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2023年9月16日 (土)

ロシアと中国に対するアメリカ戦争挑発に関する2016年のジョン・ピルガー警告再訪

 「まるで致命的間違いを犯そうとしている過去の人々に、タイムトラベラーが警告するのを聞くようなものだ。」

ケイトリン・ジョンストン
2023年9月6日

 この英語記事の朗読を聞く(Tim Foleyによる朗読)。


 2016年3月、オーストラリアの有名ジャーナリストで映画製作者ジョン・ピルガーがロシアと中国に対するアメリカ帝国の攻撃的エスカレーションに関する緊急警告「世界大戦が始まった。沈黙を破れ」という記事を公開した。2023年にその一部を再読するのは、今世界が直面しているそびえ立つ問題へと最終的に成長する植物の最近植えた種子の横に目印の旗を立てるようなものだ。

 それは、致命的な間違いを犯そうとしている過去の人々に、タイムトラベラーが警告するのを聞くようなものだ。ウクライナにおけるアメリカの挑発や、NATOの軍国主義、中国包囲を指摘し、核戦争の急増する危険を警告し、核弾頭用の支出は「どのアメリカ大統領よりオバマ下で増加した」とピルガーは指摘している。

 「過去18か月間、第二次世界大戦以来最大のアメリカ主導による軍事力増強がロシア西部前線沿いに行われている」とピルガーは書いている。「ヒトラーがソビエト連邦に侵攻して以来、外国軍がロシアにそのような明白な脅威を与えたことはかつてなかった。」

 「かつてソビエト連邦の一部だったウクライナは、CIAのテーマパークになった」とピルガーは書いている。「キーウでクーデターを画策したワシントンは、隣国ロシアに敵対する政権、文字通りナチス腐敗政権を実質的に支配している。ウクライナの著名国会議員連中は、悪名高いOUNやUPAファシストの政治的子孫だ。彼らはヒトラーを公然と称賛し、ロシア語を話す少数派の迫害と追放を主張している。」

 「ロシアの隣国ラトビア、リトアニア、エストニアに米軍が戦闘部隊、戦車、重火器を配備している」とピルガーは述べていた。「世界第2の核保有国に対するこの極端な挑発に、欧米では沈黙で対応している」

 「核戦争の可能性を更に危険なものにしているのは、中国に対する並行作戦だ」とピルガーは続けていた。「アメリカは、弾道ミサイル、戦闘群、核武装爆撃機を備えた基地のネットワークで中国を包囲している。この致命的円弧は、オーストラリアから太平洋の島々、マリアナ諸島、マーシャル諸島、グアム、フィリピン、タイ、沖縄、韓国、そしてユーラシア大陸を越えてアフガニスタンとインドにまで広がっている。アメリカは中国の首に縄を掛けた。これはニュースではない。メディアによる沈黙。メディアによる戦争だ。」

 ピルガーは、母国オーストラリアがワシントンの対中戦争準備に巻き込まれている様子を強調したが、この傾向は、陣太鼓が大きく鳴るにつれて以来一層悪化している

 「2015年、極秘に、アメリカとオーストラリアはタリスマン・セイバーとして知られる史上最大の空海軍事演習を実施した」と彼は書いている。「狙いは、マラッカ海峡やロンボク海峡などのシーレーンを封鎖し、中東やアフリカからの石油、ガス、その他の重要な原材料の中国の入手を遮断する空海戦闘計画の予行練習だった。」

 ピルガーは、その年後半に公開された彼の素晴らしい映画「The Coming War on China 来るべき対中国戦争」の公開準備をする中で、これら全てを書いた。その中で、彼は、アメリカがアメリカ海岸近くで起きた場合には戦争行為と見なす方法で、中国をどのように戦争機械で包囲しているかを示し、核戦争の可能性の深刻さを強調している。

 ピルガーが警告したこと全て、彼が言ったこと全てが事実だと判明した。2014年、アメリカが支援したクーデターという火花と、益々拡大主義的で軍国主義的なNATOに対するロシアの恐れから、ウクライナで戦争が勃発し、二つの超大国間の敵対行為が限界点に向かって加速する中、少なからず、オーストラリアとして知られる大陸規模の軍事基地のおかげで促進されてアメリカ軍の中国包囲は急速に増大している。2016年には背景記事にすぎなかったものが、今や見出しを支配している。</p

 私がこれを持ち出すのは、何年にもわたり大国間の世界的な紛争に向けて我々がこの軌道に乗ってきたこと、それが遙か遠くから来る形で展開しているのを示すのに役立つと思うためだ。ピルガーの仕事の多くは予言的と呼べるが、ピルガーは予言者ではない。彼は何十年にもわたり帝国の行動を批判的に精査し、社会動向に注意しているジャーナリストにすぎない。彼は他の誰よりも早く世界が進む軌跡を正確に示せるが、それは以来、恐ろしい速度で同じ軌道に沿って動き続けている。

 物体が乗っている軌道が見える場合、その針路を妨害するため、どこに立つ必要があるか判断できる。ここ数年、核保有国間の世界紛争に向かう直線軌道に我々が乗っている事実は、その軌道に反対することが地球上の全生物にとって実存的に重要なことを示している。それでも依然メディアは、我々が有名人ゴシップや政党政治やドナルド・トランプに焦点を合わせるのを望んでいる。

 世界大戦は依然我々に接近している。我々は依然として沈黙を破り、それに反対する必要がある。支配者連中は長い間、我々をこの方向に導いてきた、我々が連中にそうさせるまで、連中は進路を変えるつもりはない。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/06/revisiting-john-pilgers-2016-warnings-about-us-warmongering-against-russia-and-china/

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