オーストラリアを中国からアメリカが守っていると信じるのは愚か者だけ
人為的に操作された情報生態系が、オーストラリア人をとんでもない馬鹿にし、アメリカ帝国は、彼らを愛し、中国人から守りたいので、オーストラリアを戦争機械で満たしているのだと考えている。それはこの上なく愚かだ。
ケイトリン・ジョンストン
2023年8月29日
エコノミスト誌は最近オーストラリアに強い関心を寄せているが、エコノミスト誌について多少ご存じなら、あなたの国では決して起きて欲しくないことだ。この悪名高いプロパガンダ・メディアがここ数日発表した二つの記事は、オーストラリアがアメリカの戦争機械と益々絡み合って、アメリカ合州国と中国の熱い戦争に続く可能性が最も高い国と思われる事実を称賛している。
「アメリカのアジア同盟をジョー・バイデンがどのように変換しつつあるか」で、エコノミストは次のように書いている。
「一方、3月に締結されたAUKUS合意に続き、兵器購入や軍事演習が急増する中、オーストラリアとの「壊れない」防衛関係は深まっている。中国との戦争が勃発した場合、オーストラリア人は大半がアメリカ側で戦うことを喜んでいるようだ。オーストラリアの陸、海、空軍基地は、より多くのアメリカ軍を受け入れるため拡大している。AUKUS協定の下、オーストラリアは、アメリカとイギリスと共同開発する原子力潜水艦(非核搭載)などの独自の長距離兵器を獲得しつつある。この3カ国は、極超音速ミサイルから水中ドローンまで、他の軍事技術にも取り組みたいと考えている。
「安全保障協定『格子構造』を総合すると、アメリカの長年のアジア基軸がいかに加速しているかわかる」
Should war break out with China, Australia seems the most willing to fight at America’s side. Australian land, sea and air bases are expanding to receive more American forces https://t.co/EgcNm770Mk
— The Economist (@TheEconomist) August 27, 2023
「オーストラリアは、アジアへのアメリカの軍事的発射台になりつつある」で、エコノミストは、この戦争協力関係を「仲間」と呼び、それを「結婚」に例え、オーストラリアとの軍事技術の共有に対するアメリカ制限の緩和を求めている。
エコノミスト誌は「もしアメリカが中国と戦争をすることがあれば、オーストラリアは彼らと戦う可能性が最も高い同盟国だ」と述べ「オーストラリアの地理的優位性は、戦略家がゴルディロックス・ゾーンと呼ぶ点にある。アメリカがアジアに戦力を投射するのを支援するのに適した位置にあるが、中国のほとんどの兵器の範囲を超える」と付け加えた。それはまた広大なので、アメリカが中国に簡単な標的を与えるのを避けるため、中国の戦力を分散させるのに役立つ。」
ホワイトハウスの「アジア皇帝」カート・キャンベルがオーストラリアについて「今後40年間、彼らを閉じ込める」と言っているとエコノミストは報じている。
「しかし同様に、オーストラリアは同じ期間、アメリカを閉じ込めるかもしれない」とエコノミストは急いで補足している。
まあ、それは救いだ。
「世界は我々をどのように見ているか」と、エコノミスト記事を共有して元オーストラリア外相のボブ・カーがツイートした。
「歴史家は、現在オーストラリアで起きていることに完全に困惑するだろう。通常、国は自発的に主権を放棄し、自国の安全保障上の地位を悪化させることは決してない。彼らは通常、戦争に負けなければならず、そうするのを余儀なくされなければならない」と評論家のアルノー・ベルトランがカーの皮肉に付け加えた。
How the world sees us. The Economist: “Australia is becoming America’s military launch-pad into Asia.” Says “Australia is arming itself with weapons that can threaten China.” https://t.co/ORsbEE8bAW
— Bob Carr (@bobjcarr) August 24, 2023
それを認めるのに私は多いに苦しむが、エコノミストは絶対に正しい。昨年キャンベラのアメリカ傀儡政権が交代する前も後も、ワシントンの主人を喜ばせるため、オーストラリア政府は最大貿易相手国と熱い戦争に突入する用意があるあらゆる兆候を示してきた。
このごますり戦争準備は、2021年、アメリカが実際台湾をめぐって中国と戦争をするとは思わないが、彼らのために戦うだけオーストラリア人は十分愚かかもしれないと述べたインパクト・アジア・キャピタル共同創設者チャールズ・リューにユーモラスに中国国営メディアで嘲笑された。
「アメリカは台湾を巡って戦うつもりはない」とリューは述べた。「台湾を巡って戦争をするつもりはない。彼らは日本人にそれをやらせようとするかもしれないが、日本人はそれほど愚かではない。関与するかもしれない唯一の愚か者はオーストラリア人だ、申し訳ない。」
彼には謝るべきことは何もない。彼は正しかった。オーストラリア人は非常に、非常に愚かで政府だけではない。最近のLowy Institute世論調査によると、4分の3は、同盟がオーストラリアをアジアでの戦争に引き込まれる可能性を高めると考えると述べているにもかかわらず、オーストラリア人の10人に8人は、アメリカとの同盟はオーストラリアの安全保障にとって重要だと考えている。
それはまったく愚かだ。中国との戦争は、オーストラリアにとって絶対に最悪の安全保障シナリオだ。中国との戦争の可能性を高めるものは何であれ我々の安全性を低下させる。自身の利益を傷つけるまずい決定をするのは、愚かな人々がすることだ。
オーストラリア人が生来愚かだというわけではない。国民に関する限り、我々は実際かなり賢い。この場合、我々を愚かにしているのは、わが国のメディア所有権は欧米世界で最も集中しており、その大部分が長年のアメリカ帝国の手先ルパート・マードックに所有されている事実だ。プロパガンダを助長するこの情報環境は、近年、オーストラリア人の世界理解を非常に広範囲に歪めているおかげで、会話を始めて数分以内に、中国の危険性について、まったく見知らぬ人が私と口論し始めたことが何度もある。
この人為的に操作された情報生態系がオーストラリア人を余りに愚かにしたので、アメリカ帝国は、彼らを愛し、中国人から彼らを守りたいので、オーストラリアを戦争機械で満たしているとオーストラリア人は考えている。それはこの上なく愚かだ。
現在オーストラリアで広まっている唯一最大のウソは、防衛措置として、オーストラリア政府が、中国に対して軍事的に強化しているというものだ。中国は文字通り地球の反対側の国々を侵略し占領した歴史がない。それをした非常に広範な歴史は一体どの国にあるかご存じだろうか? アメリカ合衆国だ。オーストラリア軍が益々絡み合っている軍事超大国だ。その軍隊の最大のライバル(何十年も爆弾を投下していない)から身を守るための防衛措置として、我々は世界で最も攻撃的で破壊的で戦争をしたがっている軍隊と連携するという考えは、明らかに誤りで、完全な馬鹿しか、それを信じないだろう。
私たちは中国による将来の攻撃から身を守るため軍備強化しているのではなく、将来のアメリカ主導の対中国軍攻撃に備えて軍備強化しているのだ。我々と何の関係もない中国人の間の未解決の内戦に巻き込まれる準備として我々は軍備を強化しているのだ。中国は何千年も自国の問題を解決しており、爆弾発射に走り回る白人の助けを借りずにうまくやれてきたし、台湾も例外ではない。
Australians are not allowed to know if there are US nukes in our country and our government is forbidden to have information about US nuclear subs on our shores, because this is a totally normal alliance with totally mutual respect between two totally equal nations. https://t.co/NZIpcoxVQQ
— Caitlin Johnstone (@caitoz) August 24, 2023
まさにアメリカ帝国が、それをしている事実には言及せずに、中華人民共和国がいかに軍事力を使って台湾の支配権を掌握する準備をしているかについて帝国マスコミは休みなしに語る。アメリカ帝国は、最大のライバルをバルカン化し、弱体化させ、征服する長期的狙いを推進するため、中国から台湾を引き離す準備をしているのだ。
このどれもが防御的に行われていると信じるのは完全な猛烈な愚か者だけだ。それは世界で最も強力で破壊的政府のために一極支配を確保するべく行われており、それを推進するため自国の安全や経済的利益を危険にさらすのに同意するのは全くのバカだけだ。
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国名を入れ替えれば、そのまま。
最近『能力はどのように遺伝するのか』という新書を読んだ。
本論は別として、政治専門ではないのに突然の一節にびっくり。遺伝学を信じる気分も半減。
212ページ中程の文章。
(プーチンという心的資質と、それに従う遺伝的資質をもった人たちに独裁を許したロシアは、いままさにそのカタストロフィーの奈落に真っ逆さまに墜落しようとしている。本書が刊行されるとき、世界はどうなっているのだろう。)
国名を変えて、そのままお返ししよう。
(バイデンという心的資質と、それに従う遺伝的資質をもった人たちに独裁を許したアメリカは、いままさにそのカタストロフィーの奈落に真っ逆さまに墜落しようとしている。本書が刊行されるとき、世界はどうなっているのだろう。)
Alex Christoforou プスコフ飛行場を攻撃したドローン、エストニアは関与せずと。ウクライナから飛行するには長距離すぎる。
Estonia denial. Elensky, we hit target. Neocons, UKR great investment. Kuleba, shut up go fight. 41:49
烏賀陽弘道氏、ALPS水放出に関する動画を追加。
元の「ALPS水放出に関する12の誤りについて」の英語版も公開。
"12 Inconvenient Truth about the Ocean Discharge of Treated Radioactive Water from Fukushima NPP" 1:13:31
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
厳格な国籍管理を敷いてきた独が二重国籍の容認にカジを切る。二重国籍完全に容認 93か国:米、加、英、仏、伊等、国内の外国人のみ容認 23マレーシア、タイ、エジプト、南ア、国外の自国民のみ容認32越、イスラエル、モンゴル等、容認せず42国:日、中、印、サウジ、新加坡等
日刊IWJガイド
はじめに~「米国はかつてないほど頻繁に経済制裁を実施しているが、制裁は、和平プロセスや紛争後の復興を阻害し、平和組織を制約し、交渉を弱体化させ、紛争当事者間の対立を激化させる可能性がある」、「ワシントンは制裁を発動する際に明確な目的を設定し、制裁の効果について定期的かつ有意義なレビューを実施すべき」だと国際非政府組織「国際危機グループ(ICG)」が提言!
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