« イスラエルの蛮行はあまりに衝撃的で、時に受け入れるのが困難 | トップページ | 帝国の堕落で衝撃を受けるのを決してやめてはいけない »

2023年12月 4日 (月)

スコット・リッター:ガザの戦いに勝利しつつあるハマス

2023年11月23日 11:29 GMT (更新: 2023年11月23日 11: GMT)
Sputnik International

 最近発表された停戦はパレスチナ人にとってもイスラエル人にとっても祝福で、囚人を交換し、必要とする人々に人道支援を配布し、紛争の両陣営の感情を冷やす機会だ。

 イスラエルとハマスの間でカタールがまとめた停戦は双方間で合意されたが、これはハマスの勝利に他ならないと誰も思い込んでははならない。組織としてのハマスを破壊すると公言し非常に攻撃的な立場をとっているイスラエルの目的を考えると、いかなる条件下でも停戦に同意するまい。

 一方、イスラエルとの現在の戦闘を開始するにあたり、ハマスはイスラエルに拘束されているパレスチナ人囚人、特に女性と子どもの釈放を主要目的の一つとしていた。この観点から見れば、停戦はハマスにとって重要な勝利で、イスラエルにとって屈辱的敗北だ。
 イスラエルが停戦を避けていた理由の一つは、軍事的脅威としてガザ北部のハマスを無力化するつもりで開始した攻撃作戦にイスラエルが自信を持っていたからだ。人道的正当性にかかわらず、いかなる停戦も、敗北した敵ハマスが休息し、再装備し、再編成する時間稼ぎに過ぎない。イスラエルが停戦に合意したのは、ハマスに対するイスラエル攻勢が必ずしもうまくいっていないことを示す最も確実な兆候だ。

 イスラエル国防軍が14年2023月1920日(火)に公開した動画から抜粋したこの画像では、ガザ市で武器を手にするイスラエル兵が映っている。-

 この結果は誰にとっても驚くべきことではない。10月7日にハマスがイスラエル攻撃を開始した時、ハマスは何年も前から練り上げていた計画に着手したのだ。ハマス作戦で明らかになった細部への細心の注意は、イスラエル諜報機関と軍隊をハマスが研究し、後に悪用された弱点を明らかにしていた現実を浮き彫りにした。ハマスの行動は、健全な戦術的・作戦的計画と実行を象徴するだけでなく、戦略的概念化においても傑作だった。

 10月7日のイスラエル敗北の背後にある主な理由の一つは、ガザでのハマスの活動を監視していた諜報分析官が何を言おうと、ハマスは決して攻撃しないはずだとイスラエル政府が確信していた事実だった。この想像力の失敗は、ハマスがイスラエルの政治的目標と目的(ガザに住むパレスチナ人のためにイスラエルが発行した労働許可証拡大プログラムを通じて、ハマスを「買収」することに基づく政策を受けいれることで、抵抗組織としてのハマスを無力化した)によってもたらされた。労働許可証プログラムと合わせて演じることで、ハマスイスラエル指導部を自己満足に陥れ、ハッキリ目に見えるハマス攻撃準備をするのを可能にした。

 10月7日のハマス攻撃は、単独の作戦ではなく、むしろパレスチナ国家の問題を国際議論の最前線に戻す、イスラエルに拘束されている何千人ものパレスチナ人囚人を解放する、そしてイスラム教で三番目に神聖な場所アル・アクサ・モスク冒涜に関し、イスラエルに停止と断念を強いるという三つの主要目的を持つ戦略計画の一部だった。10月7日の攻撃だけでは、これら成果は得られなかった。むしろ10月7日の攻撃はハマスの目標を達成するのに必要な条件を作り出すイスラエルの反攻を引き起こすよう仕組まれていた。

 10月7日の攻撃は、イスラエルを不合理なまでに辱め、イスラエルのいかなる反応も、ハマスの目標を無力化するための合理的対応と対照的に、確実に復讐の感情的必要性に支配されるよう計画されていた。ここで、戦闘で、イスラエルがヒズボラを打ち負かし損ね、レバノン国民を懲らしめる方法として、2006年、イスラエルに激しく爆撃された西ベイルート郊外にちなんで名付けられた確立されたイスラエルの集団懲罰教義(ダヒヤ・ドクトリンとして知られる)にハマスは習っていた。イスラエルに屈辱的敗北を与え、イスラエルの無敵(イスラエル国防軍に関する)と(イスラエル諜報機関に関する)無謬性神話、両方を打ち砕き、何百人ものイスラエル人を人質に取ってガザ地下の隠れ家に撤退した。ハマスはイスラエルに罠を仕掛け、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の政府は予想通りそれに突入した。

 ハマスはガザ地区の地下にトンネル網を準備した。距離は合計500km以上に及ぶ。「ガザ・メトロ」の愛称で呼ばれるこれらトンネルは、指揮統制、兵站支援、医療、ビレットに使用される相互接続された地下深くの掩蔽壕と、防御と攻撃の両作戦に特化した他のトンネル網で構成されている。イスラエルが所有するほとんどの爆弾による破壊を避けるに十分な深さにトンネルは掘られており最大三ヶ月(90日)の包囲に耐えられるよう準備されている。

 イスラエルを古典的な力対力の対決に巻き込めないのをハマスは知っている。そうではなく、その目的は、イスラエル軍をガザに誘い込み、これら部隊を、地下の隠れ家から出て、脆弱なイスラエル軍を攻撃し、地下に姿を消すハマス戦闘員の小チームによる果てしない一連の一撃離脱攻撃にさらすことだった。要するに、イスラエル軍に、なぶり殺しに相当するものを課すのだ。

 そして、それはうまくいった。イスラエル軍は、あまり都市化されていない地域に侵入できたが、ガザ地区北部のハマス軍は機甲部隊の機動力と火力を利用して、イスラエル軍を絶えず苦しめ、致命的タンデム弾頭ロケット弾を使用してイスラエル車両を無力化または破壊し、多数のイスラエル兵士を殺害し、更に数百人を負傷させているため、前進は幻想だ。イスラエルは、この方法で失われた装甲車両数を公表するのを躊躇しているが、その数は数百台に上るとハマスは主張している。ハマスの主張は、イスラエルが旧式メルカバ3戦車の輸出を中止し、その代わり、ガザと、ヒズボラ軍がガザでハマスを支援する作戦で、イスラエルと致命的な消耗戦を繰り広げているレバノンの北部国境沿いで被っている大きな損失を補うため、これら車両の在庫を新たな予備機甲大隊に編成した事実によって補強されている。

 しかし今日までのイスラエル敗北の主な理由はイスラエル自身だ。ハマスの罠にかかったイスラエルは、ガザのパレスチナ人に対しダヒヤ・ドクトリンを実行し、戦時国際法をあからさまに無視して、民間施設を無差別に攻撃した。これら攻撃により、5,000人以上の子どもを含む推定13,000人のパレスチナ市民が殺害された。さらに何千人もの犠牲者が、破壊された住宅の瓦礫の下に埋もれたままだ。

 10月7日のハマスによる攻撃後、イスラエルは国際社会の支持を集められたかもしれないが、そのひどい過剰反応は、かえってハマスが期待していた通り、世界世論をイスラエルに敵対させた。今日、イスラエルは益々孤立し、いわゆるグローバル・サウスだけでなく、アメリカやイギリスや欧州の伝統的な親イスラエル感情の牙城でも支持を失っている。この孤立は、イスラエルが受けるのに慣れていない類の政治圧力と相まって、停戦とその後の捕虜交換に関するネタニヤフ政権の黙認に貢献した。

 停戦が維持されるかどうかは、まだわからない。したがって停戦を敵対行為の永続的停止に変える問題も未解決のままだ。しかし一つだけ確実なのは、ハマスの完全敗北で勝利を定義したイスラエルは、ハマス勝利の舞台を整えたが、単に生き残ることにハマスはよってそれを実現している。

 しかし、ハマスは生き延びるだけでなく、勝利を収めている。イスラエル国防軍と戦って、戦場を膠着状態にしたハマスは、この紛争における戦略目標の全てが実を結ぶのを目の当たりにしている。この地域の恒久的平和の前提条件として、世界は二国家解決の絶対的必要性を積極的に表明している。イスラエルに捕らえられたパレスチナ人は、ハマスが人質にしたイスラエル人と交換されている。そして、イスラエルによるアル・アクサ・モスクの冒涜を非難することでイスラム世界は一致団結している。

 10月6日には、これら問題は一つも議題に上っていなかった。今やそれが注目されていることは、10月7日、そしてその後の数日間、ハマスの粘り強さと、民間人に対する無差別暴力への偏愛の組み合わせでイスラエル軍が敗北し、ハマスが享受した成功の証しだ。ハマスは軍事的・政治的勢力として排除されるどころか、パレスチナ人民の利益を擁護する上で、おそらく最も適切な発言権と権威として浮上している。

記事原文のurl:https://sputnikglobe.com/20231123/scott-ritter-hamas-winning-battle-for-gaza-1115160045.html

----------

 Douglas Macgregor氏最新YouTube番組 日本のテレビ放談とは全く異質。

Ukrainian forces destroying Russian depots in Crimea - Douglas Macgregor 23:01

 今朝の孫崎享氏メルマガは音楽が話題。胸が痛むようなエピソードも。

随想② 音楽

 日刊IWJガイド

「本日午後7時から岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビューをフルオープンで撮りおろし初配信!

はじめに~<本日の撮りおろし初配信>「ワクチン」と称するmRNA脂質ナノ粒子製剤接種による死亡・健康被害の実態!! その根底にあるものと対策、民主主義・科学と医学の危機など「5つの危機」~本日午後7時から「岩上安身による京都大学名誉教授・ワクチン問題研究会代表理事・福島雅典氏インタビュー」をフルオープンで撮りおろし初配信します!
【本日のニュースの一撃!】

【第1弾! 北部から移動させられた避難者であふれかえるガザ南部ハンユニスを、イスラエル軍が爆撃!】イスラエル軍はハンユニスの人たちにラファへ避難するよう通告しているが、ラファにも激しい攻撃!(『BBC』、2023年12月3日)

<号外を出しました!>「イスラエル・ロビーに完全支配された米国で、正論を主張する政治家が現れた! バーニー・サンダース米上院議員が『米国は、国際法や私たち自身の良識に反する行為に加担することはできない』と主張!」しかし、シオニスト・イスラエルに少しでも逆らう政治家には「厳しい代償」が待っていると、『イスラエル・ロビー』を著したミアシャイマー教授は警告!

« イスラエルの蛮行はあまりに衝撃的で、時に受け入れるのが困難 | トップページ | 帝国の堕落で衝撃を受けるのを決してやめてはいけない »

イスラエル・パレスチナ」カテゴリの記事

Scott Ritter」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« イスラエルの蛮行はあまりに衝撃的で、時に受け入れるのが困難 | トップページ | 帝国の堕落で衝撃を受けるのを決してやめてはいけない »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ