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2023年6月 6日 (火)

誤った名の「キーウ」における大物会談が不快な人種差別中傷を生みだした

スティーブン・カルガノビッチ
2023年6月2日
Strategic Culture Foundation

 リンゼー・グラム上院議員がお墨つきのバカかどうか疑問があった場合には、その問題は今解決した、とスティーブン・カルガノビッチは書いている。

 リンゼー・グラム上院議員がお墨つきのバカかどうか疑問があった場合、その問題は解決した。その点「キーウ」の主人役にはジレンマはなかった。

 歴史的にさほど遠くない昔、アメリカ上院には誇りを鼓舞する著名な議院たちがいたことを読者は想起すべきだ。彼等は非常に多様な政治的見解の人々だったが、全員例外なく公共奉仕に専念していた。エベレット・ダークセン、トーマス・マンスフィールド、ヘンリー・ジャクソン、ウィリアム・フルブライト、ヒューバート・ハンフリー、著名人リストは延々続く。彼らは誠実さ、構想、知性の人々で、彼らの公式声明には重みがあった。彼らは皆教養があり雄弁だった。

 今の上院はリンジー・グラムの愚かさと不道徳で集合的に代表され制度的に困惑している。

 最近の、もちろん「キーウ」でなく、キエフ訪問中、彼はもう一人の変人に歓迎されたが、グラムは、そのような衝動に依然興味をもっている世界の15%は喜ぶが、世界の大多数に嫌悪感を抱かせる発言をした。グラムは「ロシア人を殺す」ことについてたわ言をのべ、この特定民族の絶滅を「我々がこれまでした中で最高の投資」だと称賛した。彼の野蛮な暴言は、それに相応しく大いに広まった。

 野蛮なグラム発言の後半部分は別の角度から撮影されたように見えるので、不確実性があり、良心の呵責や繊細さで有名というわけではないウクライナ人主催者が自分の宣伝目的で、会話の別の二つの部分をつなぎ合わせた可能性がある。しかし、とはいえ「ロシア人を殺す」という部分は議論の余地なく記録されており、グラムがあちこちで発言している同じ考えの繰り返しだ。彼は以前にも「多数のロシア人」殺害を主張して、より強烈ながら同じ姿勢をとっている。「多数」は、単にまとめて殺すのというのとは対照的に著名な名文家の洒落た修辞だ。

 自分に何の害も与えない人を殺すのをグラムが「最良の投資」と明確に言及したかどうかは事実上議論の余地があるかも知れないが、軍産複合体代理人の野蛮な人物として、個人的にそのような線で考えているのは確実だ。

 キエフでの、この公式発言の中心的特徴(この場合ニュアンスと呼ぶのは不適切だ)の「ロシア人を殺す」ことの奨励は紛れもなくグラムに起因する。「ロシア人」をあらゆる国や人種に置き換えれば彼の発言の粗雑さは明らかだ。グラムの殺人扇動は無差別だ。彼は対象を戦闘要員に制限することさえ気にしない。いや彼はそれを一般的に述べており、学童や祖母を含む集団全員に影響を与える。

 立法や公共問題の管理を、この情緒不安定な人物に任せて大丈夫だろうか? もし確信が持てない場合には、ここここをご覧願いたい。

 したがって、この潜在的に危険な連続犯罪人で無謀な戦争屋に逮捕礼状を発行するロシア司法当局の賢明な決定は救いだ。この男に街をぶらつかないようにするのが早ければ早いほど、サウスカロライナ州や世界の全員は確実に安全になる。

 かつては威厳があった政治機関がリンジー・グラムよりも落ちる可能性はあるだろうか? ありそうもないように聞こえるが、この場合我々は先入観を抱かない必要がある。

 そしてサウスカロライナの善良な人々はこれについて何を言わねばならないだろう? 彼らは正式に彼らを代表し、彼らの名において話す男の粗野な発言を支持するのだろうか? お気に入り息子の発言に対して道徳的反対を共有する用意ができているだろうか?

 次の選挙でわかるだろうが、今の雰囲気では、よりまともな有権者たちの大量グラム支持離れや世論が反対する可能性はわずかだ。

 無謀な発言の面倒な影響から後退して、ウクライナ・ネオナチ政権支持は、アメリカ独立戦争の哲学的原則「自由を与えよ。しからずんば死を」の遵守が動機だという薄っぺらな後付けをグラム上院議員は思いついた。それはジョージ・ワシントンとステパン・バンデラという全く矛盾する要素の実に素人っぽい融合に聞こえる。しかし、もしグラムがアメリカの中核的価値観を強く信じているなら、彼はウクライナの主催者に連中の野心に真っ向から当てはまる問題を提起したのだろうか? 一ヶ月以上前、ウクライナ秘密警察SBUに逮捕され、その後跡形もなく姿を消したアメリカ国民ゴンザロ・リラの拘留と現在の状態について、あえて質問したのだろうか? キエフ・ペチェルスク修道院長メトロポリタン・パヴェルの監禁問題を提起したのだろうか、修道院の僧侶や神学生が修道院への出入りを拒否される理由を主催者に尋ねたのだろうか? グラム上院議員はサウスカロライナ州の人々が知られているのと同じくらい宗教の自由を気にかけているのだろうか? 別の言い方をすれば、彼は州民のために働いているのだろうか、それとも他の誰かのために働いているのだろうか? それともグラムは「キーウ」での会話を、人種的動機の殺害を公に呼びかけて、選挙運動寄付者がウクライナ騒乱への投資で享受する金銭的見返りに対する歓喜表現に限定したのだろうか?

 無教養な武骨者リンゼー・グラムはたまたま知らないが、ロシア、聖なるロシアは彼の原始的な暴言にふさわしい文明的対応をしている。それは200年前(1831年)に詩人アレクサンドル・プーシキンが書いた。彼の詩は「ロシアを中傷するものたちへ(英訳版)」( Клеветникам России)と題するもので、リンジー・グラムや彼の無数のクローンのために書かれたようなものだ。偉大な詩人に耳を傾けよう。

なにをかしましく騒ぎたてるのか きみら 諸国の雄弁家たちよ?
なにゆえ きみら 呪いのことばでロシヤをおびやかすのか?
なにが きみらを憤慨させたのか? リトアニアの動乱か?
やめにしてくれ。これはスラヴ民族同士のあらそい
内輪の 昔からの 運命にさだめられたあらそい
きみらが解決できる問題ではない

   ずっと昔から おたがいに
   二つの民族は 敵対している。
   一再ならず わざわいのもとに屈したもの
   あるいは相手が ときには味方が。
   この釣合いのとれないあらそいで どちらが最後までもちこたえるか、
   おごりたかぶるポーランド人か あるいは誠実なロシヤ人か?
スラブ人のいくつもの流れが ロシヤの海に合流するだろうか?
   海は涸れてしまうだろうか? これこそ問題である。
   われわれにかまわないでくれ。きみらは
   血でかきあげたこの歴史を 読んだことがない
   きみらには分からない きみらとは無縁だ
   この家庭内のいがみ合いは。
   きみらにたいして いうことはない クレムリンもプラーガも
   おろかにもきみらは 心を惹かれている
   この死にもの狂いのたたかいの 勇ましさに。
   そして きみらは われわれをにくんでいる......

   いったいなぜだ? 答えてみたまえ。
きみらをその足もとに震えおののかせた男の
   厚かましい欲望を 燃えるモスクワの焼けあとの上で
   われわれがうけいれなかったからなのか?
   数かずの王国をふみつけにする偶像を
われわれが奈落の底にたたきこんだからなのか?
   そして われわれの血をもって
   ヨーロッパの自由と名誉と平和とを あがなったからなのか?

きみらは大言壮語しているが 実際にためしてみてはどうか?
あるいは 年老いた勇士も 寝床に休らいだまま
もはやイズマイルの銃剣を とりつける力もないというのか?
あるいは ロシヤのツァーリのことばも もはや無力というのか?
   あるいは われわれがヨーロッパと はじめてあらそうとでもいうのか?
   あるいは ロシヤ人は 勝利に見はなされたとでも?
もしくは われわれが少数だとでも? もしくは ペルミからタヴリーダまで
フィンランドの冷えびえした岩山から灼熱のコルヒーダまで
   動揺するクレムリンから
   千古不動の中国の長城まで
   鋼鉄の太い毛をきらめかせるのみで
   ロシヤの大地は立ちあがらないとでも いうのか?......
   それなら われわれにたいして繰りだすがよい 雄弁家諸君
   きみらの敵意にもえた息子たちを。
   ロシヤの畑地には かれらの居場所はいくらでもある
   かれらの身内たちの墓場のあいだに。

 最初の節で、ポーランドをウクライナに置き換えると、おそらくリンジー・グラムの鋭い知性にさえ焦点が当てられる。彼や彼のハンドラーや他のお仲間連中は準備されたデタラメ・ブリーフィングで時間を無駄にする代わりに、アレクサンドル・プーシキンがあれこれ多くのことについて彼らに言わねばならなかったことを読めば遙かに多くの利益が得られるだろう。

記事原文のurl:https://strategic-culture.org/news/2023/06/02/in-misnamed-kyiv-meeting-of-titans-generates-disgusting-racist-slur/

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