刑務所暮らしこそ相応しいバラク・オバマ
「リビア洪水の被害を受けた人々を支援したいなら、救援活動をしているこれら組織に当たってください」とオバマがTweetした。ええー、すみません? あなた。あなた本当にバラク・オバマさんですよね?
ケイトリン・ジョンストン
2023年9月16日
本記事執筆時点で既に何千人の人々が亡くなったリビアの恐ろしい洪水の被害者救援組織のリンクを第44代アメリカ大統領のTwitterアカウントがさりげなく、いくつか共有した。
我々が今リビアで見ている荒廃への道を開く上で、第44代アメリカ大統領本人が直接大きな役割を果たしていなければ、第44代アメリカの大統領にとって、もちろん、それは素晴らしく、当然のことだったはずだ。
「リビア洪水の被害を受けた人々を支援したいなら、救援活動をしているこれら組織に当たってください」とオバマはTweetした。
ええー、すみません? あなた。あなた本当にバラク・オバマさんですよね?
If you’re looking to help people impacted by the floods in Libya, check out these organizations providing relief: https://t.co/Vc9kbNgFuE
— Barack Obama (@BarackObama) September 15, 2023
2010年、石油豊富なリビアは洪水やその他の自然災害から身を守るための遙かに優れた国家インフラを備えており、国連人間開発指数でアフリカのどの国より上位にランクされていた。今日のリビアは混沌とした人道災害状態で、女性が性的奴隷制を強制されるなど、文字通り人道に対する犯罪が起きていると国連が支援する調査官は現在述べている。
何が変わったのだろう? あなたがこの記事をお読みなら、おそらく既に何が変わったのかご存じのはずだ。
2011年、アルカイダとの広範なつながりを持つ反政府勢力が長年のリビア指導者ムアンマル・カダフィを殺害するのをアメリカ、フランス、イギリスの軍隊が支援し、それは即座にリビアを暴力、混乱、過激派、不安定に陥れ、今日も続いている。当時NATO諸国は、殺人的なアルカイダとつながりがあるジハード主義者を支援しているのを知っていたことが後に明らかになった。
カダフィ軍による平和的抗議行動参加者に対する大量虐殺やバイアグラを使った大規模強姦計画の疑念を防ぐため企画され、偽って「人道的介入」と呼ばれたNATOのリビア攻撃は、路上でカダフィを残虐にリンチし、肛門を銃剣で突き刺した後、殺した政権転覆作戦へと早々変身した。2016年リビアへの介入を正当化するため使われた話は「入手可能な証拠に裏付けられていない」のを数年後イギリス下院外交委員会が発見した。
「リビアでの反乱の性質についてイギリス政府が適切な分析を行った証拠は見られなかった」と報告書は述べている。「イギリスの戦略は誤った仮定と証拠の不完全な理解に基づいていた。」
これは、カダフィの死の何か月も前に、アムネスティ・インターナショナルと国連の人権調査官が表明した、介入で阻止するのを意図した残虐行為の証拠が見つからないという懸念を裏付けている。イラク侵攻後、政策変更は行われず、世界に恐怖を与えたことで誰も罰せられなかったため、教訓は学ばれず、それが再び起きたのだ。欧米は更なる別の悲惨な軍事介入へとだまされ、今日までこの地域の人々に深刻な影響をもたらし続けている。
If you want to understand the human devastation we're hearing about in Libya rn, as well as why a regional war threatens to break out over Niger, you could do worse than read this brief history of the "successful" & popular 2011 Libyan intervention.https://t.co/OvYvMjnHVm
— Branko Marcetic (@BMarchetich) September 14, 2023
ニジェール危機に関しResponsible Statecraftに今月始めに掲載された記事で、前政権を追放したニジェール軍事政権は、ニジェールやサヘルの他の国々が、リビアでのNATOの危険な冒険の安全、政治的、人道的影響「負の社会経済」のおかげで10年以上苦しんできた「治安状況の継続的悪化」のためクーデターが必要だと明確に述べている」とブランコ・マルセティッチが興味深い観察をした。
リビアでの政権転覆介入は、同じ手段で、速やかにシリアの政権転覆介入に移行することを意図していたともマルセティックは指摘している。
「ジョン・マケイン上院議員(共和党)、ジョー・リーバーマン上院議員(無所属-コネチカット州選出)、ジョン・ケリー上院議員(民主党-マサチューセッツ州選出)は全員飛行禁止区域設定を主張した。「私は軍隊が大好きだ...しかし彼らは常に、なぜできるかではなく、できない理由を見つけるようだ」とマケインは不満を漏らした。アメリカン・エンタープライズ・インスティテュートのダニエル・プレトカは、これは「重要な人道的一歩」になるはずだと述べた。今やなき外交政策イニシアチブ(FPI)シンクタンクは、ネオコン人名録をまとめて、同じことを再三促した。当時のバラク・オバマ大統領への手紙の中で、彼らはオバマのノーベル平和賞演説を引用し「無為は我々の良心を引き裂き、後に、もっと費用のかかる介入を招く可能性がある」と主張した。
「当時のヒラリー・クリントン国務長官は、オバマに行動するよう説得するのに尽力したと報じられたが彼女自身も同様な議論に惑わされていた。カダフィが倒れれば「欧米の限定的ながら的を絞った軍事支援と身元の確かな反乱」は中東の独裁者を倒す新しいモデルになる可能性があると友人で非公式顧問のシドニー・ブルーメンソールが彼女に請け合った。同様なシリアの悪化する状況を指摘して「シリア問題を変える可能性がある最重要な出来事は反乱成功の例となるカダフィ政権崩壊だ」とブルーメンソールは主張した。
そして、それこそが、まさにオバマ政権がやろうとしていたことだ。政権転覆を実現する狙いで、再びアルカイダとつながる戦士側にシリアに武器を注ぎ込むこと。ダマスカス政権打倒を阻止するためロシアが2015年に介入していなければ、シリアはリビアと同じ運命をたどっていたはずだ。
つまり前政権がアフガニスタンとイラクに火をつけたのとほぼ同じ方法で、オバマと仲間が、焼却炉に立て続けに投げ込んだ二つの国だ。ブッシュ時代の露骨なハルクスマッシュ風地上侵攻より少々ずる賢く緻密に実行されたが、オバマの悪行に引き起こされた死や苦難や不安定化も同様に現実的なものだった。
これは明々白々なのに、それでもワシントン・ポストなどの帝国プロパガンダ・メディアは、リビアの現在の問題は「皆に」責任があると言う。ワシントン・ポストは「リビアの大惨事は皆のせいだ」という題の新記事を掲載しているが、これはチャールズ・マンソンがマンソン一家殺害は皆のせいだと言うのといささか似ている。NATOによるカダフィ打倒も何らかの役割を果たしたことを認める前に「各派閥の確執や崩壊したリビア政権政」や、この地域の他の国々は、リビア洪水から国民を適切に保護できなかったと、記事の筆者イシャーン・タロールは非難している。
"Everyone" meaning "NATO" here. pic.twitter.com/WKN9FPg3lC
— Alan MacLeod (@AlanRMacLeod) September 15, 2023
「十年間の紛争と分裂が、いかにリビアに災害の危機をもたらしたか」と題するワシントン・ポスト記事は、カダフィは「NATOが支援するアラブの春の蜂起中に反乱軍に殺された」残忍な独裁者だったとだけ言って、リビアの苦難に関するオバマやNATO諸国政権の責任を全く問うていない。しかし、2011年以来、リビアのインフラが崩壊状態にあるためにリビア人が現在死にかけていることは認めている。
「砂漠や沿岸地域にまたがる地形のこの国は、人為的な気候変動に対し非常に脆弱だ。しかし、ダム・ネットワークなどの基本的サービスやインフラ改善や維持は優先順位が下がっているとワシントンのシンクタンク中東研究所のリビア専門家メアリー・フィッツジェラルドは述べている。
「2011年から2014年、リビアのインフラ状態について既に懸念があった」とフィッツジェラルドは述べた。そして、リビアは2014年から2020年まで6年の内戦を経験し、その紛争中に多くのインフラが損傷した。あれから3年経ち、敵対する政権が存在し、再び政治力学は複雑になった」
リビアを粉々に粉砕するNATO作戦をアメリカが主導して以来、この国は紛争、暴力、苦難の継続状態にある。それでもNATOは「防衛同盟」だと帝国あほうは言うだろうし、オバマ最悪のスキャンダルは一度、褐色のスーツを着たことだとリベラル派は言うだろう。
バラク・オバマは刑務所の中こそ相応しい。彼の犯罪は全く許しがたいもので、法律が連中を保護するのではなく、世界最悪の犯罪者を罰するため存在していれば、彼は重警備刑務所の独房で朽ちているはずなのだ。
人々がリビアに支援を送り、そうすることへの呼びかけを影響力ある人々が増幅するのは全て正しく良いことだ。しかし第44代アメリカ大統領が、マスメディアに非難されたり酷評されたりすることなく、自ら破壊を幇助した国を支持するふりができる事実は、我々がウソとプロパガンダに支配された世界に暮らしていることを示している。
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画像はNASA HQ photoから (CC BY-NC-ND 2.0)。
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/09/16/barack-obama-belongs-in-a-fucking-cage/4
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『私の闇の奥』も、この話題の記事を書いておられる。
12年前、下記記事を翻訳した。原文へのリンクは切れている。いわゆる検索エンジン、想像通り、隠蔽エンジン化。DuckDuckGoは別。
洗脳電気パネル(TV)属国軍事評論家怪説は見聞きせず英語youtubeを聞く。
The New Altas
反攻が失敗する中ウクライナの惨敗でロシア火砲にかなわないのを認める欧米
West Admits Russia Outguns Them as Ukraine Suffers Heavy Losses Amid Failing Offensive 1:00:21
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
がんの要因、感染がトップに、感染は男性の発がん原因の約18%、女性の約15%、男女ガン原因のトップ17% B型やC型の肝炎ウイルスによる肝がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)による子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリによる胃がんなど
はじめに~平和でも防衛でもなく戦争と軍事帝国を作り出すのがNATOの本質!『グレイゾーン』のコスゴローブ記者が国務省のミラー報道官を追及! NATOとはオープンドア政策を盾に加盟国の拡大を目指す機関!「NATOの絶え間ない拡大は、基本的に米国に諸国家を吸収し、国益を守るという点からその独立性を奪う機会を与えている」! 独立性を奪われた、その先行モデルが日本だった!!
<号外を出しました!>新型コロナワクチンのタブーに切り込む!「ワクチン問題研究会記者会見第3弾、福島雅典医師『ワクチン契約は「不平等条約」』、『政治的な決断で「ワクチンでコロナ対策」に逃げ込んだ』、『ジャーナリストとしての気概と行動力を持て』!
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