戦争で大金を儲ける連中は大いに病んでいる社会の兆候
戦争は事業にとって良いことだ。
ケイトリン・ジョンストン
2023年9月20日
「戦争は事業にとって良いことだ。」
ヨーロッパ最大の武器見本市、2年ごとのDSEI防衛・安全保障装備インターナショナル展示会に関する最近のロイター記事「ロンドンの兵器見本市では世界的な戦争への恐怖は事業にとって追い風」の兵器業界幹部発言は、そういうことだ。ロイター記事の見出しに影響を与えた戦争で大もうけしている人物の名を挙げていないと知っても、おそらく驚かれるまい。
この記事はウクライナでの戦争と台湾での瀬戸際政策が軍産複合体の利益急増につながっている様子を説明しており、イギリスは2022年に武器輸出が倍増し、世界の軍事費は今後5年間毎年4%増加し続けると予想されている。ストックホルム国際平和研究所によるとヨーロッパの軍事費は2022年だけで13%増加し、世界総支出は史上最高2.24兆ドルに達した。
「我々は実に多忙だ」と大喜びの装甲鋼板企業の営業責任者はロイターに語った。
An executive from the arms industry tells Reuters "war is good for business".
— Dimitri Lascaris (@dimitrilascaris) September 18, 2023
And in Europe, business is booming.
In 2022, European military spending increased by 13%, bringing total global spending to an all-time high of $2.24 trillion.https://t.co/bTMQv0WdwP
戦争は事業にとって良いことで、更に良くなると期待されている。世界最大の兵器製造企業ロッキード・マーティンは昨年納税者が支援する自社株買いに助けられて、株価がなんと37%上昇し「ロッキード・マーティン:今後も巨大成長」という題の記事で、先月ロッキードの巨額利益は上昇し続けるとアルマ・ストリート・キャピタルの投資アナリストが予測した。現在の政治的雰囲気の中、エスカレートする地政学的緊張を「ロッキードマーティンが活動できる最も有利な条件」と呼び、筆者は次のように書いている。
「世界中の政府は、世界中で高まる地政学的緊張の下、防衛と安全保障の予算を増やしている。アメリカ政府も例外ではない。アメリカ政府最大の請負業者として、ロッキード・マーティンは国防予算増加の最大受益者になるに違いない。同社が既に第2四半期に前年同期比の純売上高成長率約8%に達しているのを考えると、マクロ経済状況の緩和とともに地政学的緊張の高まりにより、年末までに純売上高の二桁成長をすぐに達成できるとロッキード・マーティンは考えている。」
したがってロッキードCEOジェームズ・タイクレットがアメリカ軍事予算の最近の引き上げを「我々業界や企業が望んでいるのと同じくらい良い結果だ」と述べたのも不思議ではない。多数の人間を殺すために兵器装備する政府から莫大な儲けが得られるのだ。
Investment analyst says Lockheed Martin is still poised for "huge growth," with the current escalation in geopolitical tensions being "the most favorable condition that Lockheed Martin could possibly operate under" pic.twitter.com/L4komXMFrj
— Michael Tracey (@mtracey) September 15, 2023
「深刻に病んでいる社会にうまく適応するのは健康の尺度ではない」という有名な言葉があり、一般的にジッドゥ・クリシュナムルティに由来するとされているが、おそらくカート・ヴォネガットの息子マークが造語したものだ。死や苦しみや軍事大国間の非常に危険な瀬戸際政策行為から数十億ドルかき集める企業に関するこのような報道を読むたび常に「ひどく病んだ社会」という言葉が頭の中でガタガタ鳴るのに気づく。
企業が戦争と軍国主義から利益を得るだけでなく、選挙献金やロビー活動や影響力ある戦争挑発シンクタンクへの資金提供を利用して、実際それを更に推進するのが許される社会以上に病んだ社会を想像するのは困難だ。企業が外国人を家畜のように屠殺し、産業規模で利益を得るため臓器販売を許される場合と同じくらい邪悪だ。違うのは支払い方式だけだ。ところが、これをしている連中は、怪物のように檻に投げ込まれるのでなく、尊敬される雇用創出者として祝われている。
これは我々がうまく適応するよう努力すべき類の文明ではない。政府に大量殺戮兵器器を売ると億万長者になれる社会にうまく適応するのは健康の兆候ではない。軍産複合体がメディアを通てて情報を洗浄し、致命的製品や狙いを宣伝する社会にうまく適応するのは健康の兆候ではない。欧米が引き起こした代理戦争で、戦争利益を得る大企業が、戦争挑発に対する同意のでっち上げを助け、欧米の行動をマスコミに対して肯定的に紡ぎ出すシンクタンクに大金を注ぎ込みながら、莫大な四半期利益を享受できる社会にうまく適応するのは健全性の兆候ではない。
この社会が軍産複合体のような堕落したものを生み出せるなら、それは我々が溶け込もうとすべき社会ではない。我々は場違いだと思うべき社会だ。他の皆が流れにそって泳いでいる中、我々が流れに逆らって泳ぐべき社会だ。他の誰もがイエスと言っている中、はっきりノーと言うべき社会だ。
この社会は失敗可能な最大限まで、ものの見事に失敗している。我々はマインドコントロールされたディストピアに暮らしており、戦争で儲ける連中が公共政策を操り、グローバル資本主義の粉砕機に生物圏全体が送り込まれ、核ハルマゲドンに向かって急速に加速している。これは誰であれ設計可能な最も狂った文明だ。我々は可能な限り、これに対する反対意見と、それからの相違を模索するべきだ。
_____________
私の記事は完全に読者に支持されているので、この記事を良いと思われた場合、必要に応じて私のチップ入れにお金を入れる選択肢がいくつかある。私の記事は全て、自由にコピーでき、あらゆる方法、形式で利用可能だ。皆様が望むことは何であれ、記事を再発行し、翻訳し、商品に使える私が公開している記事を確実に読む最良の方法は、Substackメーリングリスト購読だ。全ての記事は夫のティム・フォーリーとの共著。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/20/war-profiteers-are-a-sign-of-a-profoundly-sick-society/
----------
Dialogue Works ウクライナ支援でNATOがロシア攻撃を強化しているが...
The Ultimate Dissolution of NATO | Col. Larry Wilkerson 39:53
シリアのアサド大統領中国訪問。再建のため投資。政権転覆を狙い侵略、石油盗掘し儲けるアメリカと大違い。
寺島メソッド翻訳NEWS
日本に「がくぜん」 ソロモン首相、国連総会で処理水放出を非難
デモクラシータイムス
要塞の島与那国 町民の4割が自衛隊関係者に?【半田滋の眼 NO.86】20230921 45:37
日本は大丈夫か?軍拡から女性政治利用まで WeN20230923 1:44:30
« アメリカのウクライナ戦争からアメリカが学ぶこと、学ばないこと | トップページ | 海外基地に関するアメリカ言説を反証する沖縄 »
「アメリカ」カテゴリの記事
- 当面ロシアへの長距離攻撃を行わないと決定したバイデン政権(2024.09.16)
- アメリカ大統領選討論会の妄想:戦争党という一つの党の二人の候補(2024.09.16)
- 討論は、自分こそ帝国殺人狂だという二人のろくでなしの自慢大会(2024.09.13)
「アメリカ軍・軍事産業」カテゴリの記事
- 当面ロシアへの長距離攻撃を行わないと決定したバイデン政権(2024.09.16)
- アメリカ大統領選討論会の妄想:戦争党という一つの党の二人の候補(2024.09.16)
- ウクライナ - 対ロシア新テロ作戦を推進するCIA/MI-6長官(2024.09.14)
- 討論は、自分こそ帝国殺人狂だという二人のろくでなしの自慢大会(2024.09.13)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- 討論は、自分こそ帝国殺人狂だという二人のろくでなしの自慢大会(2024.09.13)
- 民主党はあなたが彼らに投票するかどうか気にしないし負けるかどうかも気にしない(2024.09.15)
- 虹色の旗による虐殺 対 MAGA(アメリカを再び偉大な国にする)帽子による虐殺(2024.09.12)
- トランプ党対チェイニー党(2024.09.10)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- 当面ロシアへの長距離攻撃を行わないと決定したバイデン政権(2024.09.16)
- アメリカ大統領選討論会の妄想:戦争党という一つの党の二人の候補(2024.09.16)
- ウクライナ - 対ロシア新テロ作戦を推進するCIA/MI-6長官(2024.09.14)
- ドイツがアメリカのポチでいることの破滅的代償を示す選挙混乱とフォルクスワーゲンの苦境(2024.09.10)
コメント
« アメリカのウクライナ戦争からアメリカが学ぶこと、学ばないこと | トップページ | 海外基地に関するアメリカ言説を反証する沖縄 »
素晴らしい記事です。
全く、おっしゃるとおりです。
軍需ケインズ主義などという言葉がありますが、無駄使いをして需要を喚起する目的なら、武器でなくてもいいのです。
武器よりも、より身近な事業で無駄使いすれば良いだけです。
にもかかわらず、現代のおかしな風潮は、兵器の購入には際限なく大盤振る舞いするくせに、身近な支出はケチなことです。
何百億円もする兵器は爆買いするくせに、ごく安い身近な品物は、コストパフォーマンスだの、無駄使いをするなだの、言われます。
武器が増えても、生活は豊かになりません。
兵器は、全く不要です。
無駄使いなら、身近な事業と品物で、すれば良いだけです。
投稿: !&? | 2023年9月24日 (日) 13時14分