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2023年11月18日 (土)

話すことで自身のPR上の利益を損ない続けるイスラエル

マヤ・アンジェロウが言う通り、人が自分が一体何者か見せてくれたら、始めてその人を信じよう。

ケイトリン・ジョンストン

2023年11月14日

 この英語記事の朗読を聞く(ティム・フォーリーによる朗読)。

 イスラエルが直面し続けている問題の一つは、アパルトヘイト国家を機能させ続けるために制度化されたパレスチナ人の非人間化のせいで、イスラエル人ではない人々が実に衝撃的と思うようなことをイスラエル人に言わせてイスラエルのPR上の利益を損ねていることだ。

 これは、最近のパレスチナの土地に違法イスラエル人入植地建設運動を推進する指導者ダニエラ・ワイスのニューヨーカー誌インタビューで明らかになった。率直に悪びれることなく、自分はアパルトヘイトを支持し、パレスチナ人はいかなる主権も持つべきでないと考えており、パレスチナ人は投票権を持つべきだとは考えず、ガザ住民がイスラエル入植地に取って代わられるのを望んでおり、ガザの子供の殺害はイスラエルの子供の利益のため行われていると思うので、ガザでの子供殺害で心が乱されることはないとワイスは述べた。

 ガザのパレスチナ人はどこへ行けばいいのかと問われて「シナイへ、エジプトへ、トルコへ」とワイスは答えた。パレスチナ人はエジプト人でもトルコ人でもないとインタビュアーが言うと「ウクライナ人はフランス人ではないが、戦争が始まった時、彼らは多くの国々に行った」と彼女は主張した。

 「パレスチナの子どもが死んでゆくのを見て、人間として感情的にどうですか?」という質問に「私は非常に基本的な人間の自然法則に従っている。わが子は敵の子より大事だ。以上、終わり。彼らが第一だ。私の子供が第一だ。」とワイスは答えた。

 人権は普遍的なものではなく、全ての人に平等に適用されるべきではないと思うかと問われて「その通り」とワイスは答えた。

 だが、おそらく最も本質を曝露するワイス発言は、イスラエルがパレスチナの土地を植民地化しようとする動きを駆り立てるものに関する全く裏表のない説明だった。

 「イスラエルでは、入植地支持が多く、これが長年にわたり右翼政権が存在してきた理由だ。世界、特にアメリカは、パレスチナ国家という選択肢があると考えており、もし我々が共同体を作り続ければ、パレスチナ国家という選択肢を阻止することになる。我々はパレスチナ国家という選択肢は封じたいが、世界はその選択肢を残しておきたいと思っている。実に簡単に理解できることだ」

 この一段落は、イスラエル・パレスチナ紛争の今の現実に関し、CNNを丸一年見るより多くのことを教えてくれる。それは恐ろしいことで、そんなことが好ましげに大声で語られるのは耳障りだ。だが、それが事実なのだ。

 このようなことは何年も前から起きている。パレスチナ人を非人間化し、抑圧と虐待を常態化するシオニスト・イデオロギーの自己正当化という周囲環境にどっぷり漬かったイスラエル人は、世界の舞台でイスラエルを悪く見せるようなことを平気で言う。

 2021年、彼がその家を不法占拠したパレスチナ人シェイク・ジャラに対する率直な発言でニューヨークからの入植者ヤアコフ・ファウチは世界中で見出しになった。

 撮影されているのを十分承知しながら、家を盗んでいるという家族の訴えに対し「私が盗まなければ他の人が盗む」とファウチが恥ずかしげもなく答えたのは有名な話だ。

 そして問題は彼が嘘をついていなかったことだ。パレスチナ人が民族人口動態をコントロールし、ダニエラ・ワイスが上記で概説した狙いを推進させるため、パレスチナ人が家から追い出されているアパルトヘイト・イスラエルの虐待的力学を彼は正直に表現していた。もし彼がイスラエル国家のために訓練されたプロパガンダ屋だったら、彼は決してカメラの前でそのような発言はしなかっただろうが、シオニズムに洗脳されたイスラエル国民の一人に過ぎなかったので、口を閉ざす理由が彼には見当たらなかったのだ。

 何年か前『エンパイア・ファイル』のアビー・マーティンが、カメラとマイクを持ってエルサレムの街を歩き回り、ユダヤ人イスラエル人とパレスチナ人に対する彼らの見解について話しただけで、シオニスト・イデオロギーに対する壊滅的批判をした。彼らは専制政治、殺人、大量虐殺、民族浄化支持をためらわず、自分の言葉で躊躇なく共有し、自分の言葉がイスラエルのイメージを傷つけるために使われるとは考えなかったのだ。

 芝生の椅子にイスラエル人が座り、パレスチナ人居住区に対するイスラエル国防軍の爆撃作戦を見守り、応援しているところを撮影された際、ガザ市の完全破壊を主張した後「私はほんの少しのファシストだ」とある女性がマスコミに言ったことがある。

 このようなことが起きるたびに、インターネットでビデオ映像が大いに拡散され、イスラエルに対する世界の認識に深刻な打撃を与える。それが今日、ガザ虐殺に関する言説を制御するのにイスラエルが苦労している大きな理由であり、それは一般大衆だけでなく、イスラエル政府内のイスラエル人の一層扇動的な声明によって悪化している。

 土曜日、1948年のイスラエル建国時、パレスチナ人に行われた暴力的な強制追放に言及して、イスラエル治安閣僚で農業大臣アヴィ・ディヒターは、ガザ地区北半分からのパレスチナ人の暴力的強制追放を「ナクバ2023」と平然と言い放った。

 ハアレツは以下のように報じている

 土曜日のニュース・インタビューで、イスラエル治安閣僚で農業大臣のアヴィ・ディヒテル(リクード党)は、イスラエル国防軍の命令で南に避難するガザ地区北部の住民の画像は、ナクバの画像に匹敵するかどうか問われた。「我々は今、ガザ・ナクバを展開している。作戦上の観点からは、イスラエル国防軍がガザで行おうとしているように、戦車と兵士の間に大衆がいる状態で戦争を遂行する方法はない。

 これは「ガザのナクバ」かと再度問われて、「ガザ・ナクバ2023。そういう形で終わる」と治安閣僚で防諜・国内保安機関シン・ベト元局長ディヒターは述べた。

 後に、これはガザ市住民は帰還を許されないことを意味するのかと尋ねられて「ガザ市はガザ地区の3分の1で、この土地の人口の半分だが、領土の3分の1なので、どうなるか私は分からない」と彼は答えた。

 ガザの大量避難民を、民間人保護のためだけに取られた措置だとイスラエルが公然と説明してきただけでなく、長年イスラエル政府が、ナクバが起きたのを公式に否定し、学校でナクバの歴史を教えるのを禁じる法律を可決さえしたことからしてもディヒター発言は驚くべきものだ。

 10月7日のハマス攻撃に対する防衛的で慎重な対応としてイスラエルの行動を説明しようと欧米諸国高官が急いているにもかかわらず、欧米諸国当局を嘘つきのように見せかけるため、イスラエル高官連中は狂ったように躍起になっている。

 ガザ攻撃について話す際、神がイスラエル人に完全な大量虐殺を犯すよう命じた聖書の国アマレクを引き合いにしてベンヤミン・ネタニヤフ首相は見出しを飾った。サムエル記第一の書には「今、行ってアマレクを撃ち、そのすべての持ち物を滅ぼしつくせ。彼らをゆるすな。男も女も、幼な子も乳飲み子も、牛も羊も、らくだも、ろばも皆、殺せ」という命令が書かれている。

 ハマス打倒に失敗したのだから、ガザの全民間人は正当な軍事目標だととアイザック・ヘルツォーク大統領は先月ほのめかし「民間人が気づいていない、関与していないという論理は真実ではない。それは絶対真実ではない。彼らは立ち上がれたかもしれない。彼らはガザを占領した邪悪な政権とクーデターで戦うこともできたはずだ。」と述べた。

 飛び地の電気、食料、水、燃料を遮断するガザの全面包囲を発表した際、「我々は人獣と戦っており、それに応じて行動している」とイスラエルのヨアブ・ギャラント国防相は述べた

 イスラエルはガザを「テント村」に変えるつもりだとイスラエル国防軍のダニエル・ハガリ報道官は述べ、イスラエル爆撃作戦は「正確さではなく被害に重点を置いている」と述べた。

 「パレスチナの人々に対し、今世紀最悪の残虐行為をした恐ろしく冷酷なけだもの連中に対し、世界が絶え間ない関心を示しているのに私は非常に困惑している」とイスラエルの元国連大使ダン・ギラーマンは先月述べた

 「ハマスはISISと化し、ガザ市民は恐怖に怯えるどころか祝っている」先月エコノミスト誌は、あるイスラエル将軍の言葉を引用した。「人獣は、それ相応に扱われる。」

 「ガザに深刻な人道危機をもたらすのは目標を実現するために必要な手段だ」とギオラ・エイランドという名の少将が、あるイスラエル新聞に書き「ガザは人間が存在できない場所になる」と付け加えた。

 イスラエルを理性的な行動者として、世界における肯定的な国家としてイスラエル同盟諸国は描こうとし続けているが、イスラエル人の話に耳を傾ければ、この殺人的アパルトヘイト国家が実際は何なのかについて全く違う理解が得られる。

 マヤ・アンジェロウが言う通り、人が自分が一体何者か見せてくれたら、始めてその人を信じよう。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/11/14/israelis-keep-hurting-their-own-pr-interests-by-talking/

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 エスカレートしたら潰すには通常弾道ミサイルで十分だとスコット・リッター氏

Scott Ritter: Iran can destroy Israel with non-nuclear ballistic missile if Gaza conflict escalates 19:41

 The Chris Hedges Report マックス・ブルメンソール

The Chris Hedges Report with reporter Max Blumenthal on how the Israeli military launched a series of attacks on Oct. 7 designed to kill Hamas gunmen along with their Israeli hostages. 41:35

 日刊IWJガイド

IWJ検証レポート!<極右・ネオナチ・白人至上主義>その起源と現在! 極右・ネオナチの本場ドイツはどこへ向かうのか!?(2)旧東ドイツ出身者の方が旧西ドイツ出身者より、極右的態度が約2倍から約3倍も強い! 低所得者は、極右的態度のすべての側面について、明らかに高い割合で同意している! その背景には、反ナチス教育の内容・教育方法・教育制度の違いと東西ドイツの格差が!

【本日のニュースの1撃!】

【第1弾! ウクライナ政府高官は西側からの資金援助の20%~36%を横領! 軍事支援だけで日本円にして約3兆円から5兆円!】世界トップの汚職大国ウクライナに、カネや武器を注ぎ込む愚かしさ! 敗色濃厚なウクライナに対して、いつまでこの愚行を続けるのか!? 元米国防副長官は「ゼレンスキーの成功は接待と窃盗の基盤の上に成り立っている」と痛烈批判!(『タス通信』2023年11月16日ほか)

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コメント

私の前のコメントですが、だいぶ昔の十代半ばに読んだ作品なので混同して間違いがあったようです。

『夜と霧』の作者ですが、エリ・ヴィーゼル氏ではなくヴィクトール・フランクル氏でした。精神科医で「患者が自ら生きる意味を見出す手助けを施すことにより、精神障害を克服する心理療法「実存分析」(のちにルートヴィヒ・ビンスワンガーによりロゴセラピーと改められる)を提唱した。」とWikipediaにありましたが、それはご自身の収容所体験が元になったように思われます。

一方のエリ・ヴィーゼル氏はやはりナチスの収容所での体験を元にした「夜』という作品で有名になり、ノーベル文学賞まで取られた方ですが、こちらは私は読んでいませんでした。ただ同氏の『エルサレムの乞食』という作品は読んだ覚えがあり、ユダヤの人々がエルサレムに行けば必ず訪れるという「嘆きの壁」について書かれていたことだけは記憶に残っています。

エリ・ヴィーゼル氏については近年、同じユダヤ人の知識人からも批判されている点がいくつかあるようで、ヴィクトール・フランクル氏と混同していた私はあの「夜と霧」を書いた方が?とがっかりしていたのですが、勘違いと知って少しホッとしました。

ちなみにヴィーゼル氏への最近の批判については、こちらのブログにもリンクのある藤永茂先生の「私の闇の奥」にもありました。

決して二度とあってはならない
https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/b070404ea59e163dbeedff9f69960c9a

私は中学生の頃に、たまたまあるきっかけで「ユダヤ人」という人々に興味を持ち、図書室にあった『ユダヤ人の歴史』という本を読み、彼らが国を持たない流浪の民で、欧州に於いてはしばしば迫害され、ナチスによって虐殺までされた人々と知りました。にもかかわらず、多くの著名な知識人や作家、芸術家を輩出して来た尊敬すべき人々であるとも。

もちろん、『アンネの日記』を読んで涙し、エリー・ヴィーゼルの『夜と霧』を読んで深い感銘を受けました。あの頃の私にとって「ユダヤ人」とは、生死を分つような過酷な状況の中でも勇気を持ってそれに立ち向かい、かつ、知的に誠実に真実を見つめようとする「憧れの人々」でした。しかし、それだけにパレスチナ人に対して、これまでにイスラエル国家がしてきたことを知った時は「どうして?」と驚き、ショックのあまり悲しい気持ちになりました。

現在はユダヤ人でも米国のノーム・チョムスキー博士や ノーマン・フィンケルスタイン博士のように、左派の知識人の中にはイスラエルのやり方に反対し、パレスチナを支持して来た人々がいること、それから(その理由はよくわかりませんが)「正統派」と呼ばれる、常に厳しい戒律を守り、独特の黒い衣装を身に纏っているユダヤ教徒の人々はシオニズムに反対し、パレスチナに同情するデモを繰り返して来たらしいことも知っています。つまり、ユダヤ人全部が「シオニスト」なのではない、その中の一部の人たちなのだと知って少し安心しました。

確かに何処に行っても余所者扱いされる「流浪の民」にとっては、自分たちの国を持つことは悲願だったのかもしれません。それは、この日本という国に生まれて「日本人」であることを当たり前に生きてきた私などには理解し難いことなのかもしれない。しかしその「悲願」が、当時の国際情勢の中で一部の大国の思惑と重なってイスラエルが誕生したことが、この悲劇の元を作ってしまったような気がしてなりません。

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