アンダーソン・クーパーは実に不快なCIAの悪党
2023年7月20日
ケイトリン・ジョンストン
アメリカ大統領候補コーネル・ウェストの最近のCNNインタビューで元CIA実習生のアンダーソン・クーパーが、アメリカのイラク侵略は、ロシアの対グロズヌイ市攻撃より道徳的に優れていると主張した。
NATOがロシアのウクライナ侵攻を引き起こしたというウェストの主張と停戦交渉の呼びかけに反発して、クーパーはプーチンは人々の虐殺をやめることに同意するには余りに邪悪で殺人的だと主張した。
Anderson Cooper thinks it's "inappropriate to compare" the Iraq and Grozny bombings pic.twitter.com/BvQsKvOEI9
— Due Dissidence (@DueDissidence) July 19, 2023
「彼が90年代にグロズヌイでしたことをあなたは見たか」とクーパーは言った。「つまり彼はあの都市を破壊した。民間人は都市に閉じ込められた。世界はグロズヌイ救援に来なかった。彼はまさにやりたいことをした。つまり抑制されなければ彼は人々を虐殺する。」
「そう、つまり彼は抑制されないと人々を虐殺するだろう、我々がイラクでしたのは抑制されずに人々を虐殺することだった」とクーパーが必死に彼を邪魔し始めた時ウェストは答えた。
「国民国家はそういうことをするが彼らは間違っている。そして彼らが間違っている時、あなたはそれを指摘しなければならない」とクーパーが彼に対し話す間ウェストは続けた。
「ええ私はあなたを尊敬している」とクーパーは言った。「私があなたを好きなのははわかっているだろでうが、ロシアのグロズヌイ爆撃と、イラク戦争で我々が目撃したものをと比較するのは不適切だと思う。つまり無辜の人々が殺されたのだ。つまり、それは確実だ。つまり恐ろしいことは起きるのだ」
「50万人のイラク人が殺されたんですよ。50万人。」とウェストは口を挟んだ。
「私はきちんと理解している」とクーパーは言った。「私は多くのアメリカ人が殺されるのも見た。私はサダム・フセインの恐怖も見た。ロシアの大砲による都市攻撃を、民間人が中にいて、毎日、都市を破壊し、ぺちゃんこにするつもりで毎日攻撃するのを、アメリカがした行動で比較するのは正確ではないと思う。」
7.17.23 8:00PM ET A truly fascinating back and forth between Anderson Cooper @andersoncooper and Green Party Candidate Dr Cornel West @CornelWest on @AC360 (13:53) pic.twitter.com/nV7UKfL8cD
— Jeff Storobinsky (@jeffstorobinsky) July 18, 2023
グロズヌイの戦いで殺された民間人数の主要推計は5000人から8000人の範囲だ。イラク侵攻の結果、殺された人々の数の推計は数百万人に及ぶ。一方は一都市での単一の戦いで、もう一方は地域全体を暴力と混乱に陥れた長年にわたる全国戦争だ。クーパーが、この二つを比較するのは不正確だというのは正しいが、イラク侵略は、それほど腐敗していなかったためだというのは明らかに間違っている。
権力と利益のためのアメリカ戦争は、遙かに少数の人々を殺したロシア攻撃より道徳的に優れていると主張するのが正当だと感じなければならない類の考え方についてお考え願いたい。それをあなたの心の中で、道理にかなうものにするため、皆様が真実だと思いこまなければならない全てのことをお考え願いたい。
一つは、崇高な理由で崇高な意図でのみアメリカは軍隊を使用すると信じなければならない。もう一つは、自国政府は民間人を偶然殺すだけだが、他国政府が民間人を殺すのは戦争犯罪を行うのを楽しむ邪悪な怪物だからだと信じなければならないのだ。アラブ人の命は白人の命の価値のごく僅かでしかないと信じていれば、おそらくその視点も理にかなうようにするだろう。
文字通り、このミームが機能しているのだ。
クーパーはウェスト出演の後、即座にウェストは「脅威」で「アメリカの憲法秩序への継続的脅威」だと中傷し始めた民主党沼地の怪物ジェームズ・カービルにインタビューした。
カービルは、そこでウェストの選挙運動本部長、元緑の党候補ジル・スタインは「ほぼ確実にロシア政府の代理人」だと主張した。
コーネル・ウェストの選挙運動本部長がロシア政府秘密工作員だという主張を裏付けるため、カービルはクーパーの聴衆に「写真、フリン将軍、ウラジーミル・プーチン、ジル・スタインをGoogle検索するよう」促した。
CNN視聴者にこれら単語をGoogle検索するように言えば、スタイン、フリン、プーチンが一緒にテーブルに着いている写真が現れるとカービルは知っているのだ。その催しで何をしていたかについて、スタインがしている完全に適切な説明をカービルはCNN視聴者に伝えていないのだ。
この写真はロシア人との会談が法外なスキャンダルと見なされなかった2015年のRT会議で撮影された。平和と環境保護主義という彼女のいつもの狙いを推進する好機と見なして、この催しに参加したとスタインは言っている。彼女はプーチンやフリンと交流しておらず、出演に対し報酬は支払われておらず、RTは彼女に旅費を払うと申し出たが、その申し出を断ったと彼女は言っている。2016年の選挙におけるロシア干渉に関する包括的調査で、スタイン主張のいずれかが虚偽だという証拠の断片は何も見つからなかった。
だからカービルはジルスタインについても、コーネル・ウェストの大統領選挙運動についてもCNNの聴衆を積極的にだましていたのだ。ジャーナリズム的責任としては、カービルのとんでもない主張を根掘り葉掘り尋問することだったはずだが、クーパーはそれらを全く確認せず切り抜けた。大統領候補の選挙運動本部長を秘密のロシア工作員と呼ぶのは、あり得る限り最大の扇動的告発だが、クーパーはそれを揺るぎない事実として受け入れ先に進んだ。
アンダーソン・クーパーに関する限り、イラク破壊でアメリカを批判するには根掘り葉掘りの尋問だけでなく、即時に敵対的に反対する必要があり、ウエストが文字通りロシア工作員と協力していると偽って非難するのに、たった一つの補足質問にさえ値しない。
これは、アメリカ・ニュース・メディアの最高層に昇進するために、人はどれほど無節操でなければならないかを示している。これが世界最強力で破壊的な政府を守るため、人が喜んで突入しなければならない深みだ。それはアンダーソン・クーパーのように年に12万ドル稼ぐべく主流マスコミで働くために人が沈むのをいとわない必要がある方法だ。これがアメリカ人に自国と世界について何を信じるべきか教える連中だ。そして、それこそが、まさに全てが実に滅茶苦茶になっている理由だ。
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「『週刊文春』の右トップ記事を書いていた岩上安身が、自らの裁判体験から、『木原事件』は元刑事の実名告発を取った『文春』に軍配!」
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