次のピューリッツァー賞はハルマゲドンを応援する人物が受賞する
2023年10月2日
フィル・バトラー
New Eastern Outlook
次のピューリッツァー賞はハルマゲドンを応援する人物が受賞する
ニューヨークタイムズのコラムニストで、ピューリッツァー賞を3回受賞したトーマス・フリードマンは、かつて高校時代を「第三次中東戦争このでのイスラエル勝利の一つの大祝賀」と特徴づけた。ニューヨークタイムズ最新記事で、受賞歴ある作家は、イギリス、ヨーロッパとアメリカがウクライナを完全支配する時に同様の祝賀を予想している。
興味深いことに、フリードマンは高校の夏をイスラエルのキブツ、ハホトリムで過ごした。このキブツは、1953年に過疎のパレスチナ人村アルティラの場所に設立された。ハイファに近いこの地域は、かつて悪名高い海の民の主要都市、古代ティルスの元の場所だったと一部の学者は主張している。これらの好戦的な船乗りは最後のミノア人だと主張する人もいる。他の人はそれらをフェニキア人と結びつける。私がこれに言及する理由は、私たち全員が自分の偏見、憎しみ、誤解の起源に目を向け始めることが非常に重要と思うからだ。フリードマンは、この惑星の他の全ての人と同様、理論的根拠に基づいた狙いを持っている。イスラエルは現在アルティラを所有しているが、ティラの王がソロモン神殿の建設を支援して以来、戦争と血がこの土地に溢れている。
この地域は現在、裕福なイスラエル人にとって海辺の楽園休息所だ。歴史の勉強をする余裕はないが、このパレスチナの村は、最初1949年にチェコスロバキアとドイツからのユダヤ人移民が住んでいた。パレスチナ人とキリスト教徒住民はヨルダンに逃げた。人々、特に他の人に影響を与える人々に一体何が影響を与えるか振り返るのは興味深い。そしてフリードマンの基盤はシオニスト・ユートピアの枠組み上に構築されている。ウクライナの危機を調停するための彼の素晴らしい考えを読むためページをめくれば、非ロシア化されたウクライナを視覚化するのは容易だ。
フリードマンの最新反露ファンタジーは、ウクライナを非ナチ化するためのロシア作戦を宇宙的大惨事と同一視している。このピューリッツァー賞受賞者は最近キーウを訪れ、聖ムィハイール黄金ドーム修道院広場の破壊されたロシア兵器のゼレンスキーによるこぎれいな展示について発言した。
「それは、宇宙から飛んできてこの国に落下した隕石のように、隕石を想起させるのに、やがて私は気がついた。」
受賞歴あるジャーナリストとして、フリードマンは混乱全体を歪めて説明し、悪い状況を更に悪化させるのに抵抗できなかったのだ。NYTの作家は、ゼレンスキーと彼のゲシュタポを、連中か彼らの国のために作った死のスパイラルより英雄的でホメロス風のものとして描いている。一方ロシア人、特にウラジーミル・プーチンは再び非人間的に描かれている。彼らは宇宙からの熱い岩だ。東からのハルマゲドンに対する彼の解決策は悪い映画のようなものだ。世界を破壊する小惑星に対するフリードマンの解決策にはブルース・ウィリスは主演しない。
欧米はウクライナがNATOと欧州連合のメンバーになる方法を工夫する必要があると彼は読者に語っている。彼はまた、欧州連合は「世界史における奇跡の一つ」だと宣言している。私が言った通り、大きな影響力を持つ人の世界は、合理的ながら欠陥がある理想主義によって動かされている。フリードマンは、ロシアにとって「NATO拡大は決して問題ではなかった」とも言う。ナチスやファシスト狂信者の拡大と権限付与、ヨーロッパ最大の軍隊、生物学実験室建設、ロシアを失速させるよう作られた偽のミンスク合意。そのいずれもプーチンと彼の同胞にとって重要ではない! 何が重要か?
ウクライナが「成功したスラブ経済の手本」になるのを阻止するため、ロシアが非軍事化作戦を開始したとこのNYTのスーパー探偵は推測している。皆様が信じないなら、ここで彼の話の書き起こしをお読み願いたい。彼の「ウクライナをNATOとEUに加盟させることが平和への鍵」は、これまで人間が見た全ての大小の戦争を引き起こしたのと同じ狂気だ。あらゆる手段によるこの世界支配は、何億人もの人々を殺し、人々を難民にし、パレスチナ人を野外射撃場に投獄したのだ。
世界はロシアの車や時計を購入しないとフリードマンは強調する。しかし、ピューリッツァー作家を愛する銀行家連中がロシアを分割しようとしていた時に、ウラジーミル・プーチンが生み出した経済的奇跡は彼は言及しない。フリードマンは、ウォール街やロンドンの銀行家連中が死ぬほど恐れているプーチンの「第三の道」や、ウラジオストクからリスボンへの案には言及できない。自由貿易、自由ビザ、そしてアメリカ覇権の鎖から解き放たれた多極世界。それについて書いても受賞はできない。ジュリアン・アサンジのように刑務所に入るのは可能だ。
トム・フリードマンのような連中は道具だ。イスラエルのレバノン侵攻を報じて最初のピューリッツァーを受賞して以来。彼はインティファーダを報道し、二度目を受賞し、2002年に世界的テロに関する「明快さ」で三度目の賞を受けた。私の意見では、これは2003年のイラク侵攻のための仕組まれたプロパガンダ記事の一つだった。The Progressive誌は、2014年の記事「トーマス・フリードマンのイラク健忘症」で彼を問題にしている。フリードマンが世界はサダム・フセインを「蒸気ローラーで押しつぶさなければならない」と示唆したのを思い出す人もいるかも知れない。そして今、世界がこれまで知っている中で最も強力な核武装大国ロシアを蒸気ローラーで押しつぶすよう彼は提案している。
高学歴男性がどのように、またはなぜ正気を失うのか誰かご存じだろうか? 世界で最も有名なジャーナリストの一人は、クリミアのどこかにキブツ・ハホトリムを想像しているのだろうか? あるいはスイスやタイメックスの助けを借りて、ロシアの時計がロンドンとニューヨークですぐ大流行するかも知れない! プジョーやフォルクスワーゲン製のロシア車ラダが、すぐさまテルアビブのシックな大通りを走るだろうか? 恐らく。つまりNATOとEUが彼らの善意をウラジーミル・プーチンに説得できれば。アメリカと同盟諸国が同じようにロシア自動車の近代化に貢献した場合、ドイツの旧ナチス産業は復活するだろうか。覇権国が蒸気ローラーで押し潰す戦略に戻った際、このクレタが島は核爆弾の放射性降下物の気流から外れるよう願う。
フィル・バトラーは政策研究者、評論家、政治学者で東ヨーロッパ専門家で「Putin’s Praetorians(プーチンの近衛兵)」という最近のベストセラーや他の本の著者。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.su/2023/10/02/the-next-pulitzer-goes-to-whoever-cheerleads-armageddon/
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Alex Chrstoforou YouTube冒頭はヴァルダイ会議でのプーチン演説。シリアの軍学校卒業式へのドローン攻撃。ウクライナの村にも。
Putin Valdai; Odessa, NS2, Prigozhin. Politico, Ukraine freaking out. Orban, EU is 1984. 44:42
ヴァルダイ会議でのプーチン演説映像はこちらにある。英語字幕あり。演説で、ソルジェニーツィンを引用している。
はじめに~グローバル・サウスの声を聴け!! 日本のメディアがほとんど報じないグローバル・サウスの国々の国連総会の刺激的な一般討論演説をIWJが独りじめ紹介! 第2弾!「富める者と貧しい者の間の溝を埋めるために協力と連帯が不可」と主張し「紛争の予防と平和構築への投資」を提言する南アフリカのラマポーザ大統領に対して、ウクライナに武器支援し続けている、南アの旧宗主国英国のオリバー・ドーデン副首相は「プーチンは明日にでもこの戦争を止めることができる」と言行不一致!!
さらに「地球の諸問題」は「AI革命が解決する」!? 同じ英国人でもジョージ・オーウェルの洞察力に富んだ言葉「現在を支配する者は、過去を支配する」「過去を支配する者は、未来を支配する」を、ドーデン英副首相はかみしめるべきでは!?
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