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2023年8月23日 (水)

問題は決してアメリカ大統領ではなく、アメリカ帝国だ

 大統領は作戦の顔に過ぎず、アメリカ政府が有権者の意志に対応しているという幻想を作り出すため連中が数年ごとに変更するドアに付ける名だ。

ケイトリン・ジョンストン
2023年8月10日

 この記事の英語朗読を聞く(Tim Foleyによる朗読)

 我々は常にアメリカ大統領について話す。オバマはこれをした、トランプはそれをした、何たらかんたら。しかし実際は大統領がそのようなことをすることは決してなく、帝国がしているのだ。大統領は作戦の顔に過ぎず、アメリカ政府が有権者の意志に対応しているという幻想を作り出すため、連中が数年ごとに変更するドアに付ける名前だ。

 実際、世界中のアメリカの権力構造の生データ(兵器の行き先、資源の行き先、金はどこに行き、どこに行かないのか、外交官はどこに行き、どこに行かないかなど)だけ見れば、ホワイトハウスの所有者が何時変わるのか毎年知ることができる。生データからは、現在の大統領がどの政党に属しているのか、どのような綱領で選挙運動をしたのか知ることはできず、彼が他の政党の誰かにいつ別の綱領で置き換えられたか知ることはできない。帝国の生データは、意味ある中断なしに、基本的に同じように動き続けるのだ。

 だから「オバマがこれをした」とか「トランプがそれをした」とか言うのは実際は真実ではない。実際、彼らはカダフィを殺したり、アジアへの基軸移行を始めたり、ベネズエラを制裁したり、ウクライナに武器を与えたりする際、たまたま、その作戦に参加していた顔にすぎないのだ。彼らは自分が最良政策と考えるものに基づいて様々な方向に米国政府を導く指導者ではなく、その瞬間に集めることが可能なあらゆる正当化や党派的影響力を使用して、帝国のあらゆるニーズに毎日対応する帝国経営者なのだ。

 そして、そのようなもののどれにもアメリカ人は投票できない。彼らは、地球規模の帝国のニーズを推進するために何をしなければならないか や、そもそも地球規模の帝国が存在すべきかどうかについて投票できない。帝国の行動は決して投票用紙に載っていない。投票用紙に載っているのは、大統領が中絶に反対する最高裁判所裁判官を任命するか、銃規制を支持するかなど帝国運営に干渉する可能性がない問題だけだ。そして投票する大衆は、これら問題のできるだけ多くについて継続的に50/50の比率で維持され、双方全力で綱引きをして、彼らが見上げて、政府の本当の大規模行動が綱引き前後の小さな利益や損失に全く影響を受けないことに気付かないようにしているのだ。

 実際「オバマがこれをした」やら「トランプがそれをした」という観点から大統領について話す唯一の理由は、この点を強調するのが狙いだ。オバマが前任者の全ての最も悪質な政策を継続し拡大し、トランプが彼の全ての最も悪性の政策を継続し拡大した事実を強調することだ。バイデン下で事態が良くなるか、トランプ下で悪化するか、オバマが進歩的だったか、トランプが和平工作者だったかに関する、あらゆる愚かな党派言説を混乱させるのだ。

 所属政党や綱領に関係なく、各政権下で起きた恐ろしいことを指摘すれば、政府の行動をアメリカ人が投票で制御しているという幻想は摩滅できる。この意味で、皆様は幻想を使って幻想と戦うことが可能だ。大統領と選挙政治に対する人々の強い関心を利用して、それら全てが、機械の内部の仕組みから大衆の目を遠ざけるよう設計された演技だという洞察を人々にもたらすのだ。

 そこで本当の変化の可能性が開かれる。そもそも投票したことのない問題から、投票で抜け出せるとアメリカ人が納得させられている時間が長ければ長いほど、実際の物質的手段によって実際の物質的変化を強制するため、有権者の人数の力を利用するのを思いとどまらせることができるのだ。

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画像はアドビ・ストックから。

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2023/08/10/its-never-about-the-us-president-its-about-the-us-empire/

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 ロシア・メディアRTの 2023年8月21日記事見出し、下記IWJ ニュース第1弾も引用!

 ドイツ人の70%が新首相を望んでいる 世論調査

 INSA/Bild調査によると、信号機連合の実績が前政権よりも優れていると考えているのはわずか15%だ。

 世論調査機関INSAがビルト紙のために実施した新しい調査によると、ドイツ有権者の3分の2以上がオラフ・ショルツ首相の仕事に不満を持っている。

彼のウクライナ政策批判者に対し、地獄から来た堕天使とショルツ

 日刊IWJガイド

「『ウクライナは勝てない』が米議会の共通認識に! 熱狂的なウクライナ支持者アンディ・ハリス下院議員も『もう勝てるとは思えない』と断言!」

はじめに~「ウクライナは勝てない」が米議会で共通認識となりつつある! 熱狂的なウクライナ支持者、アンディ・ハリス下院議員(共和党、メリーランド州選出)すら、15日夜のタウンミーティングで、「単刀直入に言えば、(ウクライナの反攻は)失敗した」「もう勝てるとは思えない」と断言! 上下両院における議会ウクライナ議員連盟の民主党議員の数は70%! ウクライナとの利権的つながりが大きい民主党でもこの認識! にもかかわらず日本国内にあふれ返るウクライナ勝利の可能性、ロシアの分裂・敗退必死といったデマ記事・番組・配信の数々!!

【本日のニュースの連撃! 3連弾!】

【第1弾 ドイツのショルツ首相が演説中に聴衆から「戦争屋」と罵声を浴びせられ、「ウクライナへの武器供与の停止を要求しているのは、平和ハト派ではなく『地獄から来た堕天使たち』だ」と反論!】ドイツのショルツ首相が演説中に聴衆から「戦争屋」と罵声を浴びせられ、批判者を「極右ポピュリスト」と決めつけ、「ウクライナへの武器供与の停止を要求しているのは、平和ハト派ではなく『地獄から来た堕天使たち』だ」と、「神学的」な反論! しかし世論調査では70%がショルツ首相に不満! 64%が政権交代を希望! ノルドストリーム爆破をひそかに知っていてドイツ国民に黙っていた疑惑は!?(『RT』、2023年8月21日)

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