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2023年12月 6日 (水)

戦争はもはや抽象化されていない

 爆弾の現実や爆弾が人体に及ぼす影響の全てに詳細な個人的関係を持った後、人は再び元の状態に戻ることはできない。何百万人もの西洋人の目が永遠に変わったのだ。

ケイトリン・ジョンストン
2023年11月29日

 この英語記事の朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 手痛い反ユダヤ主義非難の中、公的イメージを救う必死の取り組みで、イスラエルへのマスクの謝罪巡礼中、国防総省請負業者イーロン・マスクと戦争犯罪人ベンヤミン・ネタニヤフは会話をTwitterで放送した

 この「会話」は実際は独白のようなもので、イスラエル指導者は明らかなアメリカ訛りでだらだらしゃべり続け、マスクはあらゆる点で彼に従順に同意した。講演中、イスラエルによるガザ虐殺が始まって以来、世界中で続いているパレスチナ支持の抗議行動について不満を漏らしながら、強調する価値があることをビビは言った。

 「大規模デモが行われている」と15時55分当たりでネタニヤフは言った。「シリアやイエメンで100万人以上のアラブ人やイスラム教徒が殺害され、爆撃で死ななかった人々の多くが餓死した時、ロンドンのデモはどこで行われたのか? パリでは? サンフランシスコでは? ワシントンでは? 一体どこで?」

 「彼らはパレスチナ人など気にしていないというのがその答えだ。彼らはイスラエルを憎んでいるのだ。」とネタニヤフは言った。「そして彼らはアメリカが憎いので、イスラエルを憎んでいるのだ。」

 「イエメンやシリアをめぐる抗議行動はどこであったのか?」という議論をイスラエル擁護論者から何度も繰り返し聞くが、その主張は本質的に、これらの国々での大量殺戮に抗議した人はほとんどいないのだから、ご褒美に、イスラエルは少々虐殺すべきだというものだ。

 まさにガザでの流血と同様、イエメン、シリア両国での流血はアメリカ介入主義に促進された不都合な事実を避ける傾向があることを含め、いくつかの理由でこの主張は愚かだ。シリア内戦は欧米同盟と地域の提携相手がダマスカス政権打倒を期待し、過激派派閥に供与された武器がシリアに溢れ込み、イエメンでのサウジアラビア戦争犯罪はアメリカと同盟諸国に全面支援されたからこそ起こり得たものだった。

 というのも、ガザでの虐殺が特別に注目を浴びる全く正当な理由が多々あるからだ。最近のニューヨーク・タイムズ記事「イスラエルの集中砲火を浴びて歴史的勢いで殺害されているガザ民間人」で、ガザにおけるイスラエルの行動は、シリアやウクライナのような場所での戦争より遙かに多くの民間人を、遥かに迅速に殺害しており、今世紀の他の紛争とは全く異なるとローレン・レザービーは説明している。先週CNNインタビューで、ガザはこれまで見た中でも最悪の人道危機で、カンボジアでのキリングフィールドより酷いと国連緊急援助調整官マーティン・グリフィスは述べた。この紛争は異なっているがゆえに異なる扱いを受けている。

 この爆撃作戦が他のものより遙かに多くの大衆の反発を受けているもう一つの理由は、親パレスチナ運動が何世代にもわたり築き上げられてきたのに対し、欧米諸国が爆弾を使って国を荒廃させる時、それは通常「同意のでっち上げ」から実行まで非常に迅速に移行する、素早い困難な試練だからだ。堕落した戦争の正当化でウソをつかれたと人々が気づく頃には、帝国はたいてい2つか3つ新たな戦争を控えている。イスラエル・パレスチナ問題は、何十年間も、そこにあり続けていたため、大衆の反対を蓄積する時間があったのだ。一度パレスチナの窮状を知った人は、それに対する支持を止めることはめったになく、新たに目を開かれた人は、一生この問題に目を向け続ける。

 だが、おそらくこの主張の最も愚かな点は、最終的に、それを言っている人々の思惑に反して機能するという事実だ。イスラエル擁護者連中は「イエメンとシリアを巡る抗議行動はどこであったか」と問い続けているが、ガザ虐殺の結果、アメリカに中央集権する権力同盟の犯罪性に目覚め始めた何百万人もの人々が徐々に同じ疑問を問い始めている。

 ガザへの攻撃は、余りに際だって恐ろしいもので、人々のソーシャルメディア投稿でリアルタイムで放送されるので、何年にもわたり邪悪な戦争に次ぐ邪悪な戦争に同意していた世界中の何百万人もの人々がプロパガンダで引き起こされた昏睡状態から抜け出しつつある。イスラエル・パレスチナ紛争について騙されていたことに人々は気づき始めており、他にどんなことで騙されていたのか疑問に思い始めている。「イエメンやシリアを巡る抗議行動はどこにあったのか」と彼らに尋ね続ければ、やがて彼らはそれら紛争について調べ始め、その中で自国政府が果たした役割を学び始めるだろう。「そうだ。イエメンやシリアを巡る抗議行動は一体どこであったか??」

 「ガザでの戦争は欧米の偽善に対する強烈な教訓だった。決して忘れ去ることはできない。」という題のガーディアン新記事で「私が考え得る限り初めて、欧米諸大国が自分が奉じる何らかのグローバル規則体制があるふりを十分できなくなっている。彼らはもっぱら「例外はあるし、それが現実だ」と言っているようだ。それは説明できないし、いつかそうならなくなるまで続くだろうが、それはイスラエル当局がその気になった時のようだ」

 「なぜこれほど多くの無実の人々が死ななければならないのかについて説得力ある説明にたどり着けないのは、事件が余りに急にエスカレートしたからだ」とマリクは付け加えている。「ガザへの攻撃のペースを決め、正当化の理由を準備し、最終的に全てが終わったら、時と集中力の持続時間の短さが強い衝撃を薄めてくれると期待する余裕はなかった。ガザは極端に不都合なほど激しい紛争だった。この地域は人口密度が高いため、民間人の犠牲者が多すぎるし、死傷者を正当化する唯一の理由であるハマスの能力を弱体化させた証拠は少なすぎる。

 これは、なぜ自国政府の他の犯罪行為に対して断固たる抵抗がなかったのか、欧米の戦争機構を新たに批判する人々が慎重に考えるよう求められている、ある種の政治的瞬間だ。腐敗した戦争行為への同意でっち上げを仕事とするプロパガンダ屋連中にとっての悪夢が待ち構えているように見える。

 帝国が気づこうとしていることの一つは、欧米国民が戦争意欲をすっかり失っていることだ。ベトナム戦争以来、「人道的」戦争への同意基盤を構築するため実施されてきた、あらゆる不都合な情報の入念な削除や、ビデオ・ゲーム化や、プロパガンダが、わずか数週間のうちに無に帰したのだ。

 爆弾の現実と爆弾が人体に及ぼす影響の全てに個人的に密接に関係し、その後再び元の状態に戻ることはできない。何百万人もの西洋人の目が永遠に変わったのだ。

 「戦争」はもはや抽象化されていない。

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 画像ガザ・パレスチナから(パブリックドメイン)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/11/29/war-is-not-abstracted-anymore/

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 東京新聞朝刊一面

秘密保護法10年 「戦える国」へ変質続く は事実ではない!
秘密保護法10年 「戦わされる国」へ変質続く が事実!

 スコット・リッター氏「ガザ停戦が中止されればイスラエル内戦でネタニヤフは排除される。」

Scott Ritter: Netanyahu will be overthrown in Israeli civil war if the ceasefire in Gaza is canceled 21:5

 Alex Christoforou YouTube 冒頭は、ジェイク・サリバン「ウクライナ支援資金を工面する必要がある」アメリカ合衆国行政管理予算局シュランダ・ヤンが書いた議会宛文書を紹介。

No magical pot. WaPo; Ukraine losing, blame game begins. The Putin, Macron, Elensky; Rizz score. 46:10

 寺島メソッド翻訳NEWS

米国がガザでのこの戦争を必要としている理由とは?

 平和のための連続学習会 Movie IWJ 大本営広報部大政翼賛会では決して報じない歴史的事実。

【前半】平和のための学習会 塩原俊彦さんが語る「ウクライナ戦争をどうみるか」 53:46

【後半】平和のための学習会 塩原俊彦さんが語る「ウクライナ戦争をどうみるか」 44:36

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名 Moon of Alabama最新記事と同じ話題。

一部のトレーダーが(ハマスによるテロ攻撃を事前に知り、(暴落するイスラエル株の)大幅な空売りで利益を得た可能性、米国でも攻撃の5日前イスラエルに関連する最も人気のあるファンドの空売りが「大幅に」「異常に」急増。9・11時同様現象発生。この時は元CIA関係者関与の報道。

 Moon of Alabama

Right Before Hamas Attacked Someone Shorted Israeli Stocks And Funds

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コメント


風斗博之様

ご指摘ありがとうございます。表現を変えました。

entirelyの和訳について、

Caitlin Johnstone氏の原文 My work is entirely reader-supported が「私の記事は完全に読者に支持されているので」と訳されています。これでは、氏が独善的だとする印象を読者に与えかねないと毎回気になっています。

「私の記事はすべて読者の支援によって支えられている」、あるいは「私の記事は全面的に読者の支援に依っている」の意味だと思います。

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