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2024年1月 5日 (金)

民民族浄化に関してまずいことを大声で言ったイスラエル当局を諭すアメリカ

 ガザの民族浄化を提唱したベン・グヴィルとスモトリッチにアメリカ国務省は腹を立ててはいない。まずい部分をイスラエルが大声で言ったため動揺しているだけだ。

ケイトリン・ジョンストン
2024年1月4日

 この英語記事の朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 最近、ガザ地区での民族浄化を公然と支持したことで見出しになったイスラエル高官二人を叱責する声明をアメリカ国務省が発表した

 声明は下記のようなものだ。

 「ガザ地区外へのパレスチナ人再定住を提唱したイスラエルのベザレル・スモトリッチ大臣とイタマール・ベン・グヴィル大臣による最近の声明をアメリカは拒絶する。この言説は扇動的で無責任だ。首相を含めイスラエル政府から、そのような声明はイスラエル政府の政策を反映していないと繰り返し一貫して我々は言われてきた。発言を即座に止める必要がある。

 「ガザはパレスチナの土地で、ハマスがもはやその将来を支配せず、イスラエルを脅かすテロ集団も存在しないまま、パレスチナの土地であり続けることを、明確に、一貫して、明白に我々は、主張してきた。それこそが、イスラエル人とパレスチナ人、周辺地域、そして世界の利益のために、私たちが求める未来だ。」

 ベン・グヴィルとスモトリッチの不快な発言は、ガザから一斉に脱出するようパレスチナ人に「奨励する」考えを助長し、ガザで暮らすのを不可能にするためイスラエルが全力を尽くしている事実にもかかわらず、この措置に基づく結末を「自発的移住」と呼ぶ馬鹿げた表現だ。

 驚くにはあたらないが、この発言は空虚な叱責でしかないことにお気づきだろう。イスラエル当局が、ガザのパレスチナ人住民を抹殺し、ユダヤ人入植地に置き換えることを公然と提唱し続けた場合、いかなる種類の結果もたらされるかというという可能性には、何の言及もされていない。アメリカには、イスラエルの民族浄化計画を妨害するようなことをするつもりはないからだ。

 そして、間違いなく、それは絶対にイスラエルの狙いだ。アメリカ国務省は「そのような発言はイスラエル政府の政策を反映していない」と主張し、パレスチナ人をガザの外に再定住させる計画はないとイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はワシントンに保証したが、ネタニヤフ自身この主張を益々厚かましく公然と否定している。

 つい先週、リクード党会合で、ガザからパレスチナ難民を「受け入れる」意思のある国を見つけるため政府は取り組んでいるとネタニヤフは明言し、世界は「既に自発的移民の可能性を議論している」と主張した。

 実際極右閣僚のベン・グヴィルとスモトリッチは、この面で、ネタニヤフ自身が言っていることと大きく異なることは実際何も言っていないと言っても過言ではない。アメリカ国務省発言をベン・グヴィルは公然と鼻であしらい「我々はアメリカ国旗の星ではない」と言い、「ガザから何十万人もの移住を促進することで、イスラエルのガザ国境地域の人々は、イスラエル国防軍の兵士を守りながら、家に帰り安全に暮らすことができる」と述べた。

 実際ネタニヤフも、ベン・グヴィルもスモトリッチも、この件に関するアメリカ国務省自身の言葉と完全に一致していると簡単に主張できる。「自発的移民」という考えは、アントニー・ブリンケン国務長官が主張した、ガザに対するアメリカの構想は「ガザからのパレスチナ人強制移住は行わない。今も戦後も」という立場と矛盾するものではない。

 「強制的」という言葉をブリンケン国務長官が慎重に使っている点に注目願いたい。彼の言葉遣いは、中東専門家ムーイン・ラバニが最近ツイッターで述べた通り、パレスチナ人が実際船に乗せられたり、銃を突きつけられてエジプト国境を越えて行進したりした場合にのみ、アメリカが反対することを明確にしている。

 「11月初旬、アントニー・ブリンケン国務長官や他の欧米諸国の政治家が『ガザからのパレスチナ人強制移住はあり得ない』と主張し始めた際、警鐘が鳴り始めるべきだった。ブリンケン国務長官らは、パレスチナ人の大量排除を拒絶するどころか、銃を突きつけて追放することだけに反対した。ガザ地区住民に退去以外の選択肢を与えないという『自発的』な強制退去という選択肢は、はっきり残されたままだった。

 だから、その独善的な道徳的姿勢に反し、ガザの民族浄化を提唱したベン・グヴィルとスモトリッチに、国務省は実際は腹を立てていない。まずい部分を大声で言ったが故に彼らは動揺しているだけなのだ。

 ブリンケン国務長官とお仲間が理解していることが一つあるとすれば、自分がやりたい邪悪なことを、邪悪な響きの言葉で説明してはいけないということだ。自分が引き起こそうとしている実際の堕落の周囲で優雅にタップダンスを踊り、人道的懸念と双方への思いやりに関して、美しい散文を発して、殺人装置が背景で静かに展開する中、全員目がくらみ、催眠術にかかったままにしておかなければならないのだ。自分の殺人性について、人は雄弁でとらえどころのないものでなければならないのだ。オバマのように。

 アメリカ戦争機構は、イスラエル国家と同様、あらゆる点で堕落しており、ネタニヤフや彼の手下連中同様、バイデン政権はガザで解き放たれているテロ行為に責任がある。彼らの言葉を無視し行動をご覧願いたい。連中の人権を気にかけているふりに、目をくらませられてはいけない。

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画像はアドビ・ストックから。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/01/04/us-admonishes-israeli-officials-for-saying-the-quiet-part-out-loud-about-ethnic-cleansing/

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 「聞く力」の真実が証明された。ウクライナに6000億出し、能登半島地震被害に40億円。自国民ではなく宗主国支配者の声を聞く力。

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自民党 悪夢の30年に終止符を(古賀茂明)【山田厚史のここが聞きたい】 59:29

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ガザでの戦争に起因し地域の緊張が高まる中、イランでソレイマニ記念碑周辺爆破、数十人死亡。ソレイマニは2020年1月3日、バグダッド国際空港近くで米国の無人機が攻撃し死亡。イラン最高指導者、及び大統領は報復を表明するも犯行者を特定せず。一般には背後にイスラエルとみられている。

 日刊IWJガイド

「ウクライナとロシアの報復の応酬がとまらない! プーチン大統領は『ウクライナを利用してロシアを破壊しようとする西側のエリートが問題』と批判」

はじめに~ウクライナが12月末クリミアのロシア海軍のノヴォチェルカスク揚陸艦を空中発射ミサイルで攻撃して破壊! ロシア軍はすぐさまウクライナ全土に「開戦以来最大規模のミサイル攻撃」! ウクライナ情報局は、ゼレンスキー大統領の命令で、ロシア領内ベルゴロドへクラスター爆弾を用いた民間人への無差別攻撃で報復! プーチン大統領は「ウクライナは我々の敵ではないが、ウクライナを利用してロシアを破壊しようとする西側のエリートが問題」だと「代理戦争」の背後にいる欧米を非難し、ロシア軍はウクライナ国内の軍事施設に報復攻撃! 停戦交渉を妨害した米英と欧州はいつになったら卑劣な「代理戦争」をやめるのか!?

【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

【第1弾! イスラエルの極右政党「宗教シオニスト党」の党首であり、連立政権の財務大臣をつとめるベツァレル・スモトリッチ氏が、ユダヤ人にガザ地区への再入植を呼びかける!】パレスチナ人を虐殺し追放した土地に、イスラエルの不動産会社が「海辺のドリームハウス」を計画!? シオニストは、どこまで無神経なのか!?(AFP、1日ほか)

【第2弾! イスラム組織ハマス幹部のサレハ・アルーリ氏が2日にイスラエルによる攻撃で殺害される!】ハマスと同じく植民地主義シオニズムと戦うヒズボラの指導者は、アルーリ氏の殺害は「イスラエルによる明白な侵略」であり、「我々との戦争を考える者は後悔する」と警告!!(AFP、3日ほか)

【第3弾! 米国によって暗殺されたイランのソレイマニ司令官の追悼式中に2回の爆発! このテロで103人が死亡!】イラン革命軍部隊司令官は、爆発が「シオニスト政権(イスラエル)と米国の工作員」によるものと主張! イラン国営テレビは、群衆が夜間に墓地に集まり、「イスラエルに死を」、「アメリカに死を」と叫ぶ映像を放映! 比較的慎重にふるまっていたイランに対する挑発のためのテロか!?(ロイ

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