現実という堅固な壁にぶつかって飛び散る、あらゆるプロパガンダ
イスラエルがしていることに関するプロパガンダ物語を欧米帝国は大量に作り出し、それらの物語は、人々にはあまり見えない形で、生々しいビデオ映像や具体的事実に真っ向から衝突している。
ケイトリン・ジョンストン
2023年12月16日
現実世界と物語世界という、まったく異なる2つの世界に人間は同時に暮らしている。具体的な物質的現実の世界と、現実に関する心の物語の世界。
クリスマスツリーの下に積まれた贈り物の物質的現実と、その贈り物がどのようにそこに届いたかについて、小さな子に親が話す物語がある。爆弾が人体をズタズタに引き裂く物質的現実があり、それがどのように、なぜ起きているかについて権力者が世界に伝える物語がある。
私たちがガザで見ているのは、現実に何度も何度もぶつかって飛び散るでっち上げの物語だ。イスラエルがやっていることに関するプロパガンダ物語を欧米帝国が大量に作り出すが、それら物語は、人々にはあまり見られない方法で、生々しいビデオ映像や具体的な事実に真っ向から衝突している。
ここで、作り話の例をいくつか紹介しよう。
- 10月7日はいわれのない攻撃だった
- これは防衛戦争で、イスラエルは自衛する権利がある
- ユダヤ人は、他の民族より優遇される祖国がない限り、安全ではない
- ハマスが殲滅されるまで、平和はあり得ない
- 民間人死傷者は全てハマスのせいだ
ここで、客観的な現実の例をいくつか紹介する。
- イスラエル軍の爆弾に焼かれ、切断され、引き裂かれた民間人の生々しいビデオ映像
- イスラエル空爆で殺された子どもの遺体の写真
- この猛攻撃でジャーナリストが歴史的に未曾有の比率で殺害されている客観的事実
- 子どもの殺害率が現代の他の紛争よりも遙かに高い客観的事実
- イスラエルが民間人を包囲し、組織的に一斉避難させ、医療制度を破壊している客観的事実
前者の範疇は、完全に実体のない思考の綿毛から成り立っている。それらは人々が自分の思惑を推進するために作り上げた物語で、それ自体には客観的な現実性はない。後者の範疇は、物質世界の具体的現実から成り立っている。
精神的な物語がいかに広範に人間の意識を支配しているか、そしてそれが我々の社会の支配的物語が何かを支配できる者によって人類文明が支配されるのを可能にしてきたことを完全に認識している人は比較的少ない。イスラエルもその一部であるアメリカ中央集権帝国は、その洗練と有効性が、他に類を見ない未曾有の物語支配システムを確立するのに成功した。
だがガザでは、それは機能していない。生データに対し自明に不適格で、とうてい受け入れられないプロパガンダ歪曲もないので、それは機能しない。手足をばらばらにされた子供の映像に、どれほどプロパガンダ歪曲を積み重ねても、それが素晴らしく、受容できるものだと私を説得することはできない。
帝国にとって、これは非常に大問題だ。舞台裏ではパニックが起きている。ガザで起きていることは言葉では言い表せないほど恐ろしいもので、イスラエルの残虐行為は直ちに終わらせなければならない。だが、この恐怖の全てに希望の光があるとすれば、それは帝国のプロパガンダ・マトリックスからかつてないほど人々が抜けだしつつあることだ。
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