数隻のアメリカ商船がミサイル攻撃されている。
実際、フーシ派勢力が紅海の船舶を攻撃し始めた唯一の理由は、イスラエルと同盟諸国に圧力をかけて、10月7日からガザで続いている虐殺を止めるためだった。いつもの通り、世界で最も残忍で強力な政府は、恐ろしい極端な侵略行為を、いわれのない攻撃に対する無実の防衛反応だとでっち上げているが、実際は、アメリカ帝国は、パレスチナ人の大量虐殺を推進するために、イエメンを爆撃しているのだ。
ガザとイエメンの話題ではあるが、アメリカ帝国経営者によれば、両作戦の目標が表明されたのは、全く失敗に終わっていることを指摘する価値があるだろう。ウォール・ストリート・ジャーナル新報道によると、アメリカ諜報機関によれば、イスラエルはハマス殲滅に遠く及ばず、10月以降、ハマスの20%から30%しか殺害していないという。木曜日、マスコミから、フーシ派に対する攻撃は機能しているのかと聞かれて、バイデンは「『機能している』と言うのは、攻撃がフーシ派を阻止している場合だ。それはノーだ。攻撃を続けるつもりですか? イエスだ。」
だから彼ら自身達成されていないと認めている狙いを口実に、現状の支配を維持するため、貧困にあえぐ中東人に爆弾の雨を降らせている。いつも通りの帝国の一日だ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/01/22/biden-has-started-another-us-war/
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本日から2月です! 今年こそ、この2月こそは、月間目標額の400万円に届きますよう、IWJへのご支援をよろしくお願い申し上げます! IWJはピンチです!! IWJへの緊急支援をお願いいたします! 1月は29日までに、134件、161万3400円のご寄付をいただきました。この金額は月間目標額400万円の40%です! 新年早々ピンチに見舞われましたが、IWJは独立メディアとして、市民の皆さまに真実を伝え続けていきます! そのためには、皆さまのご支持とご支援が何よりも必要です! 2月こそ月間目標額400万円に届きますように、どうぞよろしくお願い申し上げます!
【本日のニュースの一撃!】
【第1弾! ゼレンスキー大統領がウクライナ軍のザルジニー最高司令官を解任したが、軍幹部や米英からの圧力を受けて決定を撤回せざるを得なくなった!】分裂するウクライナ!(『ザ・タイムズ』2024年1月31日ほか)
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