シンクタンクは戦争で金儲けをする連中のための情報ロンダリング装置
イギリス人億万長者が所有する新聞テレグラフには、ロッキードマーティンが製造したミサイルの有料広告のように読める恐ろしい新しい記事がある。
ケイトリン・ジョンストン
2023年9月6日
イギリス人億万長者が所有する新聞テレグラフに、ロッキードマーティンが製造したミサイルの有料広告のように読める恐ろしい新記事がある。題名さえマーケティング・チームが書いたように見える。「戦争に勝つ蝟集ミサイルは台湾から中国を速やかに叩き出す」副題は「ラピッド・ドラゴンは太平洋で米空軍に決定的な優位性を与え軍事上、形勢を一変させる」。
この記事は彼の記事について私が以前書いたことがあるデビッド・アックスという戦争宣伝家が書いている。ロッキード・マーティンのJASSMミサイルに関する彼の密かな広告記事は軍産複合体が資金提供するシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の調査結果を中心に展開しているが、ロッキード・マーティン・コーポレーションがこの研究所の最大寄贈者の一社だと知れば、衝撃を受け、驚き、驚嘆し、唖然とするはずだ。
言うまでもなく、教育・情報提供を目的とする客観的ニュースと偽って提示される記事で、この新しい技術の素晴らしさを祝うあふれんばかりの文のどこにも、この極端な利益相反についてデビッド・アックスは言及していない。
昨年「戦略国際問題研究所(CSIS)の専門家が、中国の台湾侵攻をシミュレートする一連の戦争ゲームを実行した際、彼らは驚くべきことを学んだ」と彼は始める。「ゲームは、米海軍の大部分が破壊された後、ほぼ単独で戦う米空軍が、ほぼ独力で中国侵略軍を破壊可能なことを示した。」
「このシミュレートした空中勝利の鍵はロッキード・マーティン製の統合空対地攻撃ミサイル(JASSM)」ミサイルだったとアックスは続ける。これはステルスで高精度巡航ミサイルで、発射する戦闘機から数百マイルの範囲に到達可能だ。JASSMには長距離版や特殊な対艦版もあり米空軍と姉妹組織は数千発のミサイルを数十億ドルで購入している。」
If you want to be even more depressed than you already are about the sheer state of Western media, read this Telegraph article which literally reads like an advertorial for a Lockheed Martin missile, and promotes the idea of war with China.https://t.co/pnovIJN0Lm
— Arnaud Bertrand (@RnaudBertrand) September 5, 2023
「数百発あるいは数千発のステルス巡航ミサイルが西太平洋を波高で急行し、中国の艦船、港湾、空軍基地に同時に照準を合わせるのをご想像願いたい」とアックスはまくしたて、「台湾をめぐる戦争ゲームをシミュレートする戦争ゲームでCSISシンクタンクが、このミサイルを「決定的」と呼んだのには理由がないわけではない」と付け加えた。
そう、デビッド・アックス、ロッキード・マーティンが資金提供するシンクタンクが、ロッキード・マーティンのために数十億ドル稼ぐ製品に関して素晴らしいことを言うのは理由がないわけではないことに我々全員同意だ。立派なジャーナリズムだな、あんた。
アックスがマーケティングを担当したこの兵器システムは、複数の巡航ミサイルを巨大貨物機の後部に搭載を可能なパレットに搭載しており、原子力科学者会報の警告対象となっている。先月、ブレティンでジョージMムーアは次のように書いている。
「核兵器を運ぶラピッド・ドラゴンを開発する可能性は何の注目も受けていないようだ。AGM-86空中発射巡航ミサイル(ALCM)は核搭載可能で、現在B-52で輸送可能だ。ラピッド・ドラゴンがALCMを配備し、ラピッド・ドラゴンを使用できる貨物機を核輸送機に変えることを妨げるものは何もなさそうだ。
「核兵器輸送にラピッド・ドラゴンを使用する可能性(そして最終的にそうなるだろう)は、本格的な核兵器制限が再開された時、新たな問題を生み出すだろう。ロケット廃止を要求する過去の軍備管理協定と異なり、後部ランプを備えた貨物機の制限を交渉する方法はない。」
"The potential for nuclear launch from cargo aircraft creates new tactical problems that could affect survivability and deterrence concepts."https://t.co/lXPCZidT0w
— Bulletin of the Atomic Scientists (@BulletinAtomic) August 8, 2023
つまり億万長者が所有する屑ニュース機関は、ロッキード・マーティンが後援するシンクタンクに認められたロッキードマーティン製品をマーケティングし、それをジャーナリズムに偽装すると同時に、核戦争につながる可能性のある技術を使って中国軍と戦い、戦争に勝つという考えを当たり前化している。帝国プロパガンダ世界のいつもの日だ。
通常、シンクタンクは、学者が金持ちや権力者から報酬を得て、邪悪で愚かなことをするのは善良で賢いことだいう屁理屈をひねり出す機関にすぎない。現在世界で起きている最も堕落した出来事の一つは、戦争で金を儲ける企業や金権政治家が、非常に影響力がある戦争挑発シンクタンクに資金提供するのを許され、それが戦争や軍国主義を支持する政府の政策立案者の考え方に影響を与え続けていることだ。テレグラフのようなメディアは、この計り知れない利益相反を視聴者に開示することなく、戦争で儲ける連中が資金提供するシンクタンクを、外交政策や国際問題の専門家として日常的に引用している。最近のクインシー研究所調査によると、ウクライナでの戦争に関して報道する際、主流マスコミが引用したシンクタンクの85%が、ロッキード・マーティンやレイセオン、ノースロップグラマンなど戦争で金を儲ける企業から資金提供されている。
これはジャーナリズム上の違法行為だ。戦争や軍国主義や外交関係問題に関し、戦争で儲けるシンクタンクを引用するのは、決してジャーナリズム倫理には合致しないが、欧米マスコミは欧米帝国のプロパガンダ企業なので、この計り知れない利益相反を読者に開示さえせず、絶えずそれを行っている。
帝国が資金提供するシンクタンクを欧米記者が引用するのは、それを推進すれば出世に役立つのが分かっている帝国が認める路線に、メディア速記者が一般的に同調しているためで、高価な戦争機械を世界のあちこちに送る必要があると宣言する際に引用する公式に見える「専門家」「情報源」が得られるからだ。だが実際、そのような引用には理由が一つる。「軍需産業は更なる戦争を支持している」。
この「軍需産業は更なる戦争を支持している」という見出しこそ上記全ての記事が実際に伝えていることなのだが、受ける側が洗脳されていると知らない場合のみ、洗脳は機能するので、ニュース報道に偽装しているのだ。我々一般市民にできるのは、人々がどこで、どう洗脳されているかを何度も何度も強調し、あらゆる機会に、この情報ロンダリング操作の邪魔をすることだ。
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昨年夏以来、昼のバラエティー番組も夜の呆導番組も全く見ていない。電気が多少節約できる。英語youtubeは見ている。例えば下記。
An Endgame for the Ukrainian War w/ John Mearsheimer, Alexander Mercouris and Glenn Diesen 1:20:29
デモクラシータイムス
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
ロシア・プラウダ紙「単純で普通の散歩は、私達が想像するよりも健康に大きな影響を与える」週に 5 日、30 分のウォーキングで、冠状動脈性心臓病のリスクを 19%減、関節痛のバランス、免疫システム強化、ストレスに対する解毒剤、楽しくカロリーを消費
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