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2023年9月29日 (金)

ウクライナ戦争が2030年代まで続くのに我々は備えさせられつつある

 欧米当局者とメディア専門家は、大いに喧伝されたウクライナ「春の反攻」が壊滅的失敗だったのを直接認めているが、それをこの戦争に関する主流の政治的合意を再考する理由と見るのではなく、それどころか、反攻失敗は、流血の現状に我々が献身しなければならないことを意味するのだと皆に言っている。

ケイトリン・ジョンストン
2023年9月23日

 この英語記事の朗読を聞く(Tim Foleyによる朗読)。

 欧米当局者とメディア専門家は、大いに喧伝されたウクライナ「春の反攻」が壊滅的失敗だったのを直接認めているが、それをこの戦争に関する主流の政治的合意を再考する理由と見るのではなく、それどころか、反攻失敗は、流血の現状に我々が献身しなければならないことを意味すると皆に言っている。

 「ウクライナでの戦争は何年も続くとアメリカとG7同盟諸国は予想している」という題の最親記事で、アメリカに中央集権した権力構造はロシアに対する代理紛争を非常に長い間、可能性として2030年代まで支援するのを期待しているとブルームバーグは報じている。

 ブルームバーグは次のように報じている。

 「ウクライナでの戦争は、今後何年にもわたり長引く可能性があるとアメリカとG7同盟諸国は予想しており、その可能性を軍事、財政的計画に組み込んでいる。」

 「戦争は更に6~7年続く可能性があり、同盟諸国はそのような長い紛争のためキーウ支援を継続すべく財政的に計画する必要があると、あるヨーロッパG7諸国高官は述べた。

 「これは多くの当局者が今年初めに予想していたより遙かに長いが、ここ数ヶ月、ウクライナ反攻の進展の遅さが期待を弱めている。」

 全てのウクライナ領土を完全に奪還するというキーウの公式目標を達成するには「かなりの時間にわたり非常に多大な努力」が必要になると退任する統合参謀本部議長マーク・ミリーが最近のCNNインタビューで述べた。

 「ロシア占領下のウクライナから200万人以上のロシア兵全員を軍事的に撤退させるには、かなり時間がかかると私は言える」とミリーは付け加えた。「それは非常に高いハードルだ。それを行うには長い時間がかかるだろう。」

 最近のドイツ新聞ベルリナー・モルゲン・ポストのインタビューで、イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長も、この戦争は非常に長く続くと強調した。

 「ほとんどの戦争は始まった時最初に予想されたより長く続く。したがって我々はウクライナでの長い戦争に備えなければなならない」とストルテンベルグは述べた。

 「我々全員迅速な平和を望んでいる」とストルテンベルグは付け加えた。「しかし同時に我々は認めなければならない。ゼレンスキー大統領とウクライナ人が戦いをあきらめた場合、彼らの国は存在しなくなる。プーチン大統領とロシアが武器を置けば我々は平和になる。この戦争を終わらせる最も簡単な方法はプーチンが軍隊を撤退させることだ。」

 帝国運営者や擁護者によるこの主張を皆様は始終目にしている。ウクライナの平和への唯一の障害はロシアが撤退を拒否していることだ。もちろん、これはロシア侵略を引き起こしたことが知られている大量の広範に文書化された欧米による攻勢、ストルテンベルグ自身今月始めに認めた事実を無視している。

 

 この紛争をもたらした自分の攻勢を終わらせることに欧米が同意せず、侵略を終わらせるようロシアに要求するのは、降伏して、欧米帝国に支配され服従するようロシアに要求することだ。それは平和への呼びかけではなくワシントンと仲間の完全勝利の呼びかけだ。

 この戦争が終わったら、ウクライナのNATO加盟を承認すると確認し、この戦争は何年も続くという主張をストルテンベルグは強化した、これは事実上、ウクライナのNATO加盟が受け入れられないと感じるなら、ウクライナをロシア連邦に完全に併合するか、この戦争を永遠に続けなければならないというモスクワへのメッセージなのだ。

 「ウクライナはNATO加盟国になる。全ての同盟国がそれを明確にしている」とストルテンベルグは言い、戦争が終わった際、ウクライナはNATOの保護が必要だ、さもなければ「歴史が繰り返される可能性がある」と付け加えた。

 欧米マスコミも同じメッセージを伝えている。悪名高い帝国プロパガンダのぼろ屑、エコノミスト誌は「ウクライナは長い戦争に直面している。路線変更が必要だ」と述べ「TIME FOR A RETHINK(再考すべき時)」という言葉が走り書きされたウクライナ国旗を載せている。エコノミストについて何も知らなければ、これは果てしない代理紛争を支援するやり方の再考に関する記事だと一見思うかも知れない。特に冒頭段落で「計画は機能していない」「ウクライナはロシアが6月に占領した領土の0.25.%未満しか解放していない」と認めた後に。

 だが皆様は間違っているはずだ。エコノミスト誌が言いたいのは適時に勝てる戦争と考えることから、予見可能な将来にわたって続く戦争へと切り替えるべきだということだ。

 「ウクライナと西側の支持者両方が、これが消耗戦になることに気づき始めている。今週ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が会談のためにワシントンを訪問した。「私は長い戦争に備えなければならない」と彼はエコノミストに語った。しかし残念ながら、ウクライナは準備できていない。また欧米のパートナーもそうだ。どちらも依然反攻に固執している。彼らはウクライナの軍事戦略と経済を、どのように運営するか再考する必要がある。目標は「勝利」し再建を目指すのではなく、ウクライナが長期戦争を遂行する持続力を持ち、それにもかかわらず繁栄できるようにすることだ。

 だから、アメリカに中央集権した帝国が、またしても終わりのない戦争、出口戦略のない計り知れない破壊と苦しみを特徴とする、再び軍産複合体の懐に莫大な資金を注ぎ込む、もう一つの「消耗の厳しい戦争」に身を投じているのを、欧米帝国支配者と課題を設定するマスコミ連中は、できる限り明確にしているのだ。唯一の違いは、今回は核による絶滅の脅威という追加ボーナスを伴っていることだ。

 この全ては一体何のためだろう? 完全世界支配というアメリカ帝国の狙いを推進するため敵に対し年々敵意を増してハルマゲドン兵器を振り回すことでのみ維持できる現状。

 ウクライナでの戦争は間違いなく再考の時だが、そもそも我々をこの恐怖に陥れた怪物による再考ではない。
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 画像はNATOから (CC BY-NC-ND 2.0)。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/23/were-being-prepared-for-the-ukraine-war-to-last-into-the-2030s/

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