イスラエルの分裂とアルアクサ洪水戦争
2023年10月13日
Moon of Alabama
ハマスが対シオニスト・テロ作戦に名付けた「アルアクサ大洪水」の理由は何だろう?
10月8日、最も経験豊富な中東専門家の一人、アラステア・クルックが、アル・マハディーン紙に次のように書いている。
「イスラエル」は「イスラエル」の未来に関する二つの和解できない構想を持った二つの同等な力の派閥に分裂した。歴史とユダヤ人であることの意味に関して、相互に反する二つの解釈だ。
亀裂はこれ以上完全になり得ない。そうであることを除いて。議会で過半数を占める派閥の一つは、イスラエル社会の元下層階級ミズラヒだ。そしてもう一つは、主に裕福でリベラルなアシュケナージだ。
ミズラヒは主に元々の中東のユダヤ人で、しばしば宗教的極右で、アシュケナージは主にリベラルなヨーロッパ・ユダヤ人だ。現在のネタニヤフ政権は極右のミズラヒ大臣を含む初の政権だ。
ほとんどのミズラヒはセファルディの宗教的儀式に従う。彼らはユダヤ法に基づく宗教国家を望んでいる。彼らはISISと同じくらい過激だ。
イスラエル高等裁判所には、アシュケナージ裁判官が14人、ミズラヒ裁判官が一人いる。これがネタニヤフ政権が、高等裁判所判決を議会が否決できるようにしたい理由の一つだ。イスラエルでは、その動きに反対する大規模なアメリカが支援する「政権転覆」抗議行動があった。大半がアシュケナージの軍と治安機関の指導者も裁判所に対する政府の動きに反対している。
したがって、ハマス攻撃を示唆する諜報情報があった可能性は十分あったが、ネタニヤフを罠にはめるため明らかにされなかったのだと私は思う。しかし正確な諜報警告があった、あるいは、それらが抑制されていたという十分な証拠はない。
既にネタニヤフ退陣要求がある。より世俗的なファタハ派パレスチナ人に対する対抗勢力として、彼が長期的にハマスを支援したかどで。彼が首相でなくなれば、裁判所は現在係争中の彼に対する三つの賄賂事件を取り上げる。彼は投獄される可能性が高い。
ハマス成功のもう一つの理由は、通常ガザ地区を守っている、四歩兵大隊のうち三つ(それぞれ兵士800人)が宗教的祝日に右翼シオニスト入植者を保護するため西岸に移されてい事実だ。このおかげで、ハマスは容易にフェンスを破れたのだ。
アルアクサ大洪水の本当の動機に関するアラステア・クルック記事に戻ろう。
ネタニヤフ政権の右派には二つの長年の誓約がある。一つは「テンプル・マウント」(ハラム・アル・シャリフ)での(ユダヤ教)寺院再建だ。
はっきりさせるため言っておくが、それはアルアクサ・モスク破壊を伴うはずだ。
第二の最優先誓約は「イスラエルの地」に「イスラエル」を建設することだ。はっきりさせるため繰り返すが、これは(彼らの見解では)ヨルダン川西岸からのパレスチナ人一掃を伴うはずだ。実際、入植者たちは過去一年間(特にラマッラーとエリコ間の)西岸の帯状地域からパレスチナ人を浄化してきた。
木曜朝(アルアクサ大洪水の二日前)、イスラエル軍の完全な保護下、800人以上の入植者がモスクを襲撃した。そのような挑発の陣太鼓は大きく鳴りつつある。
これは新しいことではない。第一次インティファーダは(当時の)シャロン首相がモスクを挑発的に訪問したことで引き起こされた。私は事件を調査するジョージ・ミッチェル上院議員の大統領委員会の一員だった。シャロンが宗教ナショナリズムの火を煽るため訪問を意図したのは明らかだった。当時テンプル・マウント・ムーブメントは少数派だった。今それは大臣や主要な治安職に着いており「第三神殿」を建設すると信者に約束している。
したがって、アルアクサへ・モスクへの脅威は20年蓄積されており今や頂点に達している。それでも、アメリカとイスラエルの諜報機関は抵抗が起きるとは予想せず、西岸で入植者の暴力が鬱積していると分からなかったのだろうか?
土曜に起きたことは広く予想され、明らかに本格的に計画されていた。
ちなみに、ユダヤの「神殿」がエルサレムに存在した考古学的証拠はない。もしあったとすればら、おそらくアルアクサの丘ではなく、他の6つの丘の一つにあった。
アルアクサ・モスクは、シーア派、スンニ派を問わず全てのイスラム教徒にとって聖なるものだ。その破壊は必然的に戦争をもたらすだろう。欧米は、このようなことが呼び起こす可能性がある暴力を明らかに過小評価している。
Khalid Aljabri, MD د.خالد الجبري @JabriMD - 11:52 UTC · Oct 13, 2023
金曜日、メッカのグランドモスクでの説教はエルサレムの「アルアクサ・モスク解放」を祈っている。これは二つ2つの理由で重要だ。
•二億人のイスラム教徒聴衆。
•そのような説教はムハンマド・ビン・サルマーンの下で厳しく検閲されている。今日の説教はおそらく事前承認されていた。
ビデオ
イスラエルはガザの人々に白リン弾を使っているが、これは戦争犯罪だ。イスラエルは、北ガザの全員、110万人に、南ガザに移動するため24時間与えた。それは不可能で、あり得ない。それは民族浄化の企みだ。
ケイトリン・ジョンストン @caitoz - 2023年10月13日 10:52 UTC
もし200万人のユダヤ人がキリスト教徒によって巨大な野外刑務所に閉じ込められ、完全包囲され、彼らの半分が他に移動するのに24時間与えるが、さもなくば殺されると言われたとしたら、そこで目撃することで混乱する人は皆無のはずだ。
発表通り、イスラエルがガザへの地上攻撃を行う場合、レバノンのヒズボラはイスラエルを攻撃する可能性がある。アメリカは(フランス経由で)シリアに、ダマスカスとアサド大統領個人が攻撃されるはずだと知らせたとされている。これは見込み違いだ。アサド、あるいはイランでさえ、ヒズボラを制止する手段を持っているかどうか定かではない。
シリア政府に対するアメリカの攻撃はロシアを戦争に巻き込むだろう。イランも反応するだろうが、それこそ、まさに一部のネオコンが望んでいることだ。
戦争はそこからさらにエスカレートする可能性がある。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/10/the-split-in-israel-and-the-war-of-al-aqsa.html#more
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デモクラシータイムス 些か古いが、重要な番組
“未来志向”と言いだした 変質する「ヒロシマ・ナガサキ」【The Burning Issues Vol.43】 1:08:59
司会の高瀬毅氏は『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』著者。
長崎の平和公園を訪れた際、各国から贈られた像の中に、なぜかアメリカ、セントポール市から送られた像があった。『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』を拝読して、その像がある意味がようやくわかった。広島の原爆ドーム同様に、大浦天主堂の廃墟が残されなかったのは、宗主国の姉妹都市策略のおかげだった。再建を支援にする口実で金を出して、廃墟を撤去させたのだ。詳しくは『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』をお読み願いたい。広島・長崎への宗主国からの「未来志向」へのお誘いも、宗主国に不都合な属国民の記憶を浄化、消滅させるのが狙いだろう。『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」』については、昔書いた下記ブログで触れた。
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