資本主義は巨大詐欺だ
2023年7月17日
ケイトリン・ジョンストン
この記事の英語朗読を聞く(ケイトリン・ジョンストンによる朗読)。
成長する上で、人生で最も重要な瞬間の一つは、2000年代半ば環境破壊問題に対する消費者の解決策に焦点を当てたEarth Mumsと言う小さなエコブログを運営していた時だ。当時、資本主義が生物圏破壊を推進しながらも何らかの方法で解決策の一部になるよう変える可能性があると私はまだ信じていた。
Earth Mumsでの私の仕事を見て、自分達のウェブサイトにトラフィックを引き付けるため検索エンジンに合う記事を書くよう私を雇いたいと考えているバイオ燃料の新興企業から電話を貰った。私は面談のために彼らの事務所に行き、待っている間に、3人のパートナー(本当にエネルギッシュな起業家タイプ連中)が笑いながら連中が動かしている様々な事業について話すのを聞いた。
そのうちの1人は一袋1ドル未満で買える環境に優しい家庭用洗剤だったので、Earth Mumsが大いに好意的に見ていたLectric Sodaと言う製品のコンサルティング業務から戻ってきたばかりのようだった。
「言わないで、私に推測させろ。君は彼らに値段を倍にするように言った?」パートナーの一人が尋ねた。
「私は価格を4倍にするように言ったよ!」そのコンサルタントの男は言った。
地球を救いたいエコ戦士として自分を見せながら、家庭を環境に優しくするのを助けられる製品を、連中が、より買いにくくする様子は信じられないほど卑劣だと思った。私は彼らが仕事代金を払うだろうと思うより遙かに多く彼らに請求して、急いで去ったが、何と、その後間もなくLectric Sodaの値段が四倍に高騰したのだ。
それは私をすっかり意気消沈させ落胆させ、私はEarth Mumsを閉鎖することになった。この連中や彼らのような人々が、消費者の生態学的責任を、普通の人々にとって手が届かない価格の最先端のエリート用のものに変えようとしているのを見たのだ。世界が燃える中、金持ちが自分について気分が良くなり、我々は問題から抜け出せるという幻想を生み出すよう作られたeco chicやホールフーズ・マーケットやテスラなど新しい高級市場の他の全てが出現するまでそう長くはかからなかった。
それはまさに、この問題の大胆不敵な実例だった。Lectric Sodaの品質は向上せず、製造が難しくなったり入手が困難になったりすることもなく、需要と供給は同じままだった。市場が負担するので価格は変更された。市場の隠された手は、製品を魔法のように「正しい」価値に戻すことはなかった。そのような製品の価値は、起業家、コンサルタント、詐欺師、マーケティング担当者、広告マンによる言説操作で決定されるのだ。
「市場に決定させる」と言うのは、市場は操作に長けている人々に支配されているので実際は人々を巧妙に操る連中に決定させることを意味する。市場に決定させるというのは、海の潮汐や季節について話すかのように、需要と供給を自然な方向に導くことを意味すると教えられているが、実際は需要と供給の両方が極端な攻撃性で絶えず操作されている。ダイヤモンド供給操作。住宅供給操作。石油供給操作。広告を通じて、これまで欲しくないと思っていたものを欲しがるよう人々を操る。女性を操って自分のスタイルは良くないと思わせて化粧品を購入させる。ブランド戦略で、20ドルのバッグに2000ドル支払うよう人々を操る。「口臭」という言葉を発明し、それを心配するよう説得して人々を操り、リステリンを購入させる。ビーニーベイビーは単なる普通のぬいぐるみなのに、人々を操って貴重な逸品だと信じ込ませる。
資本主義は策略に支配された文明を我々に与えるのだ。トップに立つのは、できるだけ多くの人をだますのに成功した人だ。人々をだまして、もっと支払わせるようにするのだ。人々をだまし他の誰かの製品ではなく自社製品を購入させるのだ。実際に価値のあるものを生み出す人々をだまし、何も生産していないにもかかわらず報酬を受け取る仲介者になるのだ。競合他社をだまして間違った動きをさせるのだ。人々をだまして自社の非常に儲かる医薬品を医師に要求するよう仕向ける。人々をだまして特定の株や暗号通貨や非代替性トークンNFTを売買させるのだ。法制度や、それを普通の人よりよく理解している弁護士チームを使って人々をだますのだ。人々をだまして人々の飲料水を民営化して、ボトルに入れて売るのだ。
それは詐欺の競争だ。最高の詐欺をした人が勝つ。人間行動の全てが奇妙な詐欺競争によって動かされている時、一体どうすれば人間行動による破壊から地球を救うことができるだろう? そして、全ての中で最大の詐欺は、この体制が完全に機能していて、完全に持続可能だという物語だ。これは他のあらゆる詐欺をまとめる包括的詐欺だ。
資本主義支持者は、人々が参加するのを余儀なくされる強制システムだとして、しばしば社会主義を非難するが、皆様はこれを一体何と呼ぶだろう? 巨大な終わりのない詐欺競争の真っ只中に投げ込まれるよう私たちの誰が申し込んだだろう? 私をだまそうとする人々の試みにさらされて一生を過ごしたくない場合どうなるのだろう? 世界のより広範な利益のために協力するのではなく、誰もがお互いをだまして詐欺をしようとしている社会に住みたくない場合どうなるのだろう? 聞いてくれるだろうか。私はどれにも同意していない。私はこれを強制されているのだ。
資本主義の破壊性と堕落についてオンラインで話すと常に議論されている正確な問題ではなく、それが自分のものであるかのように「ハハー、でもあんたも資本主義に参加しているではないか」と言う連中がいる。そう!そう。請求書を支払い、生き続けるため資本主義社会に参加するよう私は強制されているのだ。それが私がここで対処しようとしている問題だ。それは囚人が刑務所制度に不平を言い、刑務所にいるため偽善者と呼ばれるようなものだ。
これが我々の社会が今日経験している精神衛生危機の大きな要因だと私は確信している。我々はこのシステムの中に閉じ込められており、誰かが金を稼ぐためという理由だけで、特定のことを考えさせ、感じさせ、欲望させ、嫌悪させようとする際限のないメッセージの集中攻撃で常に心理的に悩まされている。全ての人の心がこのように大規模心理操作に絶えず惑わされる文明で、一体どうして精神衛生が保てるだろう? 資本主義は空気や水を汚染するのと同じくらい我々の心を汚染するのだ。
それはすでにそうで、実に悪く、はるかに悪化する予定で、どこを見ても我々は政治的現状の本当の変化からはほど遠い。私たちにできるのは、できるだけ多くの方法でこれに注意を向け続け、十分な数の人々が目を開き何が必要か見始めるよう願うことだ。
________________
私の記事は完全に読者の支持によるものなので、本記事を良いと思われたら共有し、Facebook、Twitter、Soundcloudあるいは、YouTubeをフォローするか、Ko-fiやPatreonやPaypalのチップ入れにいくらか投げ銭していただきたい。更に多く読みたいとご希望なら、私の本を購入可能だ。私が発表する記事を読めるようにする最善の方法は、私のウェブサイトか、Substackでメーリングリストを購読することで、そうすれば私が掲載する全てのものについて電子メールで通知が行く。人種差別サイト以外、どなたでも無料で、お好きなあらゆる方法で、この記事のどの部分でも(あるいは私が書いた他のあらゆる記事でも)再配布、使用、翻訳されるのを私は無条件に許可している。私が一体誰で、私がどういう立場で、この場で何をしようとしているのかなどについて、より詳細をお知りになりたい場合には、ここをクリック願いたい。全ての記事はアメリカ人の夫ティム・フォーリーとの共同執筆。
ビットコイン寄付:1Ac7PCQXoQoLA9Sh8fhAgiU3PHA2EX5Zm2
画像はアドビストック経由。
気に入っていただけただろうか? Patreonで、ケイトリン・ジョンストン支援のために、数秒時間を頂きたい!
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2023/07/17/capitalism-is-a-giant-scam/
----------
マグレガー氏youtube
Col Douglas Macgregor: Talks Massive Russian Force On The Ground! 35:37
植草一秀の『知られざる真実』
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
独立系世論調査機関レバダ センタープーチン大統領の支持率 2019年1月64% 2020年1月68%、021年1月64%。22年1月69%。3月83%。10月79% 23年1月82%、6月81%「露軍の行動に対する支持も変化がなく、高水準を維持
「木原官房副長官の妻の元夫の遺族が記者会見! IWJが配信!『私たちが今ここにいるのが事実。「事実無根」ではない』と再捜査を要望!!」
はじめに~<IWJ取材報告>木原誠二官房副長官の妻の元夫「不審死」をめぐり、元夫・安田種雄さんの遺族が涙の記者会見! IWJがフルオープンで録画配信!!「不審死」容疑も『週刊文春』の報道もすべて「事実無根」と主張する木原氏側に対し「私たちが今ここにいるのが事実ですべて。『事実無根』ではありません。(刑事告訴で)訴えるのではなくて、みんなの前で説明して欲しい」と訴え、警察に再捜査を要望!!
« 全てを説明する1つの図 | トップページ | NATOはウクライナを守っていない。まさにウクライナの背中を刺している。 »
「新自由主義」カテゴリの記事
- アメリカによるヨーロッパ植民地化の影響(2024.11.13)
- 資本主義は巨大詐欺だ(2023.07.21)
- ニュージーランドは些事に至るまで国民を管理する欧米諸国政府用の実地試験?(2023.01.26)
- 議論で破れたがゆえに一層喧しいブッシュ時代の戦争犯罪人連中(2021.08.26)
- iPhoneのために死ぬ(2021.06.07)
「Caitlin Johnstone」カテゴリの記事
- イスラエルのために欧米諸国全体で公民権が破壊されている(2025.02.11)
- ガザで依然民間人が虐殺されている(2025.02.07)
「民営化」カテゴリの記事
- 資本主義は巨大詐欺だ(2023.07.21)
- 医療の人質化:人工呼吸器問題の起源(2020.05.14)
- 野放しの資本主義が世界を破壊していると言えるだろう(2019.07.17)
- コチャバンバ水戦争:「水戦争」から10年 マルセラ・オリベラ、市営水道民営化阻止の対ベクテル民衆闘争をふり返る(2013.07.27)
- ザ・ウォーター・ウォー(水戦争)と複雑なことに取り組む必要性(2013.06.20)
« 全てを説明する1つの図 | トップページ | NATOはウクライナを守っていない。まさにウクライナの背中を刺している。 »
コメント