より損失の多いものへ戦術変更したウクライナ
2023年7月5日
Moon of Alabama
一ヶ月、ロシア防衛線に到達する試みに失敗した後、ウクライナは立ち往生している。ウクライナ軍はロシア戦線手前の警戒地域を越えることさえできない。ワシントンとNATOの圧力で着手した長らく喧伝されてきた反攻は確実に失敗した。実質的利益なしに莫大な損失を受けたため、現在ウクライナ軍は戦術を変えている。
昨日ウクライナ国家安全保障防衛評議会書記オレクシー・ダニロフは英語とロシア語でツイートした。
活発な敵対行為の現段階で、ウクライナ国防軍はロシア軍の人員、装備、燃料貯蔵所、軍用車両、指揮所、砲兵および防空軍の最大破壊という最大任務を果たしている。ここ数日特に実りが多かった。今や破壊戦争はキロメートル戦争と同じだ。より多くの破壊は、より多くの解放を意味する。前者が効果的なほど後者も効果的だ。我々は一歩一歩落ち着いて賢明に行動している。
ウクライナ軍は夜通しドネツ市とロシアのベルゴグラードとクルスク地域に更にミサイルを発射した。
もちろん消耗戦は、ロシアが過去12か月間、ウクライナ軍、特に最前線に沿って、ウクライナ奥深く大砲と武器供給を体系的に破壊して実践してきたことだ。第一次世界大戦のように、双方が消耗戦に尽力すると、通常、より多く資源を持つ側が勝つ。この紛争では、それは確実にロシア側だ。
ウクライナ指導部はこの事実を強く否定している。
クラッシュレポート@clashreport - ·2023年7月5日 9:12 UTC
ウクライナ地上部隊司令官オレクサンドル・シルスキー
反攻は計画通り進んでいる。司令部はバフムトを解放すると保証しており、ロシアの損失はウクライナの損失の8〜10倍だ。
過去数ヶ月間、ロシア側は砲弾をウクライナの10倍発射した。ロシアはまた、ウクライナの砲兵システムを破壊する専門の対砲兵 任務を遂行している。
現代の戦争では、砲撃が全損失の約四分の三をもたらす。ウクライナ側の実際の死傷者数はロシア側の約10倍だ。これについて初めて書いたのは2022年5月だった。この傾向は12月や最近まで続いている。
シルスキーがこれを知っている可能性は高いが、軍の士気を氷点以下に押し下げぬようウソをつかなければならないのだ。
本物の消耗戦に対し、ウクライナ軍はしっかり構築した防衛線まで撤退し、ロシアが、それを通過しようとしたら必死に阻止しなければならないはずだ。ウクライナがそうしている兆候はまだない。
----------
Alex Christoforou 冒頭は財務長官の帰国後記者会見。
Yellen; BRICS currency, no problem. Plan B, hit Kerch. Erdogan calls Biden. Elensky mocks Trump. 42:31
耕助のブログ シーモア・ハーシュ記事翻訳
植草一秀の『知られざる真実』
今朝の孫崎享氏メルマガ題名
バイデン政権クラスター爆弾をウクライナに提供と発表。百国以上がクラスター弾の使用移譲等を行わない条約に参加。昨年米大統領報道官は、使用は戦争犯罪となる可能性と発言。ロバート・ケネディ・ジュニアこれを引用し反対。被害にあったカンボジアの首相不使用を要請
「NATO東京連絡事務所設置は、仏の反対で秋以降に先送り! 岸田総理はNATO事務総長と会談し『パートナーシップ計画』をまとめる予定!」
はじめに~リトアニアで開催のNATO首脳会合に日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが「パートナー国」として参加、「欧州とインド太平洋の安全保障は切り離せない」との声明発表予定!? 一方、NATO東京連絡事務所設置は、仏マクロン大統領の反対で、秋以降に先送り! 米覇権主義への追随姿勢で分裂するNATO諸国にかわり、米「属国」の日韓にウクライナへの武器支援圧力がかかる! 岸田総理はストルテンベルグ事務総長と会談し、「国別適合パートナーシップ計画(ITPP)」をまとめる予定! 日本は不要で不毛な負担を背負い込むのか!?
« 核偽旗と熱核戦争を準備する欧米メディア | トップページ | 「ウクライナ」ではなく「イラク」と言い間違いし続ける高齢のイラク侵略者連中 »
「ロシア」カテゴリの記事
- 対シリア戦争を再燃させるアメリカと同盟諸国(2024.12.02)
- ロシアとの戦争でアメリカが負ける理由(2024.12.04)
- ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか(2024.11.29)
「Moon of Alabama」カテゴリの記事
- 対シリア戦争を再燃させるアメリカと同盟諸国(2024.12.02)
- ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか(2024.11.29)
- ロシアの新型ミサイルが、なぜ本当に形勢を一変させるのか(2024.11.24)
- バイデン、ウクライナに対人地雷を供与(2024.11.27)
- 戦争を長引かせるためロシアに対するATACMS使用をウクライナに許したアメリカ(2024.11.20)
「ウクライナ」カテゴリの記事
- 対シリア戦争を再燃させるアメリカと同盟諸国(2024.12.02)
- ロシアとの戦争でアメリカが負ける理由(2024.12.04)
- ロシア新形ミサイルが、いかにゲームを変えつつあるのか(2024.11.29)
- 欧米帝国主義は常に嘘の溜まり場だったが、今やメディア・トイレは詰まっている(2024.11.30)
コメント
« 核偽旗と熱核戦争を準備する欧米メディア | トップページ | 「ウクライナ」ではなく「イラク」と言い間違いし続ける高齢のイラク侵略者連中 »
ゼレンスキーよ。今こそ「敗戦宣言」を。Mr.Zelensky,Declaration of Defeat now !
イスラエルの首相とプ-チン大統領及びロシヤ軍部の合意によってゼレンスキーは殺されないことが保障された。しかしこれだけ新旧ウクライナ国民を苦しめた大統領がなぜ死を免れ得るのであろうか。第一に,停戦を約束して立候補したゼレンスキー。なぜ約束を反故にしたのか。第二に,多くの若者はロシヤ軍の餌食になった。双方の若者や人々の命も奪われた。もしボリス首相の脅しをはねつけておけば自分は死んでもウクライナやロシヤの若者の命を奪うことはより少なかったはずである。 その罪,万死に値する。
しかし罪一等減ずる方策がただ一つ残されている。それはゼレンスキ-大統領名で「敗戦宣言」をすることである。ウクライナの正式な大統領は周知のようにヤヌコビッチ氏である。しかし彼は亡命しているのでウクライナで「敗戦宣言」をすることはできない。すなわち信認の選挙が行われた後,選ばれた大統領は敗戦宣言をすべきだが,「直ちに」敗戦を宣言できるのはゼレンスキ-だけである。ベネスエラのグアイド大統領もゼレンスキ-大統領も正当に選挙されて選ばれた大統領ではない。繰り返すがウクライナの大統領はヤヌコビッチである。
しかし直ちに敗戦を宣言できるのはゼレンスキ-だけである。なぜならゼレンスキ-が署名捺印した法律がウクライナ国民を縛っているからである。縛られたくない国民は逃げるか,ドンバス2州や他の2州の国民のようにロシヤ併合を望んだ。そして残ったウクライナを縛っているのはゼレンスキ-とその憲法であるからである。したがって敗戦宣言を出せるのはゼレンスキ-だけである。さらに,彼がいなくなった時の混乱はさらに深まるであろうから,敗戦という混乱時の危機を少なくできるのはゼレンスキ-とプ-チンだけである。
米国のJ.F.Kennedy Jr.もイ-ロン・マスクもトランプ元大統領もウクライナに勝ち目はないとほぼ断言しているこの「アメリカ代理戦争」。しかし兵器は衆目の一致するところ,クラスタ-爆弾であれ劣化ウラン弾であれ,長年にわたって人々が苦しむのが分かっている兵器である。違いはほとんどない。どちらも兵器として多くの人々を後々まで苦しめる兵器である。このような兵器が使われないうちにも敗戦宣言する必要があろう。
閑話休題。最近のエルドガン大統領のトルコの動きが変である。スウェ-デンのNATO加盟が認められたらしい。しかし難題は,アゾフ大隊の,ネオナチ幹部3人をトルコからウクライナに戻すことを許したエルドガンの決定である。プ-チンの特別軍事作戦の目的は二つあった。一つは❶(ウクライナの)非武装化,❷脱ネオ・ナチ化である。しかしエルドガンによるネオ・ナチ3人のウクライナ戻りは❷に反する。交渉における裏取引はたくさんあり,小生らには遥かに思いもよらないが,国会議事堂になたや鎖や鎌を持ち込んで議員たちを脅したネオ・ナチ隊員を野に放つというのだから,プ-チンの怒りは再爆発するのではないだろうか。つまり,シリア上空付近でトルコ戦闘機がロシヤ戦闘機を撃墜した事件があった。そのときの再来がきそうである。
ショイグ国防相は部下を失って涙を流したが,ロシヤ機撃墜そのやり口は米国流でなく英国流であった。国境付近上空という微妙な空間でトルコ機がロシヤ機を撃墜したのである。このときプ-チンはトルコへの渡航を全面的に禁止し,観光業に大きな損害を与えた。まさかその対策はできていないはずはないだろうから,プ-チン大統領がどのような仕返しをするのか,近い将来の楽しみではある(本来なら楽しんではいけない)が,ネオ・ナチの仲間が増えれば,ゼレンスキ-は意を強くしてまた若者殺しに精を出す恐れが高い。すなわち「敗戦宣言」から遠ざかるかもしれない。すなわち小生が恐れるのは,劣化ウラン弾の次にクラスタ-爆弾そしてその次に生物化学兵器でロシヤ側を脅すだろう。もちろんその対策はできているだろうが。最後は原発の破壊である。
追記:最近のブリゴ-ジンとショイグ国防大臣の演技はあまりにも下手であった。メディアは前者を本物の悪党らしく描く一方,ショイグ国防大臣を役者にするのにはかなり無理があった。二人の,演技過剰と演技不足は明らかであった。やはり腐っても国防大臣は国防大臣。ゼレンスキ-の演技には叶わない。
追記2:ノルド・ストリームⅠ・Ⅱ爆破事件もウクライナ人が関係していると言われているが,直接の犯行が誰か分からないようにやるのが英国流である。米国はイランのソレマイニ中将をミサイル攻撃して暗殺したが,やったのは米国であり,はっきりとしていて悪びれるところがない。したがって英米のどちらが主犯かを見定めるために犯行の曖昧さに注目している。
追記3:なぜ「直ちに停戦を」でないか。それは分かりません。
投稿: 箒川 兵庫助 | 2023年7月12日 (水) 16時56分