« 帝国に反対することは、我々の思いやりの輪を広げることを意味する | トップページ | 白頭ワシの鳴き声さえプロパガンダ »

2023年9月 8日 (金)

中国の発展を阻止し損ねている制裁

2023年9月4日
Moon of Alabama

 中国に関連するこれら見出しは、非常に速い歴史的発展を示している。

 最後のリンクから:

 月曜日、中国との競争力を高めるための新たな構想の一環として、今後二年以内に複数ドメインにまたがる何千もの独立自律システムを配備すると国防総省は約束した。

 レプリケーターと呼ばれるこの計画は、国防産業協会の新興技術会議で講演したキャスリーン・ヒックス国防副長官が発表した。

 「レプリケーターは、小型、スマート、安価で多数のプラットフォームを活用するため、米軍イノベーションの遅すぎる移行の進展を促進する」とヒックスは述べた。

 中国産業は、他の生産者の設計をコピーすることで発展した。しかし新市場向けに、より良い製品や新製品を生産し始めるまでに、ほんの数年しかかからなかった。歴史的に、これは新しいことではない。ドイツの産業発展はイギリスの製造過程と製品を盗むことで起きた。数年後、ドイツの工業製品はイギリス製品と競争できるようになり、イギリスはドイツ技術を模倣し始めた。

 2018年、中国は同調する巨大ドローン群で空中で画を描くデモをした。


拡大する

 現在、国防総省はそのような機能を複製したいと考えている。

 複製:動詞-誰かの実験や作業や研究を複製する際、全く同じ方法で、自分でそれをすること。

 贈り物で中国DJIのドローンをもらった。優れた製品だ。法定範囲内にとどまるのに十分軽量だ。優れた飛行特性を持ち、優れたハードウェアとソフトウェア設計と使いやすさを備えている。信頼性が高く、妥当な価格だ。包装さえ非常によくできており製品価値を高めている。

 あまりに高価なアップル製品を除けば、この全体的品質レベルに近い多くのアメリカやヨーロッパの一般向け商品を私は知らない。

 中国企業が消費者向けに生産する品質のドローンを中国軍が手に入れれば、それは他の誰より一世代先を行く可能性が高い。

 議会の汚職調査対象になる長い調達過程の国防総省が追いつけるかどうか疑わしい。

 2019年、トランプがファーウェイに最新チップの利用を拒否して制裁した際、私は次のように書いた

 ファーウェイは現在、スマートフォンやネットワーク製品の多くにアメリカ製チップを使用している。しかし中国は長い間アメリカの動きを予想し、真面目に備えてきた
...
 間もなく、アメリカのチップ企業各社は世界第2位のスマートフォン・メーカーに全売り上げを奪われることになる。その損失は一時的なものではなく恒久的なものになる。

 報いを受けるときが来たのだ。

 先週、ファーウェイは新しい携帯電話Mate 60 Proを発表した。制裁が実施されて以来、同社は携帯電話やその他機器用の本当に新しいCPUを開発した。このプロセッサのアメリカ企業による分解と暫定的解析をブルームバーグが報じている。100%中国製のシステム・オンチップはかなり複雑だ。

 tphuang @tphuang - 2023年9月4日 2:25 UTC

 キリン9000S分解は実に驚き

 CPU、GPU、5Gモデム、ISP、DSP + NPU(アセンドライト/タイニーコア+ TPU付き)が入っている

 これら全てが積層なしで110mm2のダイに詰め込まれている
...
 分解/テストした9000Sは、9000やSD 888 +より優れた全体的CPU性能と消費電力を示し、高度パッケージなしでSD 8 Gen 1より優れたピークCPU性能を示した。


拡大する

 ファーウェイは並外れた人物が作った並外れた企業であるため、これができたのだ。

 月曜、同社の従業員用ウェブに掲載した最新の講演で、中国の通信機器メーカー華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)創業者兼最高経営責任者(CEO)任正非(Ren Zhengfei)は、アメリカに制裁されている、このハイテク大企業に、特定分野での技術的優位を維持し、社内人材育成に注力するよう促した。

 7月28日に行った講演で「ファーウェイは米ドルではなく人材を大切にする」と任は述べた。「全側面ではなく、いくつかの事業で世界的に先行するため我々は一生懸命努力している。当社製品の場合、種類は比較的狭いかも知れないが研究範囲はずっと広い。」

 7月の講演で、有能な労働者の最高の動機は情熱だと任は述べた。

 「物質的報酬はそれほど重要ではないと思う」と彼は言った。「まず[労働者]が情熱を持てる場所を見つけることだ。興味あることに取り組めれば、後悔はない」

 初めから事業のあらゆる側面に長けている人など誰もおらず、人が単一の専門分野を超えて才能を伸ばすには時間がかかると任は付け加えた。「[時とともに]誰がリーダーになるかわかる。それは自然な過程だ」と彼は言った。

 私も働きたい会社に思えてくる。アメリカによる制裁に対するファーウェイの対応は、あきらめることではなく、より多くの人々を雇うことだった。

 長年、人材採用はファーウェイにとって重要だった。同社がアメリカ政府によりブラックリストに載せられたわずか数か月後の2019年「トップマインド」として知られる計画を任は開始した。当時ファーウェイがWeibo微博に投稿した広告によると、後に「Genius Youth」計画と呼ばれるこの採用活動では、研究で「具体的で影響力ある」結果を生み出した候補者や最高の研究栄誉の受賞者を優先していた。

 同社ウェブサイトによると、ファーウェイは全世界で207,000人の従業員を擁し、55.6%が研究開発要員だ。これは、同社が195,000人を雇用し、そのうち548%が研究開発に従事していると述べた2021年末から増えている。

 それはより小さな生産および販売部門が付属する非常に大規模な研究開発企業なのだ。金融や事業に対する欧米の姿勢は、そのようなことを決して許すまい。

 これも、アメリカが中国との技術戦争で負けつつある理由の一つにすぎない。

 世界最大の通信インフラ企業で、アメリカによる世界的抑止作戦の標的、ファーウェイが主に実施している、産業オートメーションにおける注目に値する一連の中国の先駆的製品を欧米メディアは、ほとんどの場合無視している。完全自動化された工場、鉱山、港、倉庫は既に稼働しており、北京では最初の商用完全自動運転タクシーサービスが開始されている。ファーウェイ関係者によると、同社は中国でローカル10Gネットワーク契約を10,000件結んでおり、そのうち6,000件は工場での契約だという。中国企業が独自データを使用して独自AIシステムを構築するのを支援するよう設計したソフトウェアプラットフォームをファーウェイのクラウド部門が立ち上げたばかりだ。

 これもまた一定の基盤が既に存在する場合、制裁では開発を止められないことを証明している。

 中国への技術輸出制限は、せいぜい、その場しのぎだ。世界の他地域を合わせたより多くの技術者が毎年卒業している中国は、チップ・リソグラフィ装置の世界有数のメーカーASMLが、最終的に、逆に独自代替品を開発するだろう。しかし、押さえつけは、その場しのぎとしてさえ失敗している。それらはいくつかの点で中国に高い代償を課しているが、第4次産業革命は阻止していない。それどころか、アメリカ産業による第4次産業革命技術の限定的な採用は、中国に大きく関与している企業に集中しているのだ。
...
 中国に対する技術的優位を維持するには、更に数千億ドル費やし、高度な技能を持った労働力を訓練し、より多くの科学者や技術者を教育または受け入れ、幅広い誘因を製造業に提供する必要がある。中国を抑圧しようとしても遅すぎる。それはもはや我々の能力の範囲外だ。我々の能力で残っているのは、アメリカの卓越性の回復だ。

 まあ、取り組みの幸運を祈ろう。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2023/09/how-sanctioning-chinas-development-has-failed.html#more

---------

 東京新聞 9月7日夕刊に今中哲二氏の記事があった。

福島の原発処理水 すぐ中止 取るべき策ある
頑丈な遮水壁設置、東電責任で長期保管を

 Dialogue Worksインタビュー、Matthew Hohという人、ウクライナ状況だけでなくアメリカ社会問題指摘は正論。

Deliberate Diplomatic Malpractice | Matthew Hoh 49:09

 耕助のブログ「技術保護主義の危険性を実証するファーウェイ・チップ」と同じ記事の翻訳。

No. 1907 ファーウェイのチップは技術保護主義の危険性を示している

 今朝の孫崎享氏メルマガ題名

製品世界シェア調査:日本勢、63品目中首位、6品目止まり。それもデジカメ等市場縮小品目。重要製品はシェア減。他方、中国勢、先端品で世界シェア拡大、18品目で中国勢がシェアを高めた。特にEV関係。株式引き受けで首位がゴールドマンサックスから中国中信に。

 日刊IWJガイド

「BRICSのニューパワー!? サウジとロシアが年末まで原油減産を続けると表明! 石油市場は高騰!!」

« 帝国に反対することは、我々の思いやりの輪を広げることを意味する | トップページ | 白頭ワシの鳴き声さえプロパガンダ »

アメリカ」カテゴリの記事

中国」カテゴリの記事

Moon of Alabama」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 帝国に反対することは、我々の思いやりの輪を広げることを意味する | トップページ | 白頭ワシの鳴き声さえプロパガンダ »

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

カテゴリー

ブックマーク

最近のトラックバック

無料ブログはココログ