老朽化したイギリス 学校は崩壊し、チャレンジャー戦車は木っ端微塵に吹き飛ばされる
フィニアン・カニンガム
2023年9月13日
Strategic Culture Foundation
選挙で選ばれていない首相による公的資金の法外な誤配分は老朽化したイギリスの全てを物語っている。
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イギリスの学校の休みは夏だけではない。どうやら秋もだ。生徒の頭に崩落する危険のため何百もの学校がイギリス全土で閉鎖を余儀なくされている。その問題だけでも、今日のイギリスの老朽化状態について多くを物語っている。
イギリスの名声に対するこの恥ずかしい打撃に加えて、今年初めに鳴り物入りでウクライナに配備されたチャレンジャー2主戦場戦車の破壊が報じられている。
無敵なはずの戦車は最初ロシア地雷で止められ、更に飛来するロシアのコルネット・ミサイルで、即座に砲塔が吹き飛ばされた。チャレンジャー2戦車が、これほど目に見えて破壊されたのは初めてだと考えられている。イギリスの武勇に対する打撃によるそのような衝撃はBBC報道さえ隠せなかった。
以前のイギリスの犯罪戦争、イラクやアフガニスタンへの配備で、チャレンジャーは軍事的に弱い敵に立ち向かっていた。彼らは堅牢な戦車という過大な評判を得た。現在ロシアの猛烈な火力に対し、イギリス戦車はより困難な条件下にあり、さほどうまくいっていない。
したがって、イギリスにとって悪い週だった。安価なコンクリート構造のため崩壊する学校やロシア攻撃を受け段ボール箱のように潰される手ごわいはずのチャレンジャー戦車。
興味深いことに、一見無関係なイギリスの不幸は、選出されていないイギリス首相リシ・スナクという形で物理的つながりがあるのだ。呆然とする無能さのため前任者リズ・トラスが追放された後、彼は昨年10月ダウニング街10番地を引き継いだ。果てしのない汚職スキャンダルで辞任を余儀なくされたボリス・ジョンソンから引き継いだ、ほんの数週間のトラス在任だった。
超裕福なインド人妻がイギリスでは税金を払わないインド遺産の裕福な相続人スナクはトーリー党大改造の一環として首相職に押し込まれた。彼は国民によって現在の役職に選出されたわけではない。それが皆にとってのイギリス民主主義だ!
今年2月、スナクは首相としてチャレンジャー2戦車をウクライナに送ると決定した。この動きは大胆なエスカレーションと見なされ、他のNATO同盟加盟諸国にキーウ政権に重い武器を送るよう促した。その後、ドイツがレオパルト10戦車を供給し、フランスがAMX-1を寄付し、最終的にアメリカによるM1エイブラムス戦車送付が続いた。
イギリスのおそらく最高ハードウェア14輌送付の決定を、ウクライナ軍がロシア防衛線に向かって前進するのを可能にする形勢を一変させるものとして、スナクは自賛した。
しかし、八か月後、形勢を一変させるとされるイギリス戦車はウクライナ軍に何の恩恵も与えておらず、ドイツのレオパルト2戦車も、他のあらゆる雑多なNATOの「奇跡の兵器」も恩恵を与えていない。
実際、ほぼ全ての説明で、NATOが支援するウクライナ反攻は、優勢なロシア火力で軍や装備が破壊されるにつれ、失敗から大災厄へと急速に変わりつつある。元イギリス陸軍将校連中でさえ戦場での悲惨な敗北を認めている。
選挙で選ばれていないスナクの下、ウクライナへの軍事援助でイギリスは合計4億ポンド(6億ドル)を約束した。イギリスは、ウクライナに約5億ドルの軍事物資を約束したアメリカに次いで、キーウ・ナチス政権に対する七番目に大きなスポンサーだ。
お聞き願いたい。チャレンジャー2戦車や劣化ウラン弾、ストームシャドウ巡航ミサイルやイギリス空軍偵察機や戦闘機の黒海飛行をスナクは簡単に許可したが、イギリス学校修復プロジェクトに対する個人的怠慢は何百もの機関を崩壊の危険にさらしている。
保守党が首相に任命する前、スナクは財務大臣としても知られる大蔵大臣だった。伝統的にイギリス首相はダウニング街11番地に住んでいる。首相が他の全政府部門の予算を管理している事実から、首相に次ぎ二番目に強力な地位と見なされている。
2020年から22年の首相在任中、学校修理資金をスナクは50%近く削減した。老朽化したコンクリート構造物の危機が迫っているという教育専門家委員会の警告にもかかわらずだ。今月新学期が始まって、イギリス全土の100以上の学校が強制的に閉鎖されたことで、その危機は現れている。壁や屋根の崩壊で、生徒や教師の命が危険にさらされる恐れがあるため全国的スキャンダルになっている。
金持ちのリシ・スナクは、たとえ彼が責任を負うことから徐々に抜け出そうとしても、スキャンダルの多くを直接非難されかねない。
他の多くの欧米政治指導者同様、この男は山師で、ウクライナにおけるアメリカ主導の対ロシア代理戦争の哀れなイエスマンだ。
スナクは手首に気取った友情ブレスレットを着けるのが好きで、公共の場でヒンドゥー教の平和のジェスチャーをする傾向がある。
一方、実際、ダウニング街の超特権的居住者は、社会福祉や収入の容赦ない削減を通じて、イギリス納税者が支払った数十億ドル相当の武器をウクライナ向けに承認している。イギリスでは戦争と貧困は密接に関係している。
イギリスの老朽化した学校を改修するには約1億ドルかかると推定されており、これはウクライナへの軍事援助でスナクが約束したものの約五分の一だ。それでも、この戦争挑発山師は、イギリス国民に対してさえ説明責任を負わない。
明らかに選挙で選ばれていないイギリス首相は、世界核大戦に巻き込まれる可能性がある無益で血なまぐさい海外戦争への資金提供を、イギリスの子供の教育や安全より優先事項だと見なしている。あえて言うなら彼は民主的に選出された指導者でないからだ。彼はアメリカ帝国主義の卑劣な家臣だ。ダウニング街の前任者の多くもうんざりする同じ弱点を持っていたと言える。しかし現職で責任を負わないスナクは全くの恥知らずだ。
選挙で選ばれていない首相による公的資金の法外な誤配分は老朽化したイギリスの全てを物語っている。それは名ばかりの民主主義で、それさえも、こじつけだ。
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Alex Christoforouのyoutube 冒頭はウルズラ・フォン・デア・ライエン「電気自動車を国家助成で買いやすい値段にして中国はEU業界を破壊している。EU産業を守ろう」一般教書演説。
Ursula, China cars in TATTERS. Russia NOT running out of weapons. Penn, melt Oscars for Elensky. 33:59
EUの対ロシア戦闘姿勢は強まるばかり。例えば、こういう記事がある。
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
世界メディアは福島第1原発から出る廃水をどう報じたか;BBC、ロイター、英紙ガーディアン記事中でcontaminated water(汚染水)、ドイツ通信社radioactive water(放射能汚染水)。米CNN、NYT、WP等treated water(処理水)。中韓は「汚染水」
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